サッカー史に刻まれた、ゴールキーパーによる痛恨のミス
ゴールキーパーが引き受ける責任はきわめて大きい。ひとつのミスが取り返しのつかない結果につながるばかりか、世界中に自身の失態を報じられてしまう。今回はサッカー史上に刻まれたゴールキーパーによる痛恨のミスを追っていこう。
リヴァプールFCのファンは、ドイツ出身のゴールキーパー、ロリス・カリウスの名を決して忘れることはないだろう。ただし、ネガティブな意味でだが......
2018年のチャンピオンズリーグでリヴァプールFCは決勝まで上り詰めてレアル・マドリードと対峙。だが、カリウスは味方DFにスローイングしたボールをカリム・ベンゼマに狙われ失点、さらにギャレス・ベイルのシュートをキャッチした後に落としてしまい3点目を与えてしまった。その結果、レアル・マドリードが1-3で勝利し、リヴァプールFCの欧州制覇夢は潰えてしまった。
ドイツサッカー界で最も多くのタイトルを手にし、世界最高のキーパーとうたわれたオリバー・カーン。だが、2002年に開催されたFIFAワールドカップ日韓大会の決勝戦では、ドイツ国民の大きな期待に応えることが出来なかった。
ドイツ代表はワールドカップの決勝に進出したが、カーンはリバウドのシュートを止めきれず、キャッチしたボールを落としてしまった。そのボールをロナウドがゴールに押し込み、決定的な2点目を許してしまう。最終的にブラジルが0-2でワールドカップ優勝を果たした。
マンチェスター・ユナイテッドFC所属のアンドレ・オナナは、2023年9月にチャンピオンズリーグでバイエルン・ミュンヘンと対戦したとき、痛恨のミスをおかしてしまった。
カメルーン出身のオナナは、レロイ・サネの一見簡単そうなシュートをまさかのキャッチミス。結局4-3でバイエルン・ミュンヘンに勝利をさらわれてしまった。
元コロンビア代表のレネ・イギータは、「規格外ゴールキーパー」と呼ばれ、長い間コロンビア代表を象徴する存在だった。
レジェンドとされるイギータだったが、1990年に開催されたFIFAワールドカップ・イタリア大会でのカメルーン戦で大きなミスをおかした。ロジェ・ミラをドリブルで交わそうとするも、反対にボールを奪われ無人となったゴールにシュートを決められてしまったのだ。
元イングランド代表のロバート・グリーンは、2010年FIFAワールドカップ・アフリカ大会のアメリカ戦でジョー・ハートの代わりにゴールキーパーを務めた。
グループステージ初戦、グリーンは大きなミスをおかしてチームは同点に追いつかれてしまう。クリント・デンプシーがペナルティエリアの外側から放った正面のシュートをトンネルしてしまったのだ。
エヴァートンFC所属のジョーダン・ピックフォードは、プレミアリーグ2018/19シーズン、リヴァプールとのマージサイド・ダービーで悪夢をみることに。
後半のアディショナルタイム、ピックフォードはフィルジル・ファン・ダイクが放ったクロスバーを越えるボレーシュートに手を出してしまう。ピッチ内に落ちたこぼれ球をディボック・オリジが押し込み、決勝点を奪われてしまった。
2002/03シーズン、プレミアリーグのアストン・ヴィラに所属していたフィンランド出身のGKペテル・エンケルマン。
バーミンガム・シティFCとのダービーで、エンケルマンはオロフ・メルベリからのスローインをトラップミス。足に接触したと判断され、オウンゴールとなってしまった。
アーセナル所属のヴォイチェフ・シュチェスニーは、2010年のカーリング杯決勝でバーミンガム・シティFCと対戦した。
延長戦にもつれ込むと思われたが、シュチェスニーがボールをクリアし損ね、そのボールをオバフェミ・マルティンスがゴールに突き刺した。このゴールはバーミンガムに待望のトロフィーをもたらした。
1997/98シーズンにニューカッスル・ユナイテッドFCでプレーしていたシェイ・ギブン。
ギヴンはコヴェントリー・シティとの試合で、高く上がったクロスをキャッチ。左右は確認していたが、ディオン・ダブリンが背後に滑り込んでいたのを見逃していたため、大きく蹴りだそうとしたボールを奪われゴールに蹴りこまれてしまった。
元イングランド代表のピーター・シルトンは、イングランド史上最高のゴールキーパーの一人だ。しかし、代表におけるキャリアはかなり残念な形で終わってしまった。
シルトンは1990年に開催されたワールドカップのイタリア戦で致命的なミスをおかし、そミスをついたロベルト・バッジョに難なくゴールを決められ貴重な先制点を許してしまった。このあとシルトンは代表引退を表明している。
当時トッテナム・ホットスパーに所属していたゴメスは、フラムFCのホームスタジオ、クレイヴン・コテージで痛恨のミスをおかした。