FCバルセロナの新監督ハンジ・フリック、就任から100日で変革をもたらす
シャビ監督の後を受けてFCバルセロナに就任したハンジ・フリックは、わずかな期間でチームに大きな変革をもたらした。今季、バルセロナは開幕から無傷の7連勝でラ・リーガ首位に立ち、圧倒的な強さを見せつけている。フリック監督は、革新的な戦術と厳しい規律を導入することで選手たちに自信を与え、力強いプレーを可能にした。
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バルセロナのラポルタ会長は、長年フリック監督の手腕を評価しており、2021年には同監督の起用も検討していたという。2024年5月にシャビ・エルナンデス前監督の退任が決まった際、ちょうどドイツ代表を退きフリーとなっていたフリック監督に声をかけた。米放送局「ESPN」によると、ラポルタ会長はフリック監督の手腕とスタイルに「非常に満足している」という。
就任からわずか100日間で、フリック監督はバルセロナに劇的な変化をもたらしている。効果的なプレッシングと高い守備ラインがチームに浸透し、90分間高い強度を維持してプレーしている。その結果、ラ・リーガ開幕から7試合全勝で単独首位に立っている。
メディアに対する受け答えが話題を呼んでいたシャビ前監督とは対照的に、フリック監督はメディアから過度に注目されることを避けている。その効果もあり、フリック監督はチームの指導に専念することができており、メディアから常に注目されるバルセロナでも、選手たちがサッカーに集中できる環境が守られているという。
スペイン紙『マルカ』によると、フリック監督が最も精力的に取り組んでいるのはフィジカル面の強化だという。昨季のバルセロナは試合終盤に強度が落ちていたため、フリック監督はスタミナ向上を目指して新フィジカルコーチを起用。トレーニングの強度を上げ、フィジカルの改善に取り組んでいるという。
フリック監督を支えるスタッフも優秀な人材が揃っている。アシスタントコーチを務めるマーカス・ソルグや、フィジカルコーチのフリオ・トウスらと協力することで、フリック監督自身は戦術面の改善に集中できている。
さらに、フリック監督はバルセロナの下部組織「ラ・マシア」出身の選手も積極的に起用。シーズン序盤から17歳の選手3人を先発させるなど、若手選手にかなりのプレー時間を与えている。ラポルタ会長も、バルセロナのDNAを受け継ぐラ・マシアの選手を育成するフリック監督の方針に満足している。
フリック監督率いるバルセロナは、シャビ前監督時代とは異なるスタイルに取り組んでいる。前線からのハイプレスとボールロストの際のカウンタープレスで効果的にボールを奪い、素早く前進する。ペドリ、ダニ・オルモ、ラミン・ヤマル、ラフィーニャといった中心選手はこのスタイルに見事にフィットし、エースのロベルト・レヴァンドフスキも得点を量産している。
好調なスタートを切ったバルセロナだが、ロナルド・アラウホ、フレンキー・デ・ヨング、ガビ、テア・シュテーゲンといった主力選手の負傷が大きな不安要素だ。フリック監督は動じることなく、ラ・マシアの若手選手を積極的に起用することで困難を乗り切ろうとしている。
フリック新監督の指揮下で最高のスタートを切ったバルセロナ。ラ・リーガでは失点も少なく、攻撃面も上手く機能している。怪我人や財政問題などの不安要素もあるが、このままの調子を維持できればタイトル獲得にも期待が高まる。今季のバルセロナから目が離せない。