サッカー界の名選手たちの思いがけないセカンドキャリア:俳優、スポーツ経営、大統領......
アスリートたちの現役生活は決して長くはない。サッカー界でも多くの選手が30代で引退を決断し、それぞれのセカンドキャリアを歩み出すことになる。サッカー指導者の道を選ぶ選手もいれば、まったく別のキャリアに進む選手もいる。ここでは、意外なセカンドキャリアを選んだスター選手について見ていこう。
英プレミアリーグでミッドフィールダーとして活躍したヴィニー・ジョーンズは、引退後に俳優転身を果たし、ハリウッドの舞台で輝きを放っている。
ウィンブルドンFCやチェルシーで活躍したジョーンズは、1998年に34歳で引退。その年にガイ・リッチー監督の名作『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』に出演し、最優秀新人賞のエンパイア賞を受賞。これをきっかけに数多くの映画に出演する人気俳優となった。
サッカー界屈指のスターであるデビッド・ベッカムは、イングランドやスペイン、米国、イタリアなど各国で活躍した後、2013年にパリ・サンジェルマンで20年の現役生活に終止符を打った。その後、起業家として意外な転身を果たす。
マンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリードといった名門クラブで活躍したベッカムは、現在では起業家として成功を果たしている。アディダスや老舗時計ブランドのチューダーなどと契約を結び、ブランドの広告等を務めるかたわら、現在は米MLSのインテル・マイアミの共同オーナーを務めている。他にも複数のクラブ経営に携わるなど、起業家としてセカンドキャリアを歩んでいる。
ACミランやチェルシーでスター選手として活躍したシェフチェンコは、引退後に母国ウクライナで政治家に転身。2012年に引退した際に、記者会見で「今後はサッカー以外の道に進む」と宣言。サッカー専門サイト「トランスファー・マルクト」によると、現役時代はフォワードとして704試合出場342ゴールという素晴らしい成績を収めている。
政治家として活動するシェフチェンコだが、2022年にはウクライナオリンピック委員会の副会長に就任。選手や指導者とは異なる立場からサッカーやスポーツに関わっている。
FIFA公式サイトからも「日本サッカー界最高のスター選手の一人」と評される中田英寿。ASローマでセリエA制覇を達成し、ACパルマでも活躍した中田は、現役引退後は独自のキャリアを歩んでいる。
現在、中田はファッションブランドや「N」という日本酒ブランドの経営に携わっている。『Peak Magazine』のインタビューに対し、「日本の酒造家は非常に伝統的で、内向きです。彼らと世界の間に架け橋を築きたいと思っています」と語っている。
ジョージ・ウェアは引退後政界入りし、母国リベリアの大統領になった。カメルーンでプレーしていたウェアは、アーセン・ベンゲルに見出されASモナコに移籍。その後、パリ・サンジェルマンやACミランといった名門クラブでも活躍した。
引退後に政治家となったウェアは、2018年にリベリア共和国の大統領に選出され、2024年の任期満了まで国のトップを務めた。米ロイター通信のオリバー・マイヤーズは、2017年に「ウェアはスターだが、祖国に対する熱い思いがある」と評している。
ブンデスリーガでゴールキーパーとしてプレーしたティム・ヴィーゼは、サッカー選手からプロレスラーに転身。同選手はホッフェンハイムやヴェルダー・ブレーメンでプレーした後に現役を引退し、2016年に米国のプロレス団体WWEに加入。
サッカー専門メディア「BeSoccer」の報道によると、引退したヴィーゼは40kgも増量し、WWEの常連ファイターとなった。WWEをプロレス界の「チャンピオンズリーグ」と呼び、レスラーとして充実した生活を送っているようだ。
20年以上の現役生活のなかで、ゴールキーパーとして世界トップレベルで活躍したファビアン・バルテス。フランス出身の同選手は、マンチェスター・ユナイテッドやオリンピック・マルセイユ、FCナント、ASモナコといった名門クラブでプレー。引退後は、レーサー転向を果たした。
英紙『ザ・サン』によると、バルテスは2008年にプロのレースに参戦。フランスのポルシェ・カレラ・カップやフランスGT選手権、バイオレーシング・シリーズ、ケータハム・シグマ・カップ・フランスといったレースに出場し、プロレーサーとしても活躍を果たしている。
ロマン・パヴリュチェンコも、現役引退後は政界に転向。現役時代はトッテナム・ホットスパーのストライカーとして活躍し、母国ロシアのチームでプレーした後、2022年に引退を決断。
現在は、故郷スタブロポリでウラジーミル・プーチン大統領率いる与党「統一ロシア」党の議員を務めており、2012年に63%の得票率で地方議会議員に選出された。
イングランドのウィガン・アスレティックでセンターバックとしてプレーしたアルヤン・デ・ゼーヴは、引退後、ユニークなキャリアを選んだ。オランダ出身の同選手は英国やオランダでのプレーした後、オランダ警察に入隊。
元チームメイトのエマーソン・ボイスのポッドキャストに出演したデ・ゼーヴは、「今でもオランダ警察で働いているけれど、警部や刑事としてではないんだ」と明かした。オランダ警察では、法医学を専門とする捜査チームの一員となっているという。「サッカーをプレーするのがとても好きだったから、指導者としてピッチサイドから見ているのは嫌だったんだ」と転身の理由を語った。
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