ドイツサッカー史に金字塔を打ち立てたトニ・クロース
東ドイツ・グライフスヴァルト出身のトニ・クロース(1990年1月4日生まれ)は、サッカー史上最も影響力のある選手の一人だ。数々の栄冠を手にし「トロフィーコレクター」の異名を持つが、バロンドールだけは手にしていない。
2014年はクロースの年だった。ワールドカップブラジル大会でドイツ代表として優勝した直後、スペインの強豪レアル・マドリードへの移籍を発表。2014年からレアル・マドリードの心臓として大活躍している。今回は、そんなクロースの功績を紹介していこう。
クロースは、中盤の支配力で良く知られている。レアル・マドリードで4回、FCバイエルン・ミュンヘンで1回、合計して5回もチャンピオンズリーグのトロフィーを手にした。
ちなみに、この偉業を達成したのはクロースを覗いてクリスティアーノ・ロナウドだけだが、彼も複数のクラブをチャンピオンズリーグ優勝に導いている。
また、ブンデスリーガ(ドイツ)とラ・リーガ(スペイン)で3回ずつ優勝。FIFAクラブ・ワールドカップ(クラブチームによる世界選手権大会)を、通算6度制覇している。
2014年、クロースはFCバイエルン・ミュンヘンとの契約延長の合意に至らなかったため、スペインの強豪レアル・マドリードへ移籍した。6年契約で移籍金は3000万ユーロだった。
クロースはすぐにレギュラーに定着し、移籍直後のUEFAスーパーカップでは、パス成功率96%を記録して優勝に大きな貢献をした。翌2015-16シーズンのレアル・マドリードは、リーグ戦、カップ戦ともに不本意な結果に終わったが、チャンピオンズリーグを制覇することに成功。
2016年、クロースはレアル・マドリードとの契約を2022年まで延長することにした。2016-17シーズンは、低迷していたレアル・マドリードを王者に返り咲かせ、負傷で離脱するもゲームメーカーとして活躍している。
レアル・マドリードは2016-17シーズンのチャンピオンズリーグを制し、史上初となるチャンピオンズリーグ連覇を達成した。準々決勝はクロースの古巣であるFCバイエルン・ミュンヘン、決勝はユベントスとの対戦だった。さらにレアル・マドリードは、2017-18シーズンにリヴァプールを下しチャンピオンズリーグ3連覇という偉業を果たした。
クロースはドイツ代表の中盤でも不動の地位を築いてきた。最大の功績は2014年ブラジル・ワールドカップでのパフォーマンスで、特に開催国ブラジル相手に2ゴールを奪い7-1で勝利したことは記憶に新しい。
2016年にフランスで開催されたUEFA欧州選手権でもクロースは大きな存在感を示した。ドイツ代表は準決勝まで勝ち進み、最優秀チームに選出された。
あまたの成功を収めてきたクロースだが、いまだ得ていない賞がある。それはバロンドールだ。レアル・マドリードのチームメイトであるホセル(ホセ・ルイス・サンマルティン・マト)が、これを大きな見落としだと考えていることを『ビルと』紙が報じている。
ホセルは『AS』紙のインタビューでも、クロースが自分の中ではすでに5度のバロンドールを獲得しているとした。さらにクロースの卓越したプレースタイル、ボールコントロール、ピッチ上での冷静さを称賛し、一緒にプレーできることを光栄に感じていると強調した。