東京五輪で銀メダルに輝いたサーフィンの五十嵐カノア
東京五輪から正式競技となったサーフィンで、銀メダルを獲得した五十嵐カノア選手。そのイケメンぶりが話題となり、多くのファンを生み出した。そんな五十嵐選手が再び五輪代表の切符を手にした。今回は「波乗りジャパン」の絶対的エース、五十嵐カノア選手を紹介していこう。
『デイリースポーツ』紙によれば、五十嵐選手は現在、米国の名門ハーバード大の大学院に進学し、経営学を学んでいる。パリ五輪を控えてはいるが、あえて自分を追い込むことで「中途半端ではなく100%でいられる」という。
文武両道に加えて、米『ピープル』誌から「スポーツ界の最もセクシーな男21人」の一人に選ばれるほどのイケメンだ。日本からは五十嵐選手の他に、野球の大谷翔平選手も選ばれている。
五十嵐選手は1997年10月1日にカリフォルニア州で生まれた。オリンピックのオフィシャルサイトによれば、両親は日本人で、弟も含め一家全員がサーファーだという。また、カノアという名前は、ハワイ語で「自由」を意味する。
同サイトによれば、父親が波に乗る姿を見て育った五十嵐選手は、試してみたくてたまらなくなり3歳でサーフィンにトライ、その日のうちにボードの上に立てるようになっていたという。
初めて優勝したのは6歳の時。11歳の時にはNSSA主催の大会で、史上最多の年間30勝を収めている。2012年には史上最年少の14歳でUSA Championship U-18を制す。
2016年には、史上最年少、そしてアジア人としてはじめてプロサーフィン界における世界最高峰のシリーズ戦、WSLチャンピオンズシップツアーに参戦。徐々に順位をあげ、2018年についに初優勝を飾った。
五十嵐選手は日米両国の国籍を持つ。17年シーズンまでは米国の選手として活動していたが、2018年に東京五輪にむけて国籍登録を変更した。
サーフィンには大きく分けて2つの技がある。ダイナミックに宙を舞う「エアリアル」と波でできたトンネルをくぐり抜ける「チューブライド」だ。
念願の東京五輪に出場し、セミファイナルまで進んだ五十嵐選手は優勝候補のガブリエル・メディナ選手と対戦した。追い込まれたものの見事なエアリアルをメイクして大逆転で決勝進出を決める。当時並外れた強さを見せていたメディナ選手を下した、後々まで語り継がれるようなエアリアルを披露した。
決勝の対戦相手はもう一人の優勝候補、イタロ・フェレイラ選手だった。「誰よりもオリンピックのために準備してきた」と語っていた五十嵐選手だが、決勝は思うように波に乗りきれず惜敗。海から上がると膝から崩れ落ちた。
そんな悔しさをバネに2022年、五十嵐選手は日本人として初めて「ISA World Surfing Games」で優勝を飾る。ついにワールドチャンピオンの座を手にしたのだ。
東京五輪では波の有無が常に心配されていた。運よく台風8号が千葉県沖を通過し、大きな波で決勝を行うために日程を急遽変更。その結果、日本とは思えないほどのダイナミックな波での試合が実現した。
パリ五輪でサーフィン会場となるのは、南太平洋に浮かぶフランス領ポリネシア、タヒチ島のチョープーだ。サーファー達から聖地と崇められており、完成度の高い世界最大級のチューブ型の波ができることで有名だ。
『Vogue』誌によれば、五十嵐選手のいちばんの好物は祖母が腕によりをかけた特製カレー。90代の祖母は、メディアで五十嵐選手の姿を見かけると感激する。それが嬉しいので、おばあちゃんを喜ばすために進んでメディアに出演しているという。
パリ五輪では五十嵐選手の活躍とイケメンぶりが、再びメディアを騒がせることになるだろう。五十嵐選手の祖母はもちろん、日本中を感激させてくれるに違いない。