デビッド・ベッカムの成しえない夢:「ナイト」の称号を受ける日は来るのか?

数々の成功を手にしたものの...... 
2003年に「オフィサー」に
元チームメイトのガレス・サウスゲートはナイトに
スポーツ界のナイトたち
ナイト叙任の日は近い?
「問題はそれがいつなのかということ」
叙勲されない理由
英国紳士らしくないサッカー選手
ワールドカップ敗退の戦犯に
イングランド代表の低迷
レアル・マドリードへの移籍
活動の中心は米国へ
英国での脱税容疑
慈善活動はナイト位獲得のため?
大英帝国勲章に関する批判
イメージ向上の努力
英王室との交流
英王室のファン
英王室と連携して慈善活動
ベッカムがナイトになる日は来るのか?
数々の成功を手にしたものの...... 

英サッカー界の伝説的スターとして、その発展に多大な貢献をしたデビッド・ベッカム。しかし、英王室からナイト位に叙勲される気配は一向にないようだ。大英帝国勲章は自然科学やスポーツといった幅広い分野で著しい業績を挙げた人物に与えられるが、ベッカムには手が届かない夢なのだろうか?

2003年に「オフィサー」に

ただし、2003年には「イングランド代表キャプテンとしての役割りを全うし、フィールド内外で英国の顔となった」ことを理由に、「オフィサー」の称号を授けられている。けれども、それから22年が経った今も、ベッカム本人が望むナイトの称号は与えられていない。

 

 

元チームメイトのガレス・サウスゲートはナイトに

ちなみに、最後に行われた大英帝国勲章の叙勲式では、マンチェスター・ユナイテッドやイングランド代表チームでベッカムのチームメイトだったガレス・サウスゲートがナイトに叙勲されている。サウスゲートは現役引退後、イングランド代表監督を務めていた。この称号を与えられた英国代表監督はウォルター・ウィンターボトム、アルフ・ラムゼイ、ボビー・ロブソンに続いて4人目だ。

スポーツ界のナイトたち

しかし、スポーツ界でナイトの称号を授かったのは彼らだけではない。1999年にはアレックス・ファーガソン(サッカー)が、2017年にはアンディ・マリー(テニス)が、2021年にはルイス・ハミルトン(F1)(写真)などが、それぞれナイト位に叙勲されているのだ。

ナイト叙任の日は近い?

その後も努力を重ねてきたベッカムだが、今のところナイト位を手に入れることはできていない。しかし、英王室元執事のポール・バレル氏が昨年12月に『エクスプレス』紙に対して語ったところによれば、ベッカムのナイト叙任は現実味を帯び始めているらしい。

「問題はそれがいつなのかということ」

バレル氏いわく:「デビッド・ベッカムはあらゆるシーンに登場します。自分自身をプロデュースしており、(中略)ナイト位の叙勲に向けてまっしぐらに進んでいるところです。ただし、今のところはまだでしょう。(英王室は)様子見しているのです。彼は素晴らしいアンバサダーだと思いますよ、慈善事業の面でも、わが国の代表者としても。ナイト位にふさわしい振る舞いを見せてきましたし、きっと叙任されると思います。問題はそれがいつなのかということです」

 

 

叙勲されない理由

その一方で、いくつかの理由からベッカムはナイト位を手に入れることができないのではないか、という見方もなされている。

英国紳士らしくないサッカー選手

マンチェスター・ユナイテッドで現役の選手だったころ、ベッカムは斬新なヘアスタイルやイヤリング、タトゥーといった英国紳士らしからぬ風貌で注目を集めていた。

ワールドカップ敗退の戦犯に

また、1998年ワールドカップでは、アルゼンチン戦で退場処分を食らい、チームも敗退。イングランドファンたちから戦犯扱いされることになってしまった。しかし、ベッカムはその後、数年かけてわだかまりを解消し、6年間にわたって代表チームのキャプテンを務めあげた。

イングランド代表の低迷

ところが、ベッカム率いるイングランド代表は錚々たるメンバーを擁していたにもかかわらず、成績はふるわず。まったく成功を収めることができなかった。

 

 

レアル・マドリードへの移籍

2003年には、アーセナル戦で完敗を喫したことに激昂したアレックス・ファーガソン監督がスパイクを蹴り飛ばし、ベッカムの顔面に直撃させてしまうという事件が発生。これがあってか、同年の夏にはマンチェスター・ユナイテッドからレアル・マドリードに移籍することとなった。

 

活動の中心は米国へ

その後のベッカムはレアル・マドリード、ロサンゼルス・ギャラクシー、ACミラン、パリ・サンジェルマンで活躍したが、英国に戻ることはなかった。さらに、米国に定住してインテル・マイアミの共同オーナーになるなど、活動の中心は米国に移っていった。とはいえ、英国クラブ、サルフォード・シティの共同オーナーも務めている。

 

英国での脱税容疑

2013年5月に引退するまで、ロサンゼルス・ギャラクシーでプレーしたベッカムだが、このことのいざこざが彼をナイト位から遠ざけている一因かもしれない。『インデペンデント』紙によれば、英国財務省から脱税を指摘されてしまったというのだ。ただし、この問題は後に解決されている。

慈善活動はナイト位獲得のため?

現役引退後の2017年には、サッカー界のスキャンダルをすっぱ抜くことで知られるウェブサイト「フットボール・リークス」によって、ベッカムがユニセフの親善大使を務めたり、慈善活動に携わったりしていたのはナイト位を獲得するために過ぎないと告発されてしまった。

大英帝国勲章に関する批判

さらに、この年には自分にナイト位が与えられなかったことをめぐり、大英帝国勲章そのものを批判した電子メールが流出。同団体を恩知らず呼ばわりし、オペラ歌手のキャサリン・ジェンキンスが叙勲されたことにも批判の矛先を向けたという。そして、最終的にはベッカム本人が公の場で電子メールの信憑性について疑問を呈する事態となった。

 

 

イメージ向上の努力

しかし、ベッカムはナイト位獲得に向け、過去20年間にわたってイメージの向上を図ってきた。具体的には、スポーツ振興や2012年ロンドン五輪での貢献、貧困対策、アフガニスタンにおける英国軍支援などだ。

英王室との交流

また、2022年にはエリザベス2世の葬儀に参列。2024年12月2日にはカタール首長を歓待する国賓晩餐会に出席するため、バッキンガム宮殿に初めて招かれるなど、英王室との交流を深めている。『インデペンデント』紙が伝えた。

 

英王室のファン

『ヴァニティ・フェア』誌によれば、ベッカムは祖父母の影響で英王室のファンだと自認しているらしい。実際、エリザベス2世が薨去すると、「女王陛下のように国民を導いてくれる方がいらっしゃったことは、英国にとって幸運だったと言うほかありません」コメントしている。

英王室と連携して慈善活動

実際、ベッカムは英王室と連携して、さまざまな慈善活動に取り組んでいる。たとえば、気候変動対策や環境保護活動を推進する英国王立財団や、ウィリアム王子が設立した航空救急隊に関するNGO「Up Against Time」がその例だ。『ヴァニティ・フェア』誌が伝えた。

 

ベッカムがナイトになる日は来るのか?

また、ウィリアム王子やキャサリン妃、ヘンリー王子夫妻と親しくしているという事実も、ベッカムのナイト位叙勲に向けた後押しとなるのではなかろうか?

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