サッカーの才能は家系から?:兄弟で成功したレジェンドたち
サッカー選手には才能にあふれた「血筋」があると言われることがある。それを証明するかのように、兄弟そろって輝かしいキャリアを歩んできた選手たちがいる。フットボールの歴史に残る有名な兄弟たちについて見ていこう。
最も知られている長男エデン・アザールはチェルシー時代に才能を全開、向かうところ敵なしの活躍を見せた。アザール家は4人兄弟で、全員がサッカー選手として活躍しており次男のトルガンはドイツのボルシア・ドルトムントで名を馳せ、三男のキリアンはベルギーリーグで才能を発揮。さらに末弟のエタンも母国ベルギーで頭角を表しつつあるようだ。
ポグバ兄弟の中で最も有名なのはポールで、フランス代表としてワールドカップ優勝も経験し、クラブではマンチェスター・ユナイテッド、ユベントスで活躍した。兄弟のマティアスとフロランタンは、ポールほど輝かしいキャリアを築くことはできなかったが、二人ともプロのサッカー選手となった。
ファビオ・カンナヴァーロは、2006年ワールドカップで素晴らしい活躍を見せた。イタリアのワールドカップ制覇に大きく貢献し、同年のバロンドールを受賞した。弟のパオロは偉大な兄の影に隠れがちだが、ナポリやパルマなどイタリアの名門クラブで素晴らしいキャリアを歩んだ。
オランダ出身のフランクとロナルド・デ・ブール兄弟も二人そろって大成した。アヤックス、FCバルセロナ、レンジャーズで一緒にプレーし、オランダ代表でもチームメイトとして共に戦った。
デ・ブール兄弟以前には、ロナルドとエルヴィン・クーマンがオランダサッカー界を代表する兄弟選手だった。ロナルドは、伝説的なフリーキックでFCバルセロナに欧州カップ優勝をもたらし、近年では古巣バルセロナの監督も務めている。
ジェロームとケビン=プリンス・ボアテングは、それぞれドイツ代表、ガーナ代表でプレーしている。クラブチームについては、ジェロームはマンチェスター・シティとバイエルン・ミュンヘンで、ケビン=プリンスはACミランやFCバルセロナなどのクラブでプレーした。
イニャキとニコ・ウィリアムズも兄弟で別の国の代表としてプレーしている。兄イニャキはガーナ代表を、弟ニコはスペイン代表を選択し、国際大会にも出場している。クラブでは二人ともスペインの古豪アスレティック・ビルバオに所属、そろってフォワードとして素晴らしいコンビネーションを見せている。
アルゼンチン出身のディエゴ・ミリートとガブリエル・ミリート兄弟も二人とも世界トップレベルの選手となった。ディエゴは、イタリアの強豪インテル・ナツィオナーレで活躍し、チャンピオンズリーグ優勝も経験した。一方、ガブリエルはFCバルセロナで4年間を過ごした。
双子の兄弟ラファエル・ダ・シルバとファビオ・ダ・シルバは、マンチェスター・ユナイテッドで同時期にプレーし、プレミアリーグ優勝を経験した。ユナイテッドの本拠地オールド・トラッフォードで過ごした後、二人ともフランスとブラジルでプレーした。
アンドレとジョルダン・アイェウも兄弟で有名なサッカー選手だ。二人はともにガーナ代表であり、フランスの古豪マルセイユや、プレミアリーグのいくつかのクラブでプレーした。
メキシコ出身のジョバンニ・ドス・サントスは、若くしてFCバルセロナのネクスト・メッシとまで呼ばれたが、その渾名にふさわしい活躍をスペインで見せることはできなかった。兄のジョナタンもバルセロナでプレーしたが、ジョバンニと同様、同クラブで目立った実績を残すことはできなかった。
ヤヤとコロ・トゥーレはマンチェスター・シティで一緒にプレーし、プレミアリーグで輝かしいキャリアを築いた。
リオとアントン・フェルディナンドもトゥーレ兄弟同様、そろってプレミアリーグでプレーした。特にリオは、マンチェスター・ユナイテッドで6回ものプレミアリーグ優勝を果たすなど輝かしい実績を残した。
ゲイリーとフィル・ネビルは、アレックス・ファーガソン時代のマンチェスター・ユナイテッドに欠かせない存在だった。本拠地オールド・トラッフォードで活躍し、いくつかのトロフィーを獲得した。ゲイリーはユナイテッドでキャリアを終え、フィルはエバートンで引退した。
トニ・クロースとフェリックス・クロースは、近年のドイツサッカー界で大きな成功を収めている兄弟である。トニはバイエルン・ミュンヘンとレアル・マドリードで華麗なプレーを披露し、フェリックスは母国ドイツでキャリアを築いている。
ロメル・ルカクは10代で母国ベルギーのRSCアンデルレヒトに加入、そこでブレイクして海外市場の注目を集め、マンチェスター・ユナイテッドやインテルなどで活躍している。弟のジョーダンも数年後にRSCアンデルレヒトで活躍したが、兄ほどのキャリアは築けていない。
チアゴ・アルカンタラとラフィーニャ・アルカンタラ兄弟は、ともにFCバルセロナなどヨーロッパのビッグクラブで活躍し、ヨーロッパサッカー界のトップに上り詰めた。
1966年のワールドカップで優勝したボビー・チャールトンとジャック・チャールトンは、イングランドの伝説的選手だ。ボビーはマンチェスター・ユナイテッドの素晴らしい攻撃的選手だったが、ジャックはリーズ・ユナイテッドでセンターバックとして活躍した。
リュカとテオ・エルナンデスはともにスペインの強豪アトレティコ・マドリードの下部組織出身で、フランス代表でも活躍している。兄リュカは、アトレティコやバイエルン・ミュンヘン、弟テオはレアル・マドリードやACミランでプレーしており、兄弟ともにヨーロッパのトップレベルで活躍を続けている。
イタリア人のフィリッポとシモーネ・インザーギ兄弟もそろって世界のトップレベルの選手だった。「ピッポ」と呼ばれた兄フィリッポは、ACミランとユベントスで歴史に残る活躍をした。さらに引退後は、二人そろって監督に転身し、そこでも優れた実績を残している。
イタリア人兄弟のサッカー選手では、フランコ・バレージとジュゼッペ・バレージの二人も有名だ。それぞれ同じ都市のライバルクラブであるACミランとインテル・ミラノでプレーし、母国イタリアやヨーロッパの舞台で活躍した。
ブライアンとミカエル・ラウドルップは、史上最も才能に恵まれた兄弟選手かもしれない。ブライアンはバイエルン・ミュンヘン、ACミラン、チェルシーでプレーし、ミカエルはラ・リーガにおける永遠のライバル、レアル・マドリードとFCバルセロナを渡り歩き、印象的な活躍を果たした。
ラウドルップ兄弟と並んで、ライとソクラテスのブラジル人兄弟も二人そろって類稀な才能に恵まれていた。兄弟のうちライの方がより成功しており、ブラジル代表として1994年のワールドカップで優勝しただけでなく、パリ・サンジェルマンではリーグ・アンを制覇した。
今シーズン、スペインのレアル・ソシエダで飛躍を遂げている日本の久保建英も、兄弟でサッカー選手として活躍している。弟の瑛史は兄同様レアル・ソシエダのユースチームに所属しており、将来を期待されている。本記事で紹介してきた偉大な選手たちのように、いつかは2人そろって日本代表としてプレーする姿が見られるかもしれない。