5度目の五輪出場決定:カヌー選手、羽根田卓也選手(36)の驚くべき挑戦
リオデジャネイロ五輪で銅メダルを獲得し、カヌー競技でアジア勢初の五輪メダリストとなった羽根田卓也(はねだ たくや)選手。パリ五輪の切符も手にし、なんと5大会連続での五輪出場が決まった。今回は、「ハネタク」の愛称で知られる羽根田選手の軌跡を追っていこう。
愛知県スポーツ局のサイトによれば、羽根田選手は元カヌー選手だった父親や兄の影響を受け、9歳の時にカヌーをはじめた。高校3年生で日本選手権を制し、卒業後は単身でカヌーの強豪国スロバキアへ渡ったという。
スロバキアでは英語が通じなかったので、スロバキア語を必死に習得すると地元の人達がフレンドリーに接してくれるようになった。練習のかたわら現地の大学に進学し、コーチング学を選択。そのまま大学院まで進んだ。修士課程修了後も1年の半分以上を練習拠点であるスロバキアで過ごしているという。『AERA』誌が伝えた。
画像:Instagram, @takuya_haneda
初出場となった2008年の北京五輪は予選14位に終わったが、2012年のロンドン五輪では7位入賞。2014年の世界選手権で5位になると、2016年のワールドカップで銅メダルを獲得し、日本人として初めてカヌー競技の表彰台にのぼった。
画像:Instagram, @takuya_haneda
リオデジャネイロ五輪を前に、イケメン選手として注目されていた羽根田選手。『マツコ&有吉の怒り新党』に出演し、マツコ・デラックスから「ハネタク」の愛称を付けられると、スポーツに関心がない人にまで存在を知られるようになった。
画像:Instagram, @takuya_haneda
2016年のリオデジャネイロ五輪で、羽根田選手はアジア勢初となる銅メダルを獲得した。すると「ハネタク」として親しまれていた羽根田選手の知名度が一気に上がり、メディアへの露出が激増。ついにはベストドレッサー賞まで受賞してしまった。
ところが、2大会連続でのメダルを目指した東京五輪では10位と振るわず。『NHKニュース』によれば、現役続行を決めた羽根田選手は、東京五輪後に持久力や心肺能力を徹底的に鍛えたという。課題だった勝敗を決めるレース後半を乗り切るためだ。
2023年、羽根田選手はパリ五輪予選を兼ねたアジア選手権で優勝。5大会連続での五輪出場が決まった。
画像:Instagram, @takuya_haneda
羽根田選手はカヌーの魅力について、『家庭画報』誌上でこう語っている:「カヌーはプレーするフィールドが常に動いている珍しい競技です。動き続ける水をいかに味方にしてカヌーを進めるか。それがカヌーの極意であり、醍醐味であり、やっていて奥が深いと感じるところです」
羽根田選手が参戦するカヌー・スラロームとは、一定区間(300m前後)のコースを最上流からスタートし、20前後のゲートを順番に通過しながらゴールまでの所要タイムを争う競技。ベテランとなった羽根田選手の5度目の挑戦はもう始まっている。