やり投げ北口選手が涙の金メダル:史上初の女子トラック・フィールド種目優勝を振り返る

やり投げの北口榛花選手が金メダル
予選を軽々通過
「1投目に、いつもの6投目ぐらい集中して臨んだ」
先行逃げ切りの金メダル
ゲン担ぎのカステラ
ヘーゼルナッツ
父のカステラよりもコンビニのカステラ
母はバスケットボールの元実業団選手
スポーツの申し子
バドミントンで山口茜選手と対戦
やり投げに転向
世界ユース陸上競技選手権大会
チェコで武者修行
コロナ渦のリモート練習
東京五輪代表の座を獲得
57年ぶりの決勝進出
12人中12位
世界選手権で銅メダル
ついに金メダル
チェコからの取材陣
チェコ語でインタビュー
パリ五輪では日本とチェコの取材陣に囲まれて
やり投げの北口榛花選手が金メダル

やり投げの北口榛花(きたぐち はるか)選手が、パリ五輪で表彰台の頂点に立った。五輪における日本女子トラック・フィールド種目で、史上初となる金メダルだった。

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予選を軽々通過

『日刊スポーツ』紙によれば、7日に行われたパリ五輪の予選を、北口榛花選手はわずか1投で軽々通過。金メダルへ向けて最高のスタートではあったが、「当日しか競技場で練習できないので、もう少し練習させてもらいたかった......」とコメントしていたという。

「1投目に、いつもの6投目ぐらい集中して臨んだ」

昨年の世界選手権では最終投てきまでもつれこみ、逆転で金メダルを決めることができた。これを教訓として、パリ五輪では世界のライバル達にプレッシャーを与えるために「1投目に、いつもの6投目ぐらい集中して臨んだ」という。『読売新聞』が報じた。

先行逃げ切りの金メダル

同紙によれば、その1投目が今季自己ベストの65メートル80をマーク。狙い通りライバル達はこの大記録に焦りを感じ、思うように記録を伸ばせなかった。結果、北口選手は先行逃げ切りの形で見事金メダルを手にしたという。

ゲン担ぎのカステラ

また、競技中の「もぐもぐタイム」も話題となった。『日テレNEWS』によれば、北口選手は3投目を終えると競技場に寝そべりカステラを口にした。「他の選手はあんまり食べてないんですけど、競技時間が長いので合間に時間があるので食べる。最初に日本記録出したときにカステラを食べていて、そこからいい記録が出たから続けて」との理由で、北口選手のゲン担ぎだという。

ヘーゼルナッツ

ちなみに『スポーツニッポン』紙によれば、北口選手の父親はパティシエで、愛娘の名「はるか」にヘーゼルナッツを意味する「榛」を合わせるほどヘーゼルナッツを大切にしている。2019年に北口選手が66m00の日本記録を樹立した時は、ヘーゼルナッツを使用したケーキに66の数字を飾り付けてお祝いしたという。

画像:X harukaKitaguchi

父のカステラよりもコンビニのカステラ

「父も作ってくれるんですけどやっぱり安心できるブランドの方が...」とし、今回も「コンビニに売ってる1パックを食べました。両親が日本から来てくれるタイミングで買ってきてもらって、いつも食べてるものの方が落ち着くので、今回も決勝に合わせて食べました」『日テレNEWS』が報じた。

母はバスケットボールの元実業団選手

1998年に北海道で生まれた北口選手。『月刊陸上競技』誌によれば、両親はともにバスケットボール経験者で、母は元実業団の選手だった。幼い頃はバスケットボールにも挑戦したが、「母から才能がない」と言われ諦めたという。

 

スポーツの申し子

高校までは水泳とバドミントンの“二刀流”で活躍しており、小6の時にバドミントンの全国大会団体戦で優勝、水泳でも全国大会出場を果たしている。

バドミントンで山口茜選手と対戦

『Number』誌によれば、パリ五輪でバドミントン日本代表となった山口茜選手は、全国大会で北口選手と対戦したことを覚えており、その多彩な才能に驚いたという。

やり投げに転向

高校に入ると水泳と陸上の“二刀流”となるが、やり投げをはじめた2か月後に北海道の大会を制し、インターハイ出場を果たした。これを機に「これなら日本一になれるかも」とやり投げに専念することにしたと『月刊陸上競技』誌が伝えている。

世界ユース陸上競技選手権大会

2015年、高校3年生で世界ユース陸上競技選手権大会に出場し、60m35の記録を出して金メダルに輝いた。しかし、その後は伸び悩んでしまう。

チェコで武者修行

そこで、やり投げの強豪国であるチェコへ単身で渡ることを決意。チェコのジュニア世代を教えているデービッド・セケラック氏に、必死に頼み込んで指導してもらうことにしたのだ。こうして異国の地で武者修行に励むことで、北口選手は大きな成長を遂げた。

コロナ渦のリモート練習

『朝日新聞』によれば、コロナ渦で帰国を余儀なくされた時は、直接指導を受けられないため不安はあったが、メッセージアプリで練習メニューをコーチと共有。日本に居ながらにしてチェコにいる恩師の指導に忠実に従ったという。

東京五輪代表の座を獲得

代表の最終選考会をかねた全日本選手権で、北口選手は61m49をマークして優勝。東京五輪への切符を手にした。

57年ぶりの決勝進出

2021年、東京五輪予選の1投目で、北口選手は日本女子最長記録となる62m06をたたきだし決勝へと駒を進めた。やり投げでの決勝進出は、1964年の東京五輪以降、57年ぶりだった。

12人中12位

しかし、決勝戦では思うような結果を残せず、55m42で12人中12位となってしまう。

世界選手権で銅メダル

そんな悔しさをバネに挑んだ2022年の世界陸上で、北口選手は64m27をマークし銅メダルを得た。投てき種目では日本女子史上初となるメダル獲得だった。

ついに金メダル

そして翌年の世界陸上で66m73の大記録をだし、北口選手はついに金メダルを手にした。世界陸上で2大会連続のメダルを獲得したのは、女子史上初、男女合わせても6人目の快挙だった。

チェコからの取材陣

世界陸上はハンガリーで開催されたため、近国のチェコから多くの取材陣が訪れた。2019年からチェコを拠点にしている北口選手は、地道な努力で習得したチェコ語でインタビューに答えている。

チェコ語でインタビュー

自身のXで次のようにコメントし、動画をシェアした:「チェコのテレビ局、いつも英語にする?チェコ語にする?って聞いてくれるんだけど。いつもは英語にしてもらってたけど、今日はチェコ語でチャレンジしました」

画像:X harukaKitaguchi

パリ五輪では日本とチェコの取材陣に囲まれて

見事金メダルに輝いた北口選手は日本だけでなくチェコの取材陣にも応じた。パリ五輪男子カヌー日本代表でスロバキア在住の羽田卓也選手が自身のXでこう北口選手を祝福した:「発音がネイティブ過ぎて、途中の英語すらがチェコ人なまりの英語になっています(笑)おめでとう御座います」

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