フェンシング男子エペ団体がパリ五輪で銀メダルを獲得!
8月2日、フェンシング男子エペ団体の決勝が行われ、日本勢が銀メダルを獲得した。決勝で敗れ東京五輪に続く金メダルは逃したが、2大会連続での表彰台は同種目で日本フェンシング史上初となる。
決勝で世界ランキング3位の日本男子エペ団体が、世界ランキング5位のハンガリーと対戦した。延長戦までもつれこみ、25対26で惜しくも敗れた。『読売新聞』によれば、身長で海外勢に劣りながらも徹底的に自分たちの得意な展開に相手を引きずり込み、リーチの長さの差を克服してみせたという。
さらにはエペ個人で、団体のメンバーでもある加納虹輝(かのう こうき)選手が、五輪におけるフェンシング個人種目で日本史上初となる金メダルを手にした。
『読売新聞』によれば、フェンシングには「フルーレ」「エペ」「サーブル」の3種目あり、団体戦は各チーム3選手が総当たりして合計ポイントを競い合う。「フルーレ」と「サーブル」は「優先権」と呼ばれる相手を攻撃する権利により攻めと防御が切り替わるが、エペには「優先権」がなく先に突いた側にポイントが入る。また、得点になる範囲の「有効面」がエペは全身となるので、相手のつま先を狙うなど意表をついた攻撃が見られるという。
パリ五輪の男子エペ団体のメンバーは見延和靖(みのべ かずやす)選手36歳、加納虹輝(かのう こうき)選手26歳、山田優(やまだ まさる)選手29歳、古俣聖(こまた あきら)選手26歳だ。
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東京五輪から主将を務める見延選手。NHKのサイトによれば、長いリーチをいかした遠い距離からの攻撃が強みで、2019年には日本選手初となる国際フェンシング連盟の年間ランキング1位に輝いたという。
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見事金メダルに輝いた加納選手は小学校6年生の時にフルーレを始め、高校生時代にエペに転向した。小柄ではあるが、フットワークと素早い剣さばきが大きな強みだと『読売新聞』が報じている。
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同紙によれば、山田選手は小学2年でフルーレを始め、中学生の時にエペに転向。184cmの長身をいかしたダイナミックな攻撃、特に長い腕で剣先を巧みにしならせる「振り込み」が得意技だという。
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父親が世界選手権に出場経験があるエペの選手だったため、古俣選手は姉と共に5歳の時から高校卒業まで父親から指導を受けていた。2023年のアジア競技大会男子エペ個人戦で銀メダルを獲得。『新潟日報』紙が報じた。
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パリ五輪における男子エペ団体メンバーの見延選手、山田選手、加納選手は東京五輪にも出場した。そして、エペとして、さらに日本フェンシング史上初となる悲願の金メダルを手にしている。
さらに2024年5月にフランスで開催されたワールドカップでも見延選手、加納選手、古俣選手のパリ五輪代表3人と村山健太郎選手で金メダルを獲得している。
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『日刊スポーツ』紙によれば、チームの合言葉は「エペジーーン」で、「エペ陣」と日本を「ジーン」と感動させるような大きなことを成し遂げようという意味合いを込めているという。
東京五輪で男子エペ団体が金メダルを獲得したことで、この「エペジーーン」は、「2021ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされるほど日本中を沸かした。
パリ五輪で日本中をジーーンと感動させてくれたのはエペ陣だけではない。フェンシング発祥の地フランスで、日本勢は快進撃をみせた。男子エペ個人で加納選手が金メダル、男子エペ団体で銀メダル、女子フルーレ団体で銅メダル、そして女子サーブル団体も銅メダルを獲得したのだ。まさに今、日本フェンシング界は黄金期を迎えている。