「女子七種競技」米国代表のアニー・カンズ選手(31)とは
陸上競技では無類の強さを誇るアメリカ。7種競技でアメリカ代表となったアニー・カンズはそんな陸上大国の看板を背負うのにふさわしい、最高レベルのアスリートだ。
全米陸上競技連盟によると、アニー・カンズは1993年2月16日、コロラド州ウィートリッジで生まれた。10代の頃から陸上競技に取り組んでいたが、他のスポーツでもめざましい成績を挙げていた。
カンズは高校ではバレーボールやサッカーもプレー。テキサスA&M大学のサイト掲載のプロフィールによると、高校時代の2010年にはサッカーでU-17女子ナショナルチームに選出されたこともあるという。だが、やがて陸上競技の7種競技に専念するようになった。
2016年にはリオデジャネイロオリンピックに向けた選考大会に挑戦したものの8位で選外となった。だが、オリンピック出場という夢は決して諦めることなく、次の機会に向けて練習を重ねてきた。
カンズはその後自己記録の更新を続け、2018年には全米陸上競技選手権大会で4位となった。さらに、ワールドアスレティックスによると翌年も同様の成績を残した。
2019年にはペルーのリマで開催されたパンアメリカン競技大会で銀メダルを獲得して名を挙げる。
パンアメリカン競技大会での活躍が弾みとなったのか、その後2020年には全米室内陸上競技選手権大会で優勝、初の国内タイトルを獲得した。
カンズは次なる目標を東京オリンピックに定めた。米国における選考大会では6,703ポイントと自己最高記録となる好成績を残し、無事出場権を獲得。
カンズはそのときの喜びを『トラック・アンド・フィールド・ニュース』誌で語っている:「今日のような成績を残せる日が来るなんて考えたこともありませんでした。がんばれば報われます。ほんとうに」
そうして東京へと飛んだカンズは6位という立派な成績を残し、世界のトップアスリートとしての実力を改めて示した。
カンズはテキサスA&M大学のスポーツフォーラムで東京オリンピックのことをこう振り返っている:「思い通りには行きませんでしたが、いままでの参加した大会の中でも最も誇りに思えるものにはなった気がします。ハードル走では4秒も落としてしまいましたが、そこから持ち直せたのは最高の気分でした」
実は、カンズの父親はアメフト選手のテリー・カンズだ。テリーは1976年、オークランド・レイダース(現ラスベガス・レイダース)でプレーしていたときに優勝経験もあるほどの選手であり、娘であるアニーの才能も意外なものではないのかもしれない。
そんなカンズの次の目標はパリオリンピックだ。東京オリンピックでの6位という成績を更新できるかどうか、彼女の活躍を見守ろう。