クリスティアーノ・ロナウド、不当広告「ステルスマーケティング」でUEFAから厳罰の可能性
今年のユーロ2024でポルトガル代表はベスト8進出、PK戦の末にスロベニアを下した。そうした活躍に大きく貢献したポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドは、広告であることを隠したまま宣伝を行う、いわゆる「ステルスマーケティング」でUEFAから厳しい処罰を受ける可能性があるという。
ユーロ2024の準々決勝進出を賭けたスロベニア対ポルトガルの一戦。試合は延長戦まで突入したが、ロナウドは獲得したPKをまさかの失敗。しかし、その後のPK戦では冷静にゴールを決めてポルトガルのベスト8進出に貢献した。
史上最高の選手の一人であるクリスティアーノ・ロナウドだが、延長戦前半にPKを失敗した際には責任感からか涙を見せていた。結果的にチームが勝ち進むと歓喜と安堵の表情を浮かべながらピッチを後にしている。
米『ミラー』紙によると、ロナウドは現在、フィットネステクノロジー企業WHOOPのブランドアンバサダーを務めている。ロナウドは試合中、手首の白いテープの下にWHOOPのスマートウォッチを着用。同ブランドは試合後にサイト上で計測した心拍数を公開した。
WHOOPは、自社のSNS上でロナウドの心拍数を公開。データによると、90分終了時の心拍数は1分間あたり170拍だったが、PKを蹴る前には1分間あたり110拍まで低下している。
写真:X @Whoop
コカコーラやVISAといった世界的な企業でスポンサー戦略に携わってきたリチャード・フォート氏は、これは典型的なステルスマーケティングであり、選手と企業には罰金を科すべきだと主張した。
『ミラー』紙は、同氏が次のように語ったと報じている:「心拍数のグラフはSNSなどで拡散されている。クリスティアーノとWHOOPはユーロ2024を利用してステルスマーケティングを行っている。これは規則違反で、選手と企業両方に罰金が科せられるべきだ」
「投稿にはUEFAの試合に関するものだということ、対戦した両代表チームの国名や得点、そして選手名が書かれている。ユーロ2024との関連性がほのめかされている点で、ステルスマーケティングと言える。ユーロのスポンサーのなかに競合他社は入っていないとはいえ、違反行為を容認する理由にはならない」と同氏は語った。
デンマーク代表のニクラス・ベントナーは、ユーロ2012で「パディパワー」のロゴが入った下着を披露したことで話題となった。このときは、スポンサー付きの下着を披露したとしてUEFAから約1500万円もの罰金を科されている。
クリスティアーノ・ロナウド擁するポルトガル代表は惜しくも準々決勝でフランス代表にPK戦で敗れた。そのうえ罰金まで科されるとなれば、ロナウドにとってユーロ2024は苦い経験となるかもしれない。