カリフォルニア沖でサメが人を襲撃、被害者の命に別状はなし
カリフォルニア州サンディエゴ市北部のデル・マーで、46歳の男性がサメに襲われる事件が発生。ライフガードがABC放送に語ったところによれば、男性は重傷を負い、同市内のラホヤ地区にあるスクリップス記念病院に緊急搬送されたとのこと。
事件が発生したのは6月2日の午前9時ごろ。ABC放送はデル・マーのチーフライフガード、ジョン・エデルブロック氏の証言として、「被害者の男性は12人の遊泳者らとともにセーフティセンターからおよそ100ヤード(90メートル)離れた沖合で水泳のトレーニングを行っていた」と伝えている。
スクリップス記念病院の報告によれば、被害者は胴体や左腕、左手を噛まれ重傷を負ったとのこと。
しかし、ライフガードの素早い救助活動により、男性は一命を取り留めた模様だ。
この事件を受け、現場となったビーチはカリフォルニア海洋安全責任者協会(California Marine Safety Chiefs Association)およびカリフォルニア州立大学ロングビーチ校のサメ研究所が定める規定に従い、6月4日まで閉鎖されていたとのこと。
ライフガードは水泳客やサーファーが事件のあった海域に近づかないよう、「6番通りからノースビーチにかけて」デル・マーのビーチを閉鎖。さらに、サメによる襲撃があったことを示す看板も設置された。
WPTV放送によれば、サメによる襲撃件数は2023年に世界各地で増加し、これにともなう犠牲者数も増えているそうだ。そこで、「研究者らはサメによる自発的な襲撃のケースがわずかに増加しつつあることについて調査を行っている」という。
フロリダ大学が公開する「国際サメ襲撃ファイル」によれば、米国では2023年にサメによる襲撃が36件発生。これは全世界で記録された件数の52%に相当する。また、カリフォルニア州とハワイ州ではそれぞれ1件ずつ、被害者が死亡してしまうケースがあったとのこと。
一方、WPTV放送いわく、アメリカ東海岸では人間を襲うことで知られるホホジロザメがしばしば出没するようになっているようだ。これについて、研究者らは「気候変動による水温上昇が、東海岸におけるホホジロザメ目撃件数増加の一因」だと見ている。
フロリダ州サメ研究プログラムを指揮するギャヴィン・ネイラー氏はWPTV放送に対し、「私がお伝えしたいのは、サーファーがビーチに向かう途中で交通事故に遭って死亡する確率の方が、一日中サーフィンをしてサメに噛まれる確率よりもずっと高いことです」とコメント。
海で泳いだりサーフォンをしたりするのは多少の危険が伴うものであり、そのリスクについては各自が責任を負うほかない。しかし、最近では技術の進歩により、サメの個体数を追跡するブイが設置されるなど、サメによる襲撃を未然に防ぐ対策もとられている。