キリアン・エムバペは史上最高の選手になれるか?
2度目のワールドカップで輝かしいパフォーマンスを見せたフランス代表FWキリアン・エムバペ。近い将来、史上最高のサッカー選手になるのではという期待が高まっている。
フランス代表はもちろん国内リーグでもエムバペが躍進を続ける現在、そのプロデビューや、近い将来に塗り替えようとしている世界記録をおさらいしてみよう。
2018年、フランス代表の召集を受けて10代でワールドカップ初出場を果たし、さらに栄えある優勝を手にしたエムバペ。つづく2022年大会でもフランス代表は優勝候補のひとつとされていた。
カタール大会でフランス代表は決勝まですすみアルゼンチンに惜敗したものの、キリアン・エムバペはスタジアムでもっとも注目を集める選手のひとりとなった。24歳の彼は大会を通じて合計8ゴールを挙げて得点王に輝いたばかりか、56年ぶりにワールドカップ決勝でハットトリックを達成した選手として歴史にその名を刻んだ。
フランスとアルゼンチンが対峙したカタール大会決勝は、エムバペ対メッシという見逃すことのできないトップ対決として世界のサッカーファンを沸かせた。
エムバペのプロデビューはASモナコ。クラブ史上最年少にあたる16歳347日でデビューを果たし、2カ月後に初ゴールを決めて3-1の勝利に貢献した。
ASモナコの副会長はCNNのインタビューに対し、若干17歳のエムバペについて「一大事件だ」と手放しで称賛。その期待に応え、エムバペはASモナコ史上初となる2016-2017シーズンのフランスリーグ優勝に貢献した。
ASモナコで目覚ましい活躍を見せたエムバペは、約1億5500万ドルとされる移籍金でパリ・サンジェルマンと契約を締結。この数字は10代の選手としては史上最高額となった。
パリ・サンジェルマン加入以来、エムバペは不動のFWとして胸のすくような活躍を見せている。5年半にわたる在籍期間で国内大会における優勝回数は12回にのぼる。
『boardroom.tv』によれば、2022年5月にサン・ジェルマンと契約延長したことによりエムバペの年収は年間約7400万ドル、つまり週給143万ドルになったとされる。さらに、クラブが新たに獲得する選手について発言権を与えられているという噂もある。
エムバペを主力としたパリ・サンジェルマンは、2021年にはFCバルセロナからレジェンドであるリオネル・メッシの獲得に成功。メッシ、エムバペ、ネイマールという驚異の3トップを実現、サッカー界を震撼させた。
サッカー界を代表するメッシとネイマールと共にピッチに立つエムバペは、パリ・サンジェルマンMFエディンソン・カバーニがもつクラブ歴代最多得点記録(200得点)の更新にあとわずかまで迫っている。
エムバペは16歳でプロとなって以来、母国フランスはもちろん国際レベルでも最高の選手の一人となっている。
フランス代表FWのエムバペは、わずか365試合で254ゴールという信じがたい得点記録を挙げている。若きスターの怪物ぶりを物語る数字だ。
過去15年にわたりサッカー界はクリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシに率いられてきた。実際、世界年間最優秀選手に贈られるバロンドールは、ロナウドとメッシの2人をあわせて11回とほとんど独占してきた。
しかし、2大スーパースターが最盛期を過ぎていること、最近の受賞選手がカリム・ベンゼマやルカ・モドリッチといったベテラン選手であることから、近い将来にエムバペがバロンドールに選出される可能性はきわめて高い。
24歳の若きフランスサッカーのスターは、これまでに史上最高のサッカー選手たちが打ち立ててきたさまざまな記録を塗り替えようとしている。
エムバペは現在、ワールドカップの得点記録更新まであと5ゴールに迫っている。FIFAチャンピオンズリーグでの得点記録は40であり、クリスティアーノ・ロナウドがもつ記録に100点差となっている。さらに、メッシは305という最多アシスト記録を保持しているが、24歳のムババペはすでに132アシストを記録。これはメッシが24歳だった時のアシスト数を48も上回る数字だ。
イギリスのスポーツメディア「Planet Football」 によれば、エムバペは「ピッチに立つたびに、自分は最高だと自分に言い聞かせている。リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドと同じ芝の上に立っているんだ、とね」と語った。