イタリアのラツィオ、SNSで自身の局部動画を公開したスタッフを即時解雇

ラツィオ、15年務めた鷹匠を解雇
2度目の解雇劇
局部に受けたインプラント挿入手術
持続時間を長くする効果も
むかしも今も
手術後の局部を撮影してオンライン拡散
ことの重大性からクラブ側は解雇を通告
クラブを象徴する鷹のイメージ失墜
クラウディオ・ロティート会長のコメント
「偏見のない家庭で育った」
世間からの反応におどろいた
健康問題への意識
「恥ずかしく思う必要はない」
2021年にファシスト式敬礼をしたベルナベ氏
フランコやムッソリーニを崇拝
新たな仕事を求めて
ラツィオ、15年務めた鷹匠を解雇

サッカーのイタリア1部リーグ(セリエA)SSラツィオが今月、15年前から同クラブに在籍していたトレーナーで鷹匠のフアン・ベルナベ氏を解雇したことを明らかにした。その理由は、同氏がみずからの局部を撮影した動画をSNSに投稿したことだという。これによりしばらくは、クラブのシンボルである鷹がスタディオ・オリンピコ・ディ・ローマの上を飛ぶ姿は見ることができなくなりそうだ。

2度目の解雇劇

ラツィオのフアン・ベルナベ氏が解雇処分を受けるのはこれが初めてではない。同氏は2021年にあるインタビューの中で、イタリアの独裁者ムッソリーニを信奉していると明言したことで解雇を申し渡されている(ただし、後に復職が認められた)。そして今回は、「ちょっとした問題」を解決するためにインプラントを埋め込んだ局部の動画を公開したことで、職を失うことになってしまった。

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局部に受けたインプラント挿入手術

ベルナベ氏はイタリアの日刊紙『レプッブリカ』のインタビューを通じ、手術を受ける前は、かつての落馬事故の後遺症に加えてある癌腫が生じたことで「機能障害」に悩んでいたことを明かした。

持続時間を長くする効果も

また、SNSアカウントへの投稿では、こうした局部用インプラントを埋め込んだことで性行為の持続時間を長くすることも可能になると解説。こうした投稿に、問題の部位を収めた画像を臆することなく添えていたのだ。

むかしも今も"きわめて活発"?

イタリアのラジオ番組『Radio 24』に出演したベルナベ氏は、手術を受けた理由について「私は若い頃と同じくらい"きわめて活発"なので、パフォーマンスを上げたかったのです」ともコメント。抑えきれない「ニーズ」を抱えていたようだ。

手術後の局部を撮影してオンライン拡散

ベルナベ氏の手術を担当したのは、ラツォオのドクターで泌尿器科の権威として知られるガブリエレ・アントニーニ氏だ。クラブ側もこの手術のことを把握していたものの、まさか、手術を終えたベルナベ氏が、局部の画像をオンライン上で拡散させるとは思ってもみなかったに違いない。

ことの重大性からクラブ側は解雇を通告

こうした事態を受けて、クラブは次のような公式声明を発表:「SSラツィオは、フアン・ベルナベ氏が投稿した動画とコメントについて驚きを禁じえません。こうした行動の重大性に鑑み、クラブは同氏を即時解雇し、いっさいの関係を絶ったことをお伝えします」

 

クラブを象徴する鷹のイメージ失墜

「クラブを象徴する鷲がいなくなれば、スタジアムを訪れるサポーターの皆さんの楽しみが減ってしまうことは承知しています。しかしそれ以上に、歴史的シンボルである鷹が、解雇に相当する行為をはたらいた人物と関連付けられることは受け入れがたい事態と言わざるを得ないでしょう」

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クラウディオ・ロティート会長のコメント

SSラツィオのクラウディオ・ロティート会長(写真中央)は、執刀を行った泌尿器科医ガブリエレ・アントニーニ氏も停職処分にすることと発表:「報告を受けてから1時間後には両者の解雇処分を決定しました。子供世代のサポーターが喜ぶことも考えて、クラブの価値観を体現する鷹を飛ばしているにもかかわらず、一部のスタッフがモラルの低い行動をとってしまいました」

「偏見のない家庭で育った」

解雇処分が決まる前から、ベルナベ氏が投稿した動画には批判が殺到。これを受けて、同氏は伊紙『レプッブリカ』に次のようなコメントを行った:「私は健全でやましいところのない、そして偏見からも自由な家庭で育ち、自分の身体と健やかな関係を築くよう教えられました」

世間からの反応におどろいた

「私が生まれ育った南スペインのカディスには美しい海岸があり、そこでは生まれたままの姿がふつうでした。裸体を他の人にみせることは私にとって自然なことですが、さまざまな反応を見て、世間にはいかに病的な人が多いか気づかされました。おそらく、子供の頃につらい経験をしたのではないでしょうか」

健康問題への意識

さらに、ベルナベ氏は投稿に対するネット炎上をかわすかのように、動画公開は自分と同じ境遇におかれた人々のためだったとしてみずからの行為を正当化した:「動画公開は、私と同じ問題を抱えている多くの人々を勇気づけるためでした」

「恥ずかしく思う必要はない」

「この手術はリスクもなく、素晴らしい結果を期待できます。男性にとって性的不能はデリケートで口にしづらい問題であり、取り上げてもタブーとして相手にされないかもしれません。ですが、恥ずかしく思うことはないのです」

 

2021年にファシスト式敬礼をしたベルナベ氏

同氏が過去に大きな物議を醸したのは2021年のことだ。チームがホーム戦の勝利を祝っていたとき、同氏は極右系とされる一部サポーターのわきを通り過ぎるときに、ファシストがしていたローマ式敬礼で「ドゥーチェ、ドゥーチェ(総統)!」(独裁者ムッソリーニの称号)と連呼したのだ。

フランコやムッソリーニを崇拝

その後、ベルナベ氏は自分はファシズムに傾倒しているわけではなく、軍隊式のジェスチャーでチームの勝利を祝っただけだと弁明。この言い分は認められ、同氏はクラブへの復帰を果たした。とはいえ、同氏は独裁制を敷いたフランコやムッソリーニを崇拝しており、母国スペインでは極右政党VOXの支持者であると明言している。

新たな仕事を求めて

ベルナベ氏は前述のインタビューの終わりに「私はムッソリーニを深く尊敬しています。しかしこれは過去のことであり、今回の件とは関係はありません。今回取り上げられているのは私の健康問題です」とコメント。ともあれ、クラブへの再復帰が望めない限り、新たな職場を探さねばならないだろう。

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