フロリダ沖でまたサメ襲撃:サーファーが被害に
フロリダ州ヴォルーシャ郡のニュー・スマーナ・ビーチで、サーファーがサメに襲われる事故がふたたび発生。今年はフロリダ一帯の海岸でサメによる襲撃が多発しており、サーファーらは警戒を続けている。
夏のフロリダ一帯では、サメによる襲撃はそれほど珍しいことではない。サーファーや海水浴客だけでなく、「灰色のスーツを着た猛者(サメのこと)」も集まってくるためだ。
ある人物は9月12日の午前7時45分に、海岸の桟橋近くでサメの襲撃を受けたという。WFTV放送によれば、被害者は顔を噛まれ「右頬の上に傷を負った」とのこと。
襲撃現場に居合わせたライフセーバーのA・J・ミラーは、午前7時50分に事件を警察に通報。
ライフセーバーのミラー氏によれば、被害者はノースカロライナ州出身のサーファー(38)で、サーフボードから水中に飛び込んだ際にサメに襲撃されたという。
警察の報告によれば、被害者の命に別状はないものの、治療のため地元の病院に搬送されたとのこと。
フロリダ州の海岸、とりわけニュー・スマーナ・ビーチでは今夏、サメの襲撃が相次いでいる。地元サーファーは一帯の海岸を「サメ襲撃のメッカ」と呼んでいるほどだ。
今年7月初めにも、フロリダ州ニュー・スマーナで暮らす地元サーファー2人が相次いで襲撃を受けている。前を進んでいた1人が襲撃を受けた際、後ろでパドリングをしていたもう1人はサメに気づかなかったという。
たまたま現場に居合わせた地元の目撃者いわく:「もっとひどい事態になっていたかもしれません。1人目がサメに噛まれたのに、もう1人も同じ場所を目指して波乗りを始めたんです」
7月の襲撃で被害に遭った1人、ブランドン・ボンコアは事件をこう回想している:「何度かよい波に乗ることができたんですが、最後にマズイものを踏んでしまいました。何かに足を挟まれる感覚があったので、私はあわてて右足を引っ込め蹴りつけました」
幸い、サーファー2人は無事に逃げ出すことができたが、危機一髪だったのは間違いない。
記録された襲撃事件の犯人はおもに小さく若い個体のサメであり、ケガのリスクは大きくないという。しかし、それでも重症を負わされてしまう可能性はある。
ニュー・スマーナ・ビーチの地元住民いわく:「あの辺の海に潜ると、1日に4、5匹のサメと遭遇することもあります」
2023年に米国で報告されたサメ襲撃事件は現時点で30件あまり。その半数以上がフロリダ州で発生している。
専門家のギャビン・ネイラー博士はサメ襲撃事件の増加について、「通常は暖かい海域で暮らすサメの一部が、北のフロリダに移動して来ているのかもしれない」と説明している。
この現象については、海水温の上昇によってイタチザメやオオメジロザメといった危険な暖海性のサメが以前よりも北上しやすくなっているのではないか、という意見が多く聞かれる。