パリ・オリンピック閉幕:次回のロサンゼルス・オリンピックはどんな大会になる?
盛り上がりを見せたパリ・オリンピックがついに閉幕。次回は2028年に開催されるロサンゼルス・オリンピックだ。
ロサンゼルスはアメリカの観光都市として生まれ変わろうとしており、世界中のスポーツファンもロスを訪れることを楽しみにしている。
オリンピックに向けての取り組みもすでに多数発表されている。ロサンゼルス・オリンピックはいったいどのようなものになるのか、チェックしてみよう。
パリが他の都市での大会に比べて優れていたのは、多くの会場がパリの観光名所に近かったところだ。ロサンゼルスはその点では苦労しそうだ。
そもそもロサンゼルスは町自体に伝統的な意味での魅力があるとは言いづらいかもしれないが、アメリカにはアメリカの魅力がある。数多くいるセレブたちだ。
パリからロサンゼルスへの聖火の受け渡しにトム・クルーズが登場したこともアメリカのアピールポイントを象徴している。ロサンゼルス・オリンピックでは音楽や映画などさまざまな分野のスターたちが登場することになるだろう。
パリ・オリンピックの開会式はセーヌ川を大胆に活用した新機軸のものだったが、ロサンゼルス・オリンピックではいままでの伝統に立ち返って、スタジアムの中で完結するものになるようだ。
そのロサンゼルス・オリンピックの開会式は、ロスを象徴するスタジアム、ロサンゼルス・メモリアル・コロシアムで行われる予定だ。
次回のオリンピックで注目されているのは新競技の導入だ。アメリカのスポーツチャンネル「ESPN」によると、ロサンゼルス・オリンピックではフラッグフットボール、スカッシュ、クリケット、ラクロス、野球の5競技が新たに登場するという。
新競技にはすでにアメリカで親しまれているものが多い。ホスト国の文化を世界とともに楽しもう、ということだろうか。
ロサンゼルス・オリンピックでは、陸上競技が最初の週に行われるのもいままでとは違った点だ。
実は、最初の週に陸上競技を行うのは1968年のメキシコ・オリンピック以来となる。
ちなみに、ロサンゼルスでは100年近く前の1932年にもオリンピックが開催されている。2028年大会では過去のオリンピックへの目配せがいろいろな点で見られるだろう。たとえば、飛び込み競技が行われるエクスポジション・パークは前回大会でも飛び込みの会場となった場所だ。
また、ビーチバレーの会場となるのはサンタ・モニカの砂浜だが、ここはビーチバレー発祥の地でもある。
観客として最も気になるのは、市内の移動手段だろう。ロサンゼルスは大きな町で、ヨーロッパの都市のように徒歩で動くというわけにはいかない。
ロサンゼルスはあまり公共交通機関が発達していないのだが、カレン・バス市長はオリンピックに際して、会場間を行き来できるような交通機関の整備を計画しているという。米放送局NPRが報じた。
車に頼らないオリンピックを目指すという点で、ロサンゼルスはパリを参考にしようとしているようだ。環境に優しいオリンピックを実現したいのだろう。
最後にチェックしておきたいのが、椰子の木のことだ。実は、ロサンゼルスを象徴する存在である椰子の木は、その多くが1932年大会の時に魅力を高めるために植えられたもの。いまでは市全体で7万本ほど生えているのだが、100年近く生きて多くの木が寿命を迎えつつある。そこで市では、2028年までにこの椰子の木をより干ばつに強いものに植え替えることを計画しているのだという。『Pin Up』誌が報じている。