スポンサー契約喪失の危機? 女子テニス選手エマ・ラドゥカヌの今後のキャリアは

衝撃の優勝
無名選手が一躍スターに
全米オープン以降は振るわず
重いプレッシャーに苦しめられる
世界7位の収入を得る
シモーネ・バイルズをも上回る高所得
錚々たるブランドがスポンサーに付く
契約更改には苦労することに?
「世間知らずだった」
自己評価の低下に苦しむ
怪我の影響も
成長を感じさせた2024年
感動をもう一度
衝撃の優勝

2021年、エマ・ラドゥカヌが予選を勝ち上がって全米オープン女子シングルスに出場した。当初はまったく注目を集めてはいなかったラドゥカヌだったが、トーナメント開始から2週間後、その無名選手が衝撃の優勝を果たし、女子テニス界に新たなスターの誕生を告げた。

無名選手が一躍スターに

ラドゥカヌは18日間で10勝を挙げ、しかも1セットも落とさなかった。予選から勝ち上がって優勝したのはグランドスラムでは初の快挙だ。WTA(女子テニス協会)ランキングの順位は150位から23位に急上昇し、2022年6月にはトップ10入りも果たした。まさに彗星のごとき活躍だが、実はタイトルにはなかなか恵まれなかった。

全米オープン以降は振るわず
重いプレッシャーに苦しめられる

弱冠18歳にして突如世界の注目を集め、女子テニス界最大のスターにして稼ぎ頭となったのだから、プレッシャーに苦しめられるのも不思議ではない。

世界7位の収入を得る

タイトルにこそ恵まれなかったものの、「Sportico」によるとラドゥカヌは2024年にスポンサー契約などから1,300万ドルの収入を得ている。これは世界の女子アスリート中7位の高額収入だ。

シモーネ・バイルズをも上回る高所得

たとえば、パリオリンピックでも多くの金メダルを獲得した体操選手、シモーネ・バイルズでも2024年の収入は1,040万ドルだったことと比較すれば、ラドゥカヌの所得の高さがわかるだろう。

錚々たるブランドがスポンサーに付く

ラドゥカヌのスポンサーとなったのはナイキやウィルソン、ブリティッシュ・エアウェイズ、ボーダフォン、香港上海銀行(HSBC)、エヴィアン、ポルシェ、ティファニー、ディオールなど錚々たるブランドだ。だが、今後も大きなタイトルを獲得できない状況が続けば、こういったスポンサー契約も見直される可能性がある。

契約更改には苦労することに?

スポーツ経済の専門家、ロブ・ウィルソン博士はこう語っている:「ラドゥカヌが勝てない状況が続き、トーナメント上位に残れなければ、こういった契約の更改には非常に苦労することになるでしょう。そうすれば、まだ始まったばかりのキャリアが終わりを迎えかねません」「Metro」が伝えている。

「世間知らずだった」

ラドゥカヌは2023年6月、英紙『サンデー・タイムズ』にこう語っている:「全米オープンで優勝しなければよかったと思うこともあります。私は世間知らずでした。この2年で、業界を取り巻く環境は決して心地よくも、安全でもないということがわかりました」

自己評価の低下に苦しむ

ラドゥカヌは最近の成績が振るわないことを認めつつ、こう続けている:「うまくいっていないことは何度も感じています。自己評価は自分の成績に基づくものですから、試合に負けた後はとても憂鬱です。とても強いプレッシャーに曝されていました」

怪我の影響も

ラドゥカヌの成績が不安定なのは、怪我によるところも大きい。2023年は特につらい時期で、両手首や左足首の手術のせいで4月には早くもシーズンを終えることになってしまった。2024年1月には競技に復帰したが、万全の状態とは行かず、痛みに耐えながらのプレーで多くの重要な試合を落とした。

成長を感じさせた2024年

それでも、2024年シーズンはWTAランキングで57位で終えることができた。ノッティンガムのWTA250で準決勝まで残ったことや、ウィンブルドンでベスト16入りを果たしたことがランキングにつながったのだ。特に、ウィンブルドンでの結果は、全米オープン以来グランドスラムでのベストとなった。

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感動をもう一度

昨年の結果は巨額のスポンサー契約には見合わないものだったかもしれないが、今後の成長を感じさせる堅実なものではあった。2021年夏のような、衝撃的な感動をラドゥカヌがもう一度もたらしてくれることを期待しよう。

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