「バスケの神様」マイケル・ジョーダン:キャリアを彩る最高の瞬間トップ10

マイケル・ジョーダンの栄光
10位:1987年スラムダンクコンテスト
華麗な動きから生み出すダンクシュート
9位:1992年NBAファイナル
フリースローのように3ポイントショットを決める
8位:1991年NBAプレーオフ
友人であり良きライバルでもある
7位:2003年NBAオールスターゲーム
オールスターゲームで現役生活に終止符
6位:1986年NBAプレーオフ
強豪ボストン・セルティックス相手に圧倒的な活躍を見せる
5位:1991年NBAファイナル
「不可能を可能にする」
4位:1989年NBAプレーオフ
残り3秒からの逆転弾
3位:1997年NBAファイナル第1戦
1989年とは違い冷静な反応を見せる
2位:1997年NBAファイナル第5戦
鎮痛剤や点滴を打ちながらの強行出場
1位:1998年NBAファイナル第6戦
シカゴ・ブルズに優勝をもたらす
マイケル・ジョーダンの栄光

NBAのシカゴ・ブルズとワシントン・ウィザーズで目覚ましい活躍をみせ、バスケットボール史に名を刻んだマイケル・ジョーダン。その輝かしいキャリアにおける最高の瞬間トップ10を振り返ってみよう。なお、データは全て米スポーツ統計会社「Basketball Reference」から引用した。

10位:1987年スラムダンクコンテスト

世界最高のバスケットボール選手が集まるNBAには、数多くの素晴らしいシューターが在籍してきた。そのなかでもマイケル・ジョーダンの運動能力と空中でのボディコントロールは群を抜いていた。1987年にNBAオールスターウィークエンドで行われたスラムダンクコンテストでは、ジョーダンがその能力を遺憾無く発揮。素晴らしいダンクシュートを披露して会場を沸かせた。

華麗な動きから生み出すダンクシュート

1987年にシアトルの会場で実際にその様子を見ていたファンが当時の状況を証言している。ジョーダンがボールを持ってスタート位置に立ったとき、会場は独特な緊張感に包まれた。ゴールに向かって全力疾走すると、ジョーダンはフリースローラインで跳躍し、ボールをリングに叩きつけた。滞空時間が長く、まるで重力に逆らっているようなダンクだったという。

9位:1992年NBAファイナル

NBAのウェブサイトはこの試合を次のように解説。「1992年のNBAファイナルで、ポートランドトレイルブレイザーズを相手に6本の3ポイントショットを連続して決めたジョーダンは、肩をすくめる仕草を見せた。この動作は、「ザ・シュラッグ」と呼ばれ、NBA 史に残る瞬間になっている。」長距離シュートが主流となった現在でも、前半で6本の3ポイントショット成功は類を見ない。

フリースローのように3ポイントショットを決める

米誌『スポーツ・イラストレイテッド』によれば、ジョーダンは「どこからでもシュートが決まる気がした。3ポイントラインまで走ってシュートを打つと、フリースローのように決まったんだ」と振り返っている。シュートを決めたジョーダンは、自分でも驚いたように観客に向かって肩をすくめ、その動きが話題となった。

8位:1991年NBAプレーオフ

ジョーダンはキャリアを通じて、数多くの派手なダンクシュートを決めてきた。本人にとっては、そのなかでも1991年のプレーオフで決めたシュートが印象深いという。「一番良く思い出す自分のシュートは、パトリック・ユーイングの頭上から決めたダンクだね。パトリックとは良きライバルで友人でもあるからなおさらだよ」とジョーダンは語った。

友人であり良きライバルでもある

ジョーダンのシュート自体も素晴らしかったが、そこに至るまでの勝負も白熱したものだった。サイドライン方向に向かったジョーダンに対し、相手チームのジョン・スタークスとチャールズ・オークリーが2人がかりでディフェンス。そこで突然、ジョーダンは方向転換し、センターに構えたユーイングの方へジャンプした。ユーイングの頭上から豪快なダンクシュートを決め、観客を驚かせた。

7位:2003年NBAオールスターゲーム

引退後オーナーを務めていたワシントン・ウィザーズの低迷ぶりを見て、2001年に2度目の現役復帰を決意したジョーダン。しかし、この復帰は失敗だったと考えるファンは多く、ジョーダン自身も後悔しているという。「2度目に現役復帰したのは間違いだったね。ウィザーズに所属する選手たちの才能をチームメイトとして評価することで、オーナーとしての仕事にも相乗効果があると思ったんだ」と米誌『シガー・アフィシオナード』に語った。

オールスターゲームで現役生活に終止符

ジョーダンは2回目の現役復帰以降も1試合平均21得点以上を記録しており、ウィザーズに選手として戻った2年間が完全な失敗だったとは言えない。2003年のオールスター戦では延長戦の残り10秒の場面で、右サイドで対峙したショーン・マリオンの前で美しいフェイドアウェイシュートを決めた。これがジョーダンの現役生活最後の得点となった。

6位:1986年NBAプレーオフ

ジョーダンが所属していたシカゴ・ブルズは1980年代には、まだ新興のチームだった。当時はボストン・セルティックスが席巻しており、ブルズが同チームに勝つにはジョーダンの活躍が不可欠だった。1986年のプレーオフでは、この期待に応えるような圧倒的な活躍を果たす。

強豪ボストン・セルティックス相手に圧倒的な活躍を見せる

その年のレギュラーシーズンには怪我の影響で18試合しか出場できていなかったジョーダン。しかしポストシーズン進出を賭けて粘り強く戦い、ボストン・ガーデンでのアウェー戦で素晴らしいパフォーマンスを見せた。強豪セルティックス相手に63得点を挙げ、土壇場まで相手を追い詰めたが、結局チームは敗退。しかし、この活躍をきっかけにジョーダンは世界最高のバスケットボール選手の地位へと駆け上がることになった。

5位:1991年NBAファイナル

ジョーダンは1991年、ロサンゼルス・レイカーズとのNBAファイナルでチームを初優勝に導いた。古豪レイカーズのエースはマジック・ジョンソンで、ジョーダン率いるブルズとの対戦は新旧スーパースター対決とも言えた。結果的に4勝1敗でブルズが勝利し、世代交代を印象付けることになった。

「不可能を可能にする」

第2戦でNBA史に残るスーパープレーが生まれた。ジョーダンは右腕を伸ばしてボールを持ち、シュートを狙ったがディフェンスに阻まれそうになる。そこでジョーダンは空中でボールを左手に持ち替え、腕をやわらