欧州名門サッカークラブの買収にイーロン・マスク氏が関心を示す?

世界有数の企業を率いるマスク氏
リバプールFC
エロール・マスクの発言
市場価値は43億UKポンド
フェンウェイ・スポーツ・グループが所有
マスク家とリバプールとの縁
幼いころはリバプールで休暇を
祖母からの影響
買収の可能性は?
440億ドルでツイッター買収
オーナー側にはクラブ売却の意思はなし
根強いファンの存在
プレミアリーグの厳しい規制
過去にはマンチェスター・ユナイテッド買収の噂も
「もし一つだけ選ぶとしたら……」
世界有数の企業を率いるマスク氏

テスラやスペースXのCEOを務めるイーロン・マスク氏は、いま所有している企業だけでは飽き足らないのか、TikTokの米国事業買収の噂が流れている。それだけではない。マスク氏は欧州の名門サッカークラブにも関心を示しているというのだ。

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リバプールFC

マスク氏が関心を示しているとされるクラブとは、リバプールFC。プレミアリーグで19回の優勝を誇り、チャンピオンズリーグでは、ドイツの名門バイエルン・ミュンヘンと並ぶ6度の優勝を数えるチームだ。この記録をしのぐのは、レアル・マドリード(15回)とACミラン(7回)のみ。まごうことなき欧州の名門クラブである。

エロール・マスクの発言

噂話ががぜん真実味を帯び始めたのは、イーロンの父、エロール・マスクが英デジタルラジオ局「Times Radio」のインタビューに出演してからである。エロールはそこで、もちろん息子はリバプールFC買収を希望していると語ったのだ。

市場価値は43億UKポンド

リバプールFCは世界で最も有名なクラブのひとつであり、本国の英国はもとより世界中に熱心なファンがいる。『フォーブズ』誌によると、その市場価値は43億UKポンド(約8,500億円)にのぼるとか。エロール・マスクは同ラジオで、リバプールの買収に息子イーロンが興味を持っているとし、「誰だって同クラブを手に入れたいだろうし、かくいう私もその一人だ」と続けた。

フェンウェイ・スポーツ・グループが所有

リバプールFCは現在、米国フェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)が所有している。このグループは、ボストン・レッドソックス(MLB)をはじめ、ピッツバーグ・ペンギンズ(NHL)、RFKレーシング(NASCAR)、ボストン・コモンゴルフ(TGL)といった有名スポーツチームを買収してきたスポーツ投資会社である。

マスク家とリバプールとの縁

イーロン・マスクがリバプールFCに関心を抱くのには、それなりの理由がある。父エロールが先述のラジオで語るには、マスク一族はリバプールの街に縁が深く、イーロンの母方の祖母にあたるコーラ・アメリア・ロビンソンが1923年にその地で生まれているという。一家はのちに南アフリカに移住、イーロンはそこで1971年に誕生したのだ。

幼いころはリバプールで休暇を

そのような縁から、幼いころのイーロン・マスクはリバプールで休暇を過ごすことがよくあったようだ。マスク家はさらに、リバプールゆかりの伝説的バンド、ビートルズのメンバーの何人かとも交流があったという。

 

祖母からの影響

「私たちはリバプールと、とても特別な縁で結ばれています。(略)イーロンの祖母はイーロンの人生に大きな影響を与えましたし、マスク家はつねに、リバプールの街とそこに住む人々に対して親近感を覚えてきました」と、エロール・マスクは前述のラジオで語っている。

買収の可能性は?

しかし、リバプールFCをイーロン・マスクが買収することは、本当にあり得るのだろうか? まず、資金面を考えてみよう。先に触れたように、リバプールFCの市場価値は43億UKポンド、ドルに直すと52億ドル強となる。イーロン・マスクの純資産はおよそ4,212億ドルにのぼるとされ、52億ドルはその財産の1.3%ほどだ。とすると、先立つものに不足はないと言えるだろう。

440億ドルでツイッター買収

実際、リバプールFCの市場価値として推定される52億ドルという額は、イーロン・マスクが2022年にツイッターを買収するために支払った440億ドル、あるいはTikTok米国法人の買収にかかる費用として推定されている500億ドルと比べてみると、桁が一つ違っている。

オーナー側にはクラブ売却の意思はなし

しかし、フェンウェイ・スポーツ・グループは目下のところ、リバプールFCの売却を考えてはいないという。したがって、もしイーロン・マスクが買収を本当に望むのであれば、市場における同クラブの推定価値をはるかに上回る額を提示しなければならないだろう。

 

根強いファンの存在

そして、仮にフェンウェイ・スポーツ・グループをうまく説き伏せたとしても、欧州をはじめ世界各国のリバプールサポーターを納得させられるかはまた別の話だ。テスラやスペースX、Xのオーナーであるイーロン・マスクは、トランプ大統領と政治的傾向を同じくしており、これまでさまざまな物議を醸してきたし、これからも醸すことだろう。クラブの根強いファンたちは、当然ながらマスクのことを多かれ少なかれ警戒するはずだ。

プレミアリーグの厳しい規制

それに加えて、プレミアリーグのクラブ買収に際しては、厳しい規制がかけられることも忘れてはならない。買い手として名乗り出た者は、クラブの収益と持続性を将来にわたって保証できるか、そして、サッカーの発展のために尽力できるかが精査されるのだ。

過去にはマンチェスター・ユナイテッド買収の噂も

ところで、イーロン・マスクのサッカークラブ買収話が取り沙汰されるのは、今回が初めてのことではない。2022年、マスクはツイッターに、マンチェスター・ユナイテッドを当時のオーナーであるグレーザー家から買収すると投稿し(結局それは冗談だったとのちに明言されたものの)、大きな波紋を呼び起こしたのだった。

「もし一つだけ選ぶとしたら……」

当時イーロン・マスクは、スポーツチームの買収に興味はないが、もし一つだけ選ぶとしたら、マンチェスター・ユナイテッドになるだろう、と語っていた。そして今回噂になっているのが、マンチェスター・ユナイテッドの最大のライバル、リバプールFCというわけだ。どちらのクラブのファンにとっても、なんとなく落ち着かない話といえそうである。

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