『スポーツ・イラストレイテッド』誌の水着特集2024に登場した女性アスリートたち
『スポーツ・イラストレイテッド』誌で毎年恒例となっている水着特集だが、今年もそれぞれの競技で目覚ましい活躍を見せる女性アスリート9人が登場した。そこで、今回は彼女たちのアスリートとしての実績と、水着モデルとしての意気込みを見てゆくことにしよう。
ラグビー米国代表の一員としてパリ五輪に出場し、一躍注目を集めたイロナ・マーハ。持ち前のパワーを活かしてアグレッシブにボールを運ぶプレースタイルは、NFLスターのデリック・ヘンリーからも称賛されている。ヘンリーいわく:「彼女はガッツがあるよ。つまり、倒されるものかと全力でパワフルに走り、なんとしてでもエンドゾーンに辿り着いてやるという気概だね」
パリ五輪はマーハにとって、長年かけて培ってきたキャリアの集大成だった。ニュースメディア「FOX59」によれば、マーハはフィールド上での活躍に加え、SNS上で自分自身の成長をコミカルに発信することで注目を集めてきたという。そして、自身2度目の五輪となったパリ大会では、ラグビー米国代表の歴史的な銅メダル獲得に貢献したのだ。
『スポーツ・イラストレイテッド』誌では水着特集に登場したイロナ・マーハだが、それだけではない。実は、同誌の表紙にも抜擢されたのだ。そんなマーハは自分の身体がラグビーに向いていることを誇りに思っているようだ:「ありがたいことに、ラグビーは私に何ができるかを教えてくれました。私の身体がモノとして眺められるだけの道具ではなく、能力があるということに気づかせてくれたんです」
ヒューストン大学で飛込競技チームの中心的な役割りを果たしてきたアレクサ・マッサリ。カリフォルニア州ハンティントン・ビーチ出身だが、飛び込み競技の選手としての資質に磨きをかけるため、同大学に入学したのだ。
大学卒業後も競技を続けるのかどうかについては今のところ決めかねているようだが、将来の展望はある。『スポーツ・イラストレイテッド』誌に対し、「企業に勤めながら、副業としてモデルの仕事もしたいです」と語ったのだ。
実際、マッサリはベリーズで行われた『スポーツ・イラストレイテッド』誌の撮影を通じて、モデル業への興味をかきたてられたようだ。いわく:「こういうことを続けていきたいです。この週末は本当に刺激的でした。一緒に話した女性たちも私に自信をくれました。『私にできるなら、あなたにもできる』と言ってくれたんです。彼女たちは自分の仕事に愛着と感謝の気持ちを持っていて、それを共有したいと思っているのでしょう」
困難に立ち向かい、これを克服してきたブレンナ・ハッカビー。米国スキー&スノーボード協会のウェブサイトによれば、ハッカビーは14歳のときにガンがもとで右足を失ってしまったという。しかし、不屈の精神を発揮して義足のスノーボーダーとなり、パラリンピックで金メダルを3つ獲得したほか、5度にわたって世界チャンピオンに輝いている。
本人の公式ウェブサイトによれば、ハッカビーは足を失ってからすぐにスノーボードにのめり込んだそうだ。いわく:「(スノーボードの)バランス感覚やスリルが体操をしていた頃を思い出させてくれました。そこで、すぐにユタ州に移り、新たな夢を追い求めることにしたんです」
ハッカビーが『スポーツ・イラストレイテッド』誌の水着特集でモデルを務めるのは2018年に続いて2度目だ。いわく:「以前、『スポーツ・イラストレイテッド』で初めて撮影に臨んだときは、障害のある女性や美しさの基準に合わない女性たちにとって、何か意味のあるものにしたいと思っていました。自分をさらけだすのは本当に怖かったけれど、美容業界に変化が及ぶのを眺めるのは素晴らしい経験でした」
オレゴン大学とセントラルフロリダ大学のソフトボール選手として活躍してきたジャス・ウィリアムズ。ショートの主力選手として、結果を残すためには決してあきらめない粘り強さの持ち主だ。実際、2024年のシーズン中には手を負傷してしまったが、回復するまで代走として出場していたという。
画像:UCF Athletics
ジャス・ウィリアムズがホームランを放つたびに、SNSは「ママ弾(mamaboms)」というハッシュタグで溢れるというが、スポーツ専門チャンネル「ESPN」いわく、この現象がどのようにして始まったのかは定かではない。ウィリアムズは大学でスポーツと学業を両立させる一方で、ジーという息子の子育てにも励んでいるのだ。
画像:Jasmine Williams, Instagram
ウィリアムズはベテラン遊撃手であり、「ダブルプレイ」はお手の物だ。たくさんのタスクを抱えながらも、『スポーツ・イラストレイテッド』誌の水着特集に挑戦したのだ。その意気込みは相当なものだったようで、同誌に対し、「このチャンスが訪れたとき、わたしは跳びあがらんばかりでした。どうしてもやりたかったんです」と語っている。
大学バスケットボールの世界で、誰もがあこがれるような王道のキャリアを歩んできたジリアン・ヘイズ。シンシナティ大学に入学するやいなや才能を発揮し、その後もシーズンごとにスコアを伸ばし続けているのだ。また、巧みなリバウンダーとしても名を馳せている。
