フランスでサッカー場に落雷、選手1名が犠牲に
5月23日、フランス全土に雷雨の気象警報が出されていたが、落雷により犠牲者が出てしまった。
フランス北端のパ=ド=カレー県クリエールにあるガブリエル・ペリ・スタジアムで、サッカーの練習をしていたアマチュアチームの選手1名が落雷により命を落とした。
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現地メディア『RTL』の報道によると、雷の直撃を受けた31歳のジョルダン・デニューリン選手が死亡し、付近にいたチームメイト数名も重軽傷を負ったという。行政当局によれば、救急隊がすぐさま駆けつけ蘇生を試みたが、デニューリン選手はそのまま息を引き取った。
写真:Unsplash - Abigail Keenan
亡くなった選手の兄弟であるルカとテオは、現地メディア『RTL』の取材に対し、「すべてが一瞬の出来事だった」と語った。
写真:Unsplash - Jean François Cadeau
「あんなことが起こるなんて誰にも予測できませんでした。最初の稲妻を見てコーチは、危険だから最後のワンプレーにして練習を中止しようと言いました」と二人は語った。その数秒後、ピッチに落雷があったという。
クラブのコーチであるジャン・ピエール氏はフランスのテレビ局『BFMTV』に対し、ピッチで目撃したことを証言している。「稲光が四方に広がり、地面に煙が立ち込めました。彼の足元から頭まで電流が走るのを目にしました」
ジョルダン・デニューリン選手がピッチで雷の直撃を受けて心肺停止となったとき、電話で救急隊の助けを借りながら、コーチ自ら蘇生を試みたという。
「救急隊はジョルダンを仰向けにする指示をしました。同僚のクリストフと心臓マッサージをし、その後、救急隊が到着しました(中略)…… そのときにはもうジョルダンの息はありませんでした。言葉になりません。彼には息子と変わらない愛情を注いできました」
練習には当時29人が参加し、犠牲となった1名以外にも6人が負傷。地元新聞『ラ・ヴォワ・デュ・ノール』紙によると、このうち2人は胸痛を訴えてランス病院に搬送され、他の4人はピッチで治療を受けたという。
デニューリン選手は、チームのU-13カテゴリーでコーチも務めていた。まだ31歳と若く、妻のジェシカと息子のヴィンチェンツォが遺されることになった。父フレデリックが『BFMTV』の取材に悲痛な面持ちで語った。「私が代わってあげられればよかったのにと思います」
また、デニューリン選手が所属していたチーム「AARドゥルジュ・フットボール」はクラブのSNSで哀悼の念を表明している。「サッカーに情熱を注いだジョルダンの死を心から惜しみます」
写真:Facebook - AAA Dourges