ボクシング界の生ける伝説マイク・タイソン(57)はすでに「歩くのも困難」?
ボクシング界のレジェンド、マイク・タイソンがリンクに上がるという。元プロボクサーのYouTuberジェイク・ポールと試合をする計画が持ち上がり、ボクシングファンはその話でもちきりだ。
だが、タイソンは現在57歳であり、健康状態も良くない。トレーニング状況や健康状態についての情報に鑑みるに、そもそもこの試合が実現可能かも疑わしいかもしれない。
タイソンが再びリングに戻ることができるのか、そうするべきなのかという点については多くの懸念が存在する。結局、マイク・タイソンとジェイク・ポールの試合は実現するのだろうか。
マイク・タイソンとジェイク・ポールはそれぞれがまったく異なる世代のボクシングを象徴する存在だ。それだけに、幅広い世代のボクシングファンがこのマッチアップに関心を寄せてきた。かつて最も恐れられたヘビー級ボクサーのマイク・タイソンは2005年に引退して以来競技からは身を引いている。2020年にロイ・ジョーンズと行ったエキシビションマッチではかつてのパワーとスキルの片鱗を見せてくれたが、ジェイク・ポールと戦うとなれば話は大きく変わってくる。
一方のジェイク・ポールはボクサーとしてまったく新しいあり方を切り拓いた存在だ。インターネットの有名人がボクシング界に参入という、当初は物珍しさが先行した見世物的プロジェクトだったが、プロ転向した結果は元UFC世界ウェルター級王者タイロン・ウッドリー相手の1勝を含む7勝1敗と素晴らしい成績だった。
あのマイク・タイソンがリングに復帰という謳い文句は確かに魅力的だが、タイソンのトレーニング状況などを伝え聞く限り、いまだに多くの懸念が残されていると言わざるを得ない。『USAトゥデイ』紙によると、タイソンの健康状態はかなり思わしくなく、元世界王者は「いまは歩くことも困難」なのだという。
タイソンは同紙にこう語っている:「いまは歩くのもつらい。だが2ヶ月後にはコンディションも最高になっている。ジムでの試合にも勝てている。いいか、俺は自分のためになるならなんだってやる。今日はここで幼なじみどもと楽しくやるつもりだ。ジェイク・ポールのことなんて忘れてな」
57歳となったタイソンの身体は、数十年にわたる文字通り血のにじむ練習と試合を耐えてきた。2020年のジョーンズとのエキシビションマッチでは期待を越える動きを見せてくれたが、もう一度激しい試合に備えて練習できるのかは疑問だ。おまけに、相手のポールは若く溌剌としているのだ。
そもそも、ポールとの試合は当初2024年7月に予定されていた。だが、『TalkSport』が報じているように、試合に備えていたときに持病の胃潰瘍が悪化したことで延期されている。
タイソン最大の敵は自身の健康状態となってしまっているが、一方のジェイク・ポールは身体的にもキャリア的にもまさに絶頂期にある。27歳のポールは引退時のタイソンよりも10歳若く、いまも勝利を重ねている。YouTuberがプロボクサーに、という物議を醸した企画もいまでは非常に真面目なキャリアとなっている。
ポールは対戦相手にボクサーではない相手を選んできたことを批判されているが、常に成長を見せ、徐々に大きな目標に挑戦していこうとしている。誰もが知るボクシング界のレジェンド、マイク・タイソンとの対戦はポールにとって非常に大きな舞台であり、ボクシング界での地位を盤石なものにするだろう。
プロモーション的な観点から言うと、ポールはすでに準備万端だ。膨大な数のフォロワーを抱え、どうすればバズるかも心得ている。一番重要な問題はポールが準備できているかではなく、タイソンの身体が試合に耐えられるかだ。
タイソンが自分より30歳も若い相手と対戦しようとすることで、健康状態がさらに悪化するのではないかという懸念が存在する。ボクシングは深刻な結果をもたらし得るスポーツだということを忘れてはいけない。CNNによると、年間平均13人がボクシングを直接の原因として命を落としているという。
さすがに死亡事故が起きる可能性は低いとはいえ、タイソンが身体能力に不安を抱えたままポールのような選手と試合に臨めば何が起きてもおかしくはない。
こういった事情から、試合に際しては厳格な基準が定められており、当局が両選手の健康状態に疑義があるとした場合はたとえ試合開始数時間前であっても中止され得るという。『Express』誌が9月に報じている。
また、今回の対戦はプロ試合として実施される予定となっているが、身体的・能力的にその基準に達していないと判断された場合、エキシビションマッチに格下げされる可能性もある。
だが、『デイリー・ミラー』紙の9月の報道によると、タイソン側はプロ基準を満たすことに自信を抱いているらしい:「ジェイク・ポールをノックアウトする用意はできている。いつでもいける。多少の逆風はある。病気ではあるが、元気だ。いつでもこい、いつでもこいだ」
「俺のことについてはまた話すが、とにかく戦う準備はできている。俺は完璧だし、2週間、いや3週間くらい前から練習に戻ってる。特訓中だ。あいつを捉えたら、すぐに終わらせる」