サッカー選手のペドロ・ロドリゲス、37歳にして欧州リーグで精力的に活躍中
FCバルセロナの下部組織「ラ・マシア」の黄金世代属を覚えておいでだろうか。そこに属する選手(プジョル、シャビ、イニエスタ、メッシなど)のなかには、すでに現役を引退している者もあれば、監督になった者もおり、あるいはMLSにわたった者もいる。その中で、いまもトップリーグで活躍している選手の一人がペドロ・ロドリゲスだ。
カナリア諸島出身のこのサッカー選手は、今もイタリア・セリエAでプレーを続けており、歴史あるクラブSSラツィオでその才能を惜しみなく発揮している。メッシやファブレガスと同じ37歳にして、なおもゴールやアシストを記録しつづけているのだ。
今シーズン、ロドリゲスはラツィオのゲームで7ゴールを決めている。まず、チームがランキング上位を争うセリエAでは3得点を挙げた。また、UEFAヨーロッパリーグでは4得点。このリーグでは、ラツィオはアスレティック・ビルバオやRSCアンデルレヒトなどを抑え、堂々の首位に立っている。
セリエAでは13試合に出場し、3ゴールを記録している。1試合平均0.58点にあたり、これはなかなかの成績である。ヨーロッパリーグでは1試合あたりの平均得点が0.71となっている。
こうした活躍ぶりから、『ガゼッタ・デロ・スポルト』紙によると、2025年6月に契約満了を迎えるペドロ・ロドリゲスについてラツィオはすでに契約更新を考えているようだ。年齢を感じさせないパフォーマンスは、それほどに印象的ということだろう。
ロドリゲスがラツィオに加入したのは2021年8月のことだった。ラツィオの宿敵ASローマで1シーズンだけプレーしたのち、フリー移籍、2年契約を結んだのだ。ラツィオに加わると、チームのかなめとして安定感を示し現在に至っている。
ロドリゲスはラツィオでの2021-2022年シーズンに10ゴール、2022-2023年に7ゴールを記録している。今シーズンも素晴らしい記録を出しているのだ。
ラツィオとロドリゲスの契約は昨年夏に切れる予定で、ほかのリーグへ移籍するのではという見方もあったが、最終的に1年延長の契約が結ばれることになった。今年の活躍をみれば、昨年の契約延長は正解だったといえよう。
ラツィオのマルコ・バローニ監督はこのベテラン選手に厚い信頼を寄せており、そのことはサッカー情報サイトTransfermarktに掲載の統計データからもわかる。ロドリゲスはラツィオで今シーズン20試合に出場し、セリエAではスタメンが4試合、途中出場が9試合、ベンチが5試合だった。ヨーロッパリーグとコッパ・イタリアでは全7試合でスタメンとなっている。
マルコ・バローニ監督は、サッカー選手としてのロドリゲスの豊かな経験と、彼がチームメイトに与える良い影響を評価し、そのような采配をしているようだ。ロドリゲスもそうした監督の期待に応え、ゴールとアシストでチームに貢献している。
『ガゼッタ・デロ・スポルト』紙が報じるところによると、ロドリゲスを重用しているのはバローニ監督にとどまらず、ラツィオの経営陣もまた、彼の今後期待をかけているという。つまり、選手引退後にクラブの経営陣に加わることを期待しているというのだ。
さて、そんなロドリゲスのこれまでの歩みを振り返ってみよう。サッカー選手としてのキャリアは、生まれ故郷テネリフェの「クラブ・デポルティーボ・サン・イシドロ」で始まった。その後わずか17歳にして、同クラブの一軍メンバーに選ばれスペイン3部リーグのデビューを果たす。2004年夏、FCバルセロナのスカウトの目にとまり、同クラブのユースチームに所属することになった。
リザーブチームで3年を過ごした後、ロドリゲスはペップ・グアルディオラ監督によってトップチームに抜擢された。当時バルサではリオネル・メッシを筆頭にして、下部組織「ラ・マシア」出身の優れた選手がひしめいており、彼らの世代は「黄金世代」と呼ばれている。
バルサで2007年から2015年までの8シーズンをプレーし、321試合に出場、99ゴールを記録した。愛称の「ペドリート」も一皮剥けて「ペドロ」となり、大事な場面できっちり仕事を果たし、ファンの記憶にとどまる印象的な場面を演出したのである。
また、2009年以降、ロドリゲスはFCバルセロナで達成したユニークな記録を保持している。スペインのサッカー選手としてただ一人、同じ年にスペイン国内と欧州のすべての主要大会でゴールを決めた選手という記録だ。
また当時から、スペインサッカー史上最強と目される代表チームに所属しており、64試合で15ゴールをあげ、2010年には南アフリカ・ワールドカップで、そして2012年にはポーランドとウクライナで開催されたユーロカップで優勝を経験した。
バルサに別れを告げたのは28歳のときだった。その後イングランドにわたり、それからほぼ10年が経過した現在はイタリアで選手人生を続行している。イングランドのプレミアリーグ、チェルシーで5年間プレーしたあと、前述の通りイタリアのASローマで1シーズンをプレー、その後ラツィオに移籍したのだ。
もしラツィオが契約の更新を決めれば、ペドロ・ロドリゲスは2025年、38歳にしてサッカー界の頂点で新たなシーズンをスタートさせることになる。まだまだ若手の引き立て役にまわることはなく、今シーズンのように若々しいプレーを見せてくれるはずだ。
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