「世界一ハイレベルな代表争い」の末、スケートボード女子ストリートの日本代表が決定!
ようやく、パリ五輪のスケートボード日本代表が決定した。中でも、女子ストリートは「世界一ハイレベルな代表争い」となった。というのも、世界ランキングのトップ10に、日本人選手が6人もひしめいていたからだ。
6月23日、ブタペストで五輪予選シリーズ最終戦が行われ、吉沢恋(よしざわ ここ)選手がシリーズ初優勝を飾った。2位は織田夢海(おだ ゆめか)選手、3位は中山楓奈(なかやま ふうな)選手で、日本人選手が表彰台を独占する結果となった。
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この最終戦のランキングポイントが加算され、ついにパリ五輪の日本代表が確定。女子ストリートで代表の座を射止めたのは、吉沢選手、中山選手、赤間凛音(あかま りず)選手となった。
画像:Instagram, @funa_nakayama
昨年の世界選手権で優勝し、今大会で2位となった織田選手は獲得ポイントの差で五輪出場を逃した。さらに東京五輪で金メダルを獲得し、2連覇が期待されていた西谷椛(にしや もみじ)選手も代表落ち。世界女王と五輪金メダリストが落選する、波乱の幕切れとなった。
五輪初出場となる吉沢選手は14歳。「Olympics.com」によれば、兄の影響で小学1年生の時にスケートボードをはじめ、転べば痛いしケガもするので、6年生になったら辞めるつもりでいたという。
ところが辞めるはずだった6年生の終わり頃からめきめきと頭角を現しはじめる。2022年にローマで開催された予選大会で6位になると、その後もさまざまな大会で上位に食い込み、今月開催された五輪予選シリーズ最終戦でみごと優勝。見事パリ五輪代表の座を獲得した。
東京五輪銅メダリストの中山選手(19歳)は2大会連続のメダルを狙う。『デイリースポーツ』紙によれば、9歳の誕生日にプレゼントされたスケートボードがきっかけで競技を始めたという。
中山選手は東京五輪後も進化し続けた。2022年の世界最高峰の大会「エックスゲームズ」で銀メダルを獲得すると、同年の五輪予選シリーズ初戦で優勝を飾り、今月ブダペストで行われた最終戦でも3位となった。
最終戦では4位に沈んだが、予選シリーズで日本勢トップの2位につけていた15歳の赤間選手が代表入りを果たした。予選シリーズの7戦全てで決勝に進出し、3度表彰台にのぼっている。
7歳の時にスケートボードを始めた赤間選手。「日テレNEWS」のインタビューでこう語っている:「お父さんが元々サーフィンをやっていて。それで遊びで近所の下り坂でサーフスケートをやって、それに乗ってみたら楽しかったので始めました」
写真:Instagram, @liz_akama
赤間選手が一躍有名になったのは、2021年の日本選手権で東京五輪金メダリストの西矢選手を破り、12歳で初優勝を飾ってからだ。
写真:Instagram, @liz_akama
『スポーツ報知』紙によれば、仲の良い西谷選手や中山選手が東京五輪で活躍するのをテレビで見て、嬉しい気持ちにはなったが、「やっぱり自分がそこにいたらな」と悔しい思いを感じていたという。
同紙によれば、その悔しさをバネに練習を重ね、大技の「バーレーグラインド」を習得。女子では赤間選手しか出来ない大技で西谷選手を破り、日本選手権での優勝をもぎとったという。
写真:Instagram, @liz_akama
スポーツメディアの「リアルスポーツ」によれば、女子スケートボード界を象徴するアメリア・ブロッカ選手がこう語ったという:「日本人の女子選手、特に若いスケートボーダーたちはあり得ないスピードで成長している。その進化に他の国も強くインスパイアされている」
『東京新聞』によれば、日本ではマイナースポーツであるスケートボードの日本勢がここまで強くなったのは、日本選手が得意とする小さい頃からの反復練習や研究の積み重ねが大きいという。
パリ五輪の女子ストリート日本代表は、3人全員が10代となった。若いパワーで東京五輪以上のスケートボードフィーバーを巻き起こしてくれるに違いない。
画像:Instagram, @funa_nakayama