スポーツクライミング界の高校生アスリート:安楽宙斗選手がトップで決勝進出

高校生アスリート、安楽宙斗選手
競技をはじめたきっかけ
スポーツクライミング
表彰台の常連
受験勉強と両立
千葉県立八千代高校
負けず嫌い
数学とクライミングの関係
史上初の2種目同時年間王者
パリ五輪への切符を獲得
五輪行きを決めた後は修学旅行
驚異的なリーチ
独特な登り方
楢崎智亜選手からの評価
目標とするクライマー
目指すは金メダル
高校生アスリート、安楽宙斗選手

スポーツクライミング界の期待の新星、安楽宙斗選手がパリ五輪で準決勝をトップで通過した。今回は破竹の勢いで金メダルを狙う17歳の現役高校生、安楽選手を追っていこう。

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競技をはじめたきっかけ

2006年11月14日に千葉県で生まれた安楽選手。『読売新聞』によれば、競技を始めたのは小学2年生の時。父親がダイエットのためにクライミングジムに通い始め、それについていったのがきっかけだという。

スポーツクライミング

東京2020大会から五輪競技となったスポーツクライミング。壁を登る速さを競う「スピード」、登った課題の数を競う「ボルダリング」、制限時間内にどこまで登れるかを競う「リード」の3種目ある。

表彰台の常連

ユース年代から頭角を現し始めた安楽選手。国内外の大会で表彰台の常連となり、世界ユース選手権のリード種目では2連覇(2021年と2022年)を達成している。

受験勉強と両立

国内外の大会で結果を残しつつ、安楽選手は受験勉強に励んだ。『Sportiva』誌によれば、高校受験最盛期はクライミングジムに行くのは週1回で2~3時間ほど。それ以外は勉強に打ち込み、見事志望校に合格したという。

千葉県立八千代高校

合格した千葉県立八千代高校は、難関大学合格者が多い進学校であると同時にスポーツにも力を入れている。体育科には各競技の猛者たちが集まるが、安楽選手は普通科の帰宅部。ただ「家に近いから」の理由のみでこの高校を選んだという。

負けず嫌い

また、学校では目立つタイプの生徒ではないが、スポーツでも勉強でも持前の負けず嫌いを発揮している。テストの成績はいつも上位。特に群をぬいているのが数学で、学年トップクラスだという。『読売新聞』が報じた。

数学とクライミングの関係

得意科目の数学はクライミングにいかされているようで「NHKニュース」でこう語っている:「数学とクライミングは今まで蓄えた知識をもとにどう解決していくかを考える点が似ていると思います」

史上初の2種目同時年間王者

20239月、安楽選手はスロベニアで開催されたクライミングのワールドカップに参加、初出場にもかかわらず快挙を成し遂げた。史上初となるボルダーとリードの2種目同時年間王者に輝いたのだ。

パリ五輪への切符を獲得

さらに11月にジャカルタで開催されたパリ五輪アジア予選のボルダーとリードによる複合でも優勝し、終に五輪への切符を手にした。出場者の中でただ一人全ての課題を完登し、200満点中199.7点の圧倒的な勝利だった。

五輪行きを決めた後は修学旅行

『スポーツ報知』紙によれば、大会終了後すぐに飛行機に飛び乗り翌日からの大阪への修学旅行に参加。「疲れていますが、せっかくなので行きます。ちゃんと(パリ五輪を)決め切って行けるので、気持ち良いです」と笑顔をみせたという。

驚異的なリーチ

安楽選手の身長は168cm。一般的に両腕を左右に広げた時の長さを指す「リーチ」は身長と同じとされるが、安楽選手は腕が長くて180cm以上ある。海外勢と比べて小柄ではあるが、リーチではほとんど変わらないのだ。

独特な登り方

安楽選手の強さの秘密は、最小限の力で次のホールドにアプローチする独特な登り方にある。子どもの頃は誰もが体全体でうまく反動をつけて登るが、成長して筋力がつくと力に頼りがちになる。安楽選手は子ども時代の登り方を失うことなく今に生かしているという。「テレ朝ニュース」が報じた。

楢崎智亜選手からの評価

同じくパリ五輪代表で、長きに渡ってスポーツクライミング界を牽引する楢崎智亜選手は、安楽選手のことを各メディアでこう評価している:「宙斗は本番に強いタイプで、コンペの中での出来栄えの差が少ない」「力を使わずに登るのがうまい」「今までにない登り方」

目標とするクライマー

Webサイト「CLIMERS」でのインタビューで、安楽選手は目標とするクライマーにフランス出身のメジディ・シャールック選手をあげている。練習ではなくコンペで勝つことに意味があるとし、シャールック選手は目指している選手の特徴に当てはまるという。

目指すは金メダル

パリ五輪が7月26日に開幕し、現地時間7日に男子ボルダー&リードの準決勝が行われた。安楽選手はみごと1位で通過、決勝進出を決めた。これまで夏季五輪でメダルを獲得した高校生は数少ないが、成長著しいスポーツクライミング界の新星が破竹の勢いで金メダルを狙う。

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