パリオリンピック:日本勢が手にした金メダルを振り返る
パリの夏を彩った17日間の熱戦を通じて、日本勢は海外開催のオリンピックとしては過去最多のメダルを獲得した(国内を含めた最多は2021年東京大会の58個)。その内訳は、金メダル20個、銀12個、銅13個、合わせて45個のメダルを獲得。
日本勢が獲得した20個の金メダルという記録は、アメリカ、中国に次ぐ3位という歴史的快挙だ。さらにメダル総数でも6位となる。今回は、パリ五輪で金メダルを手にした日本人アスリートたちを振り返ってみよう。
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スケートボード界に若きスターが誕生した。14歳の吉沢恋選手が五輪の頂点に立ったのだ。女子ストリートは吉沢選手と15歳の赤間凛音(あかま りず)選手がワンツーフィニッシュを決め、スケートボード強豪国日本の印象を強く世界に知らしめた。
画像:Instagram, @coco_y_0922
新たな日本の「お家芸」となったスケートボード。東京五輪男子ストリートの初代チャンピオン、堀米雄斗選手が二連覇を達成した。7位から大逆転での優勝で、大いにドラマチックな金メダルとなった。
歴史的快挙の金メダルとなったのは、女子やり投げの北口榛花選手だ。五輪の陸上トラック&フィールド種目で日本人として初めて表彰台の頂点に立った。
パリ五輪で大躍進したのがフェンシングの日本勢だ。これまで(1952年のヘルシンキ大会からパリ大会まで)日本が獲得したメダル数は3つ。ところが、今大会だけで金メダル2個、銀メダル1個、銅メダル2個、計5個のメダルを得る快挙を達成し、パリに大旋風を巻き起こしたのだ。
フェンシング日本勢で金メダルを手にしたのは、男子エペ個人の加納虹輝選手、そして男子フルーレ団体の松山恭助選手、飯村一輝選手、敷根崇裕(しきね たかひろ)選手、永野雄大選手だ。
20歳の岡慎之介選手が世界にその名を轟かせた。個人総合と種目別の鉄棒で金メダル、平行棒で銅メダル、さらに男子団体でも表彰台の頂点に立ち、オリンピック初出場にして4つのメダルを手にした。
さらに体操男子団体が2大会ぶりに金メダルを奪還した。メンバーは橋下大輝選手、萱和磨(かや かずま)選手、岡慎之助選手、杉野正尭(すぎの たかあき)選手、谷川航(たにがわ わたる)選手。
パリ五輪で最も多く金メダルを獲得した種目はレスリングだ。男女ともに圧倒的な強さを見せ、出場した13選手の内、11選手がメダルを手にした。その内訳は金メダル8個、銀メダル1個、銅メダル3個の計11個。ちなみに東京五輪におけるレスリング日本勢の金メダル数は5個だった。
レスリング女子においては、6階級全てでメダルを獲得している。金メダルを手にしたのは女子53キロ級の藤波朱里(ふじなみ あかり)選手、57キロ級の櫻井つぐみ選手、62キロ級の元木咲良(もとき さくら)選手、76キロ級の鏡優翔(かがみ ゆうか)選手だ。
またレスリング男子ではフリースタイル57キロ級で樋口黎(ひぐち れい)選手、65キロ級で清岡幸太郎選手、男子グレコローマン60キロ級で文田健一郎選手、77キロ級で日下尚(くさか なお)選手が表彰台の頂点に立った。
パリ五輪で新採用された種目、ブレイキン。湯浅亜美選手(ダンサーネームAMI)が昨年の世界女王を制し、初代女王の座についた。金メダルの最有力候補となっていた男子ブレイキンの半井重幸(なからい しげゆき)選手は惜しくも4位となった。
東京五輪で9個の金メダルを獲得した柔道の日本勢。パリ五輪では男女合わせて3つと、数では減少したが、日本の「お家芸」として期待を一身に背負うプレッシャーの中、出場国中で最も多いメダル数を獲得した。
女子は48キロ級の角田夏実選手、男子は66キロ級の阿部一二三(あべ ひふみ)選手と81キロ級の永瀬貴規(ながせ たかのり)選手が金メダルを獲得した。また、阿部選手と永瀬選手は東京五輪に続く連覇達成となる。
次回五輪は米国のロサンゼルスが舞台。2021年の東京大会以来となる野球とソフトボールが競技に復帰する。大谷翔平選手が五輪出場に意欲をみせており、実現すれば大いに盛り上がるに違いない。