サッカー元イングランド代表デビッド・ベッカムの輝かしいキャリアをフラッシュバック
ここ数十年のサッカー界で最も偉大なスターのひとりに挙げられるデビッド・ベッカム。マンチェスター・ユナイテッドで若くして活躍を果たして以来、数々のタイトルを獲得してきた素晴らしいキャリアを振り返ろう。
ベッカムは、地元のサッカークラブであるリッジウェイ・ローヴァーズ(現在のブリムズダウン・ローヴァーズFC)でサッカーを始めた。その後、いくつかのクラブから誘いを受け、トッテナム・ホットスパーのユースアカデミーにも通っていたという。
最終的に名門マンチェスター・ユナイテッドのユースアカデミーに入団。ライアン・ギグスやポール・スコールズ、ニッキー・バット、ガリー・ネヴィルとフィリップ・ネヴィル兄弟といった後のスター選手たちとともに、ベッカムは1991-92FAユースカップで優勝を果たしている。
リーグカップのブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC戦で後半から途中出場し、ベッカムは17歳にしてトップチームデビューを果たした。結果は引き分けだったが、輝かしいキャリアはここから始まる。
その後、ベッカムは1994-95シーズンにプレストン・ノースエンドにレンタル移籍。同クラブで5試合に出場して好成績を収め、合計2ゴールを決めた。
1995年にマンチェスター・ユナイテッドに復帰すると、リーズ・ユナイテッド戦でプレミアリーグデビューを果たした。
翌シーズン、ベッカムはユナイテッドのスタメンとして定着。合計39試合に出場し(8ゴール、5アシスト)、自身初のプレミアリーグ優勝を成し遂げる。
1996年にはワールドカップ予選のモルドバ戦で、イングランド代表デビュー。0-3で快勝している。
1998年FIFAワールドカップでは、イングランドはベスト16に進出しアルゼンチンと対戦。しかし、ディエゴ・シメオネへの悪質なタックルでベッカムは退場処分となり、チームもPK戦の末敗退した。
1998-99シーズンは、ベッカムとユナイテッドにとって輝かしいシーズンとなった。プレミアリーグとFAカップ、UEFAチャンピオンズリーグの三冠という偉業を達成したのである。
ベッカム率いるイングランド代表は、欧州各国が戦うユーロ2000でも思うような成果を残すことが出来なかった。グループ最終戦でルーマニアに敗れ、グループリーグで敗退してしまう。
イングランド代表ではなかなか結果を残せずにいたが、ユナイテッドでは好調な活躍を続ける。2001年と2003年には、クラブの中心選手として、プレミアリーグ優勝に貢献。
2002年FIFAワールドカップでは、イングランドはスウェーデン、アルゼンチン、ナイジェリアと同じグループで勝ち残り、ベスト16でデンマークを破った。しかし、準々決勝でロナウジーニョ率いるブラジル代表に敗れ、ベスト8に終わった。
名門マンチェスター・ユナイテッドで10年以上に渡り活躍を続けた後、ベッカムは2003年にクラブを去ることとなる。
イングランドを去ったベッカムは、スペインの強豪レアル・マドリードと巨額の契約を締結。新しい背番号23で再スタートを切ることになる。
レアル・マドリードの敏腕会長フロレンティーノ・ペレスの元で、ベッカムはジネディーヌ・ジダン、ルイス・フィーゴ、ロナウドといったスター選手と共闘。
レアル・マドリード移籍から1年後、ベッカムはイングランド代表としてユーロ2004に挑んだ。準々決勝でイングランドは開催国ポルトガルと対戦し、PK戦の末敗退。このときも代表でのタイトル獲得という悲願は達成できなかった。
2006年には、ドイツで開催されたFIFAワールドカップに自身3度目の出場を果たした。イングランド代表は準々決勝で、因縁のポルトガル代表と対戦し、またもPK戦の末に敗退。この年のワールドカップがベッカムにとって代表での最後の国際大会となった。
2003年にベッカムが加入したレアル・マドリードでは、2002-03シーズン以来のタイトル獲得を目指していた。2007年、ベッカムはクラブ加入以来初めて、悲願だったリーガ・エスパニョーラ優勝を果たした。
ベッカムは、このシーズンを最後にレアル・マドリードを去り、米メジャーリーグサッカーの強豪ロサンゼルス・ギャラクシーに移籍。数々のタイトルを手にすることとなる。具体的にはウエスタン・カンファレンスのタイトルを3回、MLSカップを2回、サポーターズ・シールドを2回獲得。その輝かしい功績を記念して、クラブのスタジアムには彼の銅像が建てられた。
ロサンゼルス・ギャラクシー在籍中には、イタリアの名門ACミランにレンタル移籍。1年間で33試合に出場し、一定の活躍を果たした。
2009年10月14日、ベッカムはイングランド代表として最後の試合に出場。ベラルーシ戦で3-0の勝利を収め、有終の美を飾った。
ロサンゼルス・ギャラクシーとの契約終了後、ベッカムはパリ・サンジェルマンにフリートランスファーで移籍。
パリ・サンジェルマンでは14試合に出場し、2アシストを記録。クラブはリーグ優勝を果たし、ベッカムは異なる国のトップリーグで4度リーグ優勝を経験することになった。
2012/13シーズン終了後に現役を引退することを発表。2013年5月18日、スタッド・ブレスト29戦が最後の出場となり、キャプテンとしてチームを3-1での勝利に導いた。
現役サッカー選手としてのキャリアを終えたベッカムは、現在は起業家として成功している。メジャーリーグサッカーでインテル・マイアミ・FCの共同オーナーとなり、メッシやスアレスといった世界的スターを獲得。チームをリーグ屈指の人気チームに押し上げた。