薬物犯罪への関与で収監された豪水泳選手スコット・ミラー、更生のために釈放?
オーストラリアの元水泳選手、スコット・ミラーは1996年のアトランタオリンピックで銅メダルと銀メダルを獲得しており、同国を代表する存在だった。
そんな栄光の年から28年経ったいま、ミラーは販売目的での薬物所持の罪で刑務所にいる。しかも、当初の4年の刑期がさらに延びるかもしれないというのだ。
英紙『デイリー・メール』によるとミラーは5月10日、裁判所で宣誓供述書を提出。そこでは、自身が裏街道を歩むことになったきっかけは1999年に元深夜テレビ司会者のシャーロット・ドーソンと結婚したことだったと語っていたという。
『デイリー・テレグラフ』紙によると、ミラーはこう述べていたという:「シャーロットはファッション業界やメディア界に出入りしていました。妻が関わりを持っていた社交上・ビジネス上の付き合いを通じてある種のライフスタイルに曝されることになり、個人的にドラッグを使用するようになったのもそれがきっかけでした」
ミラーはさらにこう続けている:「当初はそれほどのめりこんでいた訳ではありませんでしたが、いまになって思えば、それが後々身を滅ぼすことになる薬物濫用への入り口でした」
シャーロット・ドーソンは2014年、ミラーの39歳の誕生日翌日に自ら命を絶っている。以来、ミラーは薬物にのめり込むようになっていった。
そもそも、1996年のオリンピック100mバタフライでロシアのデニス・パンクラトフに敗れて2位となったときから、ミラーのメンタルヘルスは不安定なものになっていた。
そういったストレスやアスリートととしての孤独などがミラーを薬物に走らせ、最終的に収監にまで至ってしまった、と『デイリー・ミラー』紙では言われている。
オーストラリアのメディアによると、ミラーは2020年に4年以上の実刑判決を受けている。さらに、その時の組織への関与などが問われて、今年に入って再び最大刑である4年3ヶ月の実刑判決が下った。
だが、ミラーは5月16日から仮釈放の申請が可能となっているため、今回の有罪判決から一週間後には刑務所を出られるようになる可能性がある。
仮釈放の申請を審理したアンドリュー・スコッティング裁判官は、水泳選手としてのキャリアが断たれたことがきっかけでミラーは鬱や不安障害に苛まれるようになったと認定。更生の余地があることも認めている。
スコッティング裁判官はこう述べている:「被告の更生を進展させるためには、釈放することが必要となっていると認める」