スポーツを愛したジョン・F・ケネディ大統領:政治の側からスポーツを奨励

スポーツを愛したケネディ大統領
生涯に渡ってスポーツを愛する
お忍び観戦も
スポーツ界の改善にも関心
現代の英雄
子供のころからスポーツに親しむ
大学でも活躍
健康上の問題に直面
海軍でも続ける
国家の基礎としてのスポーツ
運動を奨励
観るだけではなく
スポーツの有効性を体現
国民を統合するためのスポーツ
仇敵からも言及される
健全な精神は健全な肉体に?
スポーツを愛したケネディ大統領

アメリカのジョン・F・ケネディ元大統領はスポーツを深く愛しており、アメリカにおけるスポーツの普及にも尽力した。大統領としては珍しく、毎年恒例となっている陸海軍対抗のアメフト試合に選手としても参加したことがあるほどだ。

Sports Unlimited News をフォローして世界のスポーツをいつも手元に

生涯に渡ってスポーツを愛する

ケネディ大統領のスポーツ愛は決して一朝一夕のものではなく、生涯に渡ってアメフトや水泳、ヨットやテニスに打ち込んでいた。選手や観客としてどうしてもスポーツと関わろうとする大統領を競技場から引き離すのに一苦労することもあったほどだという。

画像:jfklibrary.org

お忍び観戦も

アメリカの大統領という重責を担う立場にあって、スポーツは息の詰まる政治の世界から逃れることのできる貴重な機会だったようだ。一度などは予告なしに大学アメフトを飛び込み観戦、1万5,000人の観衆がそれに気づいて『大統領万歳』を斉唱したこともあったとか。まさに民衆の代表としてのケネディ大統領を象徴するエピソードだ。

画像:jfklibrary.org

スポーツ界の改善にも関心

そのため、ケネディ大統領はアメリカのスポーツ界の状況にも常に関心をいだいていた。全米バスケットボールコーチ協会がバスケットボールリーグのチームやスタッフのために環境を改善する活動をしていたとき、ケネディ大統領は協会に書簡を送って活動を称賛、サポートに回っている。

画像:jfklibrary.org

現代の英雄

ケネディ大統領はスポーツ選手を現代の英雄として表彰した。『ヴォールト』誌はこう書いている:「大統領が多くのスポーツ経験のある人物を積極的に登用したのは偶然ではない。国防長官を務めたロバート・マクナマラはスキーヤーだったし、農務長官のオーヴィル・フリーマンは元アメフト選手、司法長官次官のバイロン・ホワイトは元プロフットボーラー、内務長官のスチュワート・ユーダルはバスケットボールで活躍したことがあり、内国歳入庁長官のモーティマー・キャプランはボクシング経験があった」

子供のころからスポーツに親しむ

では、そもそもなぜケネディ大統領はこうまでスポーツを愛するようになったのだろうか。その理由は生まれ育った家庭環境にあった。ケネディ家では以前からスポーツを好んでおり、若きジョン・F・ケネディも若い頃からゴルフやヨットをたしなみ、以降生涯に渡って続けることになる。

大学でも活躍

父親がかつてプレーしていたこともあり、大学に進学したケネディは4人の兄弟とともにアメフトを始め、ほかにも多くのスポーツを経験する。ハーバード大学の一年生のときにはイェール大学との対抗戦という大一番でゴルフチーム「クリムゾン」の代表を務めている。

画像:jfklibrary.org

健康上の問題に直面

大学時代のチームメイトは、アメフトプレーヤーとしてのケネディを勇敢で決断力のある人物だったと振り返っている。だが、健康上の問題が生じたため大学アメフトのトップレベルに進むことは叶わなかった。

画像:jfklibrary.org

海軍でも続ける

それでも大学卒業後もスポーツは継続。1942年に海軍に入隊したケネディは毎年恒例の陸海軍対抗試合の常連となった。

画像:jfklibrary.org

国家の基礎としてのスポーツ

1963年、アメリカ大統領となったケネディは国民の健康向上を最優先事項のひとつとした。アメリカ人の運動量が減っているという事態を受けて、国民がよりアクティブにスポーツに関わるよう奨励した。『ヴォールト』誌によると「国民の健康は国家の礎であり、国民の幸福や活力はそれなくして成り立たない」と述べたという。

運動を奨励

国民への運動奨励は継続的に行われ、海軍には20時間で80kmを歩くよう求め、高校生向けに体育の大統領賞も創設した。

観るだけではなく

ケネディ大統領は全米フットボール財団の大会でこう述べたという:「昨今アメリカ国民のスポーツ参加が減少の一途をたどり、ただ観戦するばかりになっているのは悲しいことです」

画像:jfklibrary.org

スポーツの有効性を体現

ケネディ大統領の専属医も務めたジャネット・G・トラヴェル博士は1961年にこう書いている:「若い頃にスポーツに打ち込んだ人は、大人になってからもその活力を保つ。ケネディ大統領はまさにそのことの歩く見本、『走る』見本だ」

国民を統合するためのスポーツ

1960年代はアメリカにとっても変革の時代であり、ケネディ大統領もそのことを感じていた。太平洋戦争の記憶が薄れてきたと思った頃にベトナムでの戦争が激化し始め、国内でも人種間の緊張がかつてなく高まっていった。そんな時代、スポーツは国民を統合する絶好の手段だった。ケネディ大統領にとって、当時のアメリカ人は真にアメリカ的な価値観から遠ざかりつつあり、精神的に軟弱になっているように見えたのだろう。

画像:jfklibrary.org

仇敵からも言及される

ケネディ大統領はタッチフットボール(タックルの代わりに両手のタッチを用いるアメフト)も愛好していることでも有名だった。ある時などは仇敵の労働組合指導者ジミー・ホッファがそのことを念頭に置いてこう発言したほどだ:「タッチフットボールは好きになれないね。ジムで腕立て伏せをしているときなら『タッチ』もいつでも受けて立つが」米紙『ニューヨーク・ポスト』はケネディ大統領の健康政策を「両手を腰に当てて」というぴったりな見出しで報じている。

健全な精神は健全な肉体に?

『スポーツ・イラストレイテッド』誌のインタビューにおいて、ケネディ大統領はこう述べている:「運動は健康な体作りにとって重要なだけではありません。ダイナミックでクリエイティブな知的活動にも欠かせないものです。身体の健康と精神活動との関係は微妙かつ複雑で、いまだ多くが解明されているわけではありません。それでも、古代ギリシアの人々は知っていたのです。知的生産の技術は強靭な身体があって初めて最高のパフォーマンスを発揮できるということを」

Sports Unlimited News をフォローして世界のスポーツをいつも手元に

ほかのおすすめ