2024年11月、ヘイズは同校史上初の快挙を成し遂げた。劇的なシーズン開幕における活躍が評価され、ビッグ12カンファレンスの週間最優秀選手に選ばれたのだ。シンシナティの地元局「WCPO」によれば、ヘイズは自らのプレーを高校時代の恩師で今は亡きダネル・パーカーに捧げてきたそうだ。
ヘイズは『スポーツ・イラストレイテッド』誌の水着モデルを務めた経験についてこうコメントしている:「いまここで『スポーツ・イラストレイテッド』誌の撮影に臨んでいるというのは、本当に言葉にできない喜びです。大学アスリートは常に身体を鍛え、スキルを磨いてベストを目指しています。だからこそ、同誌のような強力な組織と一緒に仕事ができるというのは素晴らしいことなんです」
今回、『スポーツ・イラストレイテッド』誌の水着特集でポーズをとった女性アスリートたちは、そのほとんどがキャリア途上の若手だ。しかし、ミーガン・ラピノーは女子スポーツの歴史に名を残すような大物アスリートだ。サッカー女子ワールドカップで2回優勝を果たし、オリンピックでも金メダルを獲得するなど、輝かしい実績を誇るのだ。また、代表戦への出場回数は200を超えているが、この記録を成し遂げた米国代表は男子選手も含めて4人しかいない。
彼女の伝記によれば、ラピノーは4歳の時にサッカーにのめり込んだという。同時に、両親からは使命を果たすことの重要性を教え込まれた。そこで、恐れずに声を挙げ、信念に従って立ち上がるようになったそうだ。
ラピノーは2019年にも『スポーツ・イラストレイテッド』誌の水着特集に挑んでおり、今回は2度目の登場となる。当時、ラピノーは「スポーツ界の同性愛女性には独特の固定観念があり、同性愛者がスポーツをすることについて非常に視野が狭いのです。そこで、それを吹き飛ばすためにも、まったく新しいことをする必要があると思います」とコメントしていた。
オリヴィア・ダンは同世代で最も人気のある大学アスリートの一人だ。ルイジアナ州立大学の体操チームでは主力メンバーとして活躍し、全米体操選手権では段違い平行棒で9.8点をマークしている。2024年4月にNBC放送が行ったインタビューでは、「夏休みは友達とプールやビーチで過ごす代わりにジムでトレーニングしていました」と語ったが、全米タイトルを獲得したことでその努力は報われたと言えよう。
大学体操界の実力者として知られるダンだが、自己ブランディングもお手の物。スペイン紙『Marca』が2024年10月に報じたところによれば、ダンはSNS上での人気ぶりや大手ブランドとの提携により、推定600万ドルにのぼる「帝国」築き上げているらしいのだ。
2023年に続き、2024年も『スポーツ・イラストレイテッド』誌の水着特集に登場したオリヴィア・ダン。同特集における最近の主力モデルになっているのだ。ポルトガルで行われた撮影に際して、「去年は夢が叶ったと思ったけれど、その気持ちはまったく変っていません。夢みたいです」とコメントしている。
元プロゴルファーのペイジ・スピラナックだが、最近では若手を育てるインストラクターとして、多数の解説動画を公開している。また、ゴルフ入門者に対しては、身近な人に習うのではなく、専門家の指導を受けることが大切だと強調。
学生時代はアリゾナ大学およびサンディエゴ州立大学のゴルフチームで活躍し、2010年代には有望選手として高く評価されていた。サンディエゴ州立大学でプレーしていたころには、マウンテン・ウェスト・カンファレンスのチームに招かれたこともある。プロ入り後はあまり人気が出なかったが、『ニューヨーク・ポスト』紙によれば、30代前半のうちにプロ復帰を果たすかもしれないとのこと。
スピラナックが『スポーツ・イラストレイテッド』誌の水着特集に登場するのは2024年で2度目だ:「SI(『スポーツ・イラストレイテッド』)の水着レジェンドになれたことは、非常に名誉なことです。私が人として、ゴルファーとして成長する上で、ターニングポイントになったんです。SIによるサポートとその恩恵は言い表せないほどです」
バスケットボール選手として、すでにあらゆる偉業を成し遂げてきたスー・バード。ケガで欠場したシーズンを除く19年間のキャリアを通じてWNBAオールスターに13回出場し、4度にわたってWNBAチャンピオンの座に輝いたほか、WNBAオールチームには8回も選出されているのだ。ヴァニティ・フェア誌が2024年1月に報じたところによれば、リーグ史上、最多勝利を挙げた選手となっているそうだ。
バードはWNBAに参入する以前から、大学バスケットボール界で大活躍を見せていた。コネチカット大学を2度にわたってNCAAチャンピオンに導き、ポイントガードとしてもリーダーとしても類まれな実力を見せつけたのだ。本人がコネチカット大学の学内誌に語ったところによれば、トレーニング中にジェノ・アウリエマ監督のテストに合格したことで自信がついたとのこと。
スー・バードも『スポーツ・イラストレイテッド』誌の水着特集に登場するのは2度目だ。以前に撮影に挑んだ2022年には、「すべての女性とその人生について考え、女性のエンパワーメントを理解し、人それぞれ違ってよいということを示す、そういった機会に参加できるというのは本当に特別なものです」とコメントしている。