フィールドで成功したのに、巨額報酬をフイにしてしまったアメフト選手たち
プロアメリカンフットボールリーグ(NFL)の選手たちは往々にしてお金で失敗しがちだ。『Sports Illustrated』誌の調査結果によれば、選手たちのなんと80%が引退後に破産するという。そこで今回は、とりわけ大きな失敗をしたアメフト選手たちを追っててゆこう。たちのわるい詐欺被害に遭った者もいれば、自己責任としか言いようもないケースも……
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現役引退するや否や破産してしまったことで知られるトラヴィス・ヘンリー。2,250万ドルという莫大な財産を築き上げていたが、それをあっという間に失ってしまったのだ。
ヘンリーは10人の女性と の間に11人の子供をもうけており、『ニューヨーク・タイムズ』紙が2009年に報じたところによれば、彼の養育費は年間17万ドルにも上ったとされている。加えて麻薬密売で罰金も科されており、破産に至った経緯は容易に想像がつく。
グリーンベイ・パッカーズの選手としてプロボウルに5度出場、スーパーボウルで優勝するなど、12年にわたる輝かしいキャリアを築き上げた名ワイドレシーバー、アンドレ・ライズン。1989年にドラフト指名されてから引退するまでの間に、1,917万ドルを稼ぎ上げている。
1997年に破産申請したライズンは高額な養育費を嘆いたが、本当の問題は金使いの荒さだった。スポーツチャンネル「ESPN」のインタビューの中で、ライズンはジュエリーに100万ドルもつぎ込んだほか、チームメイトを喜ばせるために数十万ドルを費やしたことを明かしている。
13年間のキャリアを通じて大成功を収めたダーモンティ・ドーソン。プロボウルに7度出場したほかオールプロにも6度選出されており、2012年にはプロフットボールの殿堂入りを果たした。現役時代を通して数千万ドルを稼ぎ上げたとされる。
7,000万ドルという大金を失う羽目になったドーソンだが、悲しいことに本人のせいではなかった。2008年にサブプライム住宅ローン危機が発生する前から、ドーソンは複数のパートナーと提携して不動産投資による資産運用を行っていた。ところが、そのすべてにおいて経営権は彼の手になかったのだ。
2008年のサブプライム住宅ローン危機のあおりで、全てを失ったドーソン。2010年に破産申請をした際には、推定7,000万ドルあった資産の価値がわずか142万ドルまで暴落してしまっていたという。
レイブンズの元コーナーバック、クリス・マカリスターが破産したNFL選手リストに名を連ねているのは意外かもしれない。キャリアを通じて5,500万ドルも稼いだといのに、どうしてそんな大金を失ってしまったのだろうか?
エンタメサイト「TMZ」は2011年、マカリスターが「冗談のような破産をし、両親と暮らしている」と伝えた。一体どのようにして5,500万ドルもの資産を失ったのかは明らかでないが、2009年に200万ドルのローンの不履行で訴えられたときに凋落が始まっていたのかもしれない。
NFL屈指のパワフルなランニングバックとして、現役時代にはフィールド内を1万メートル以上も走破したというクリントン・ポーティス。80回のタッチダウンを記録し、引退までに4,310万ドルを稼いだとされる。
ファイナンシャル・アドバイザーだったジェフ・ルービンとジネシュ・ブラマットの口車に乗せられてアラバマ州のカジノに投資した結果、310万ドルを損失。アメリカ合衆国内国歳入庁やボルガタ・カジノ、さらに母親に数十万ドルの借金を負うこととなった。
現役時代を通してデュース・マカリスターほど稼いだニューオーリンズ・セインツの選手は、他にいない。
ニューオーリンズ・セインツと5,320万ドルで選手契約を結んだマカリスターは、NFLでも2番目に高い年俸を受け取ることとなったのだ。
マカリスターが巨額の資産を失うに至った経緯を追跡するのは、少々難しい。しかし、高級車ビジネスに投資し、660万ドル以上の負債を作ってしまったことが発端だったようだ。
ウェブサイト「NOLA.com」 によれば、マカリスターは2009 年に破産宣告を行い、ニューオーリンズに所有していた自宅は2011年にセントチャールズ郡保安官事務所によって88万ドルで競売にかけられたという。
同世代の選手たちの中で飛びぬけていたばかりか、NFL史上でもトップクラスのワイドレシーバーだったテレル・オーウェンス。キャリアを通じて、8,000万ドル以上という巨万の富を築き上げたのも納得だ。
しかし、ウェブサイト「sportscasting.com」によれば、オーウェンスは「稚拙な判断を繰り返した結果、8,000万ドルあった純資産のほとんど全てを失ってしまったようだ」とのこと。
NFL屈指のクォーターバックとして活躍したマーク・ブルネル。その報酬として5,000万ドルもの大金を手にしていたが……
2011年に引退したブルネルはなんと、年内に資産を使い果たしてしまった。一体どうやって?一言でいえば、資産管理の術を知らなかったのだろう。
大邸宅の建設に数千万ドルをつぎ込んだ上、不動産取引でも同じくらい巨額の損失を出してしまったブルネル。2008年のサブプライム住宅ローン危機で全財産を失い、ハンバーガーチェーン「Whataburger」に投資した900万ドルもフイにしてしまった。
散々なアメフト界デビューに見舞われたジョニー・ユナイタス。ピッツバーグ・スティーラーズに入団したものの、試合に出場する機会をもらえないまま解雇されてしまったのだ。
しかし、セミプロとしては中々の成績を収めていたことに目を付けたボルチモア・コルツに契約をもちかけられ、ユナイタスの運命は一転。華麗なクォーターバックとして、フィールドでの大活躍が始まったのだ。
しかし、ビジネスマンとしての資質には恵まれていなかったようで、企業を買収するたびに大失敗。そして、ついに破産へと至ることに……
電子機器に用いられるプリント基板の製作会社「National Circuits」を530万ドルで買収したが、これが不調に終わり、 1991年に破産申請せざるを得なくなってしまった。
リーディングパサーを5度にわたって獲得する活躍を見せたダン・マリーノが、現役時代に築き上げた巨万の富をよもや失うことになろうとは、誰も思ってもみなかったはずだ。
2012年に映像制作会社のデジタル・ドメインが倒産、あおりを受けたマリーノも数千万ドルを失い紙面を賑わせることとなった。
幸運にも資産の一部を回収することができたマリーノだが、それでも1,360万ドルという大金を失ったと言われている。
巨万の富ばかりか、選手生命やアメフトファンからの敬意まで失うことになってしまったマイケル・ヴィック。
ヴィックはクォーターバックというポジションに革命を起こした希代のNFL選手だった。しかし、違法な闘犬の運営に関わっていることが発覚、1億3000万ドルの全財産を失う羽目に。ニュース番組『60ミニッツ』のインタビューでは、「自業自得」だったとコメントしている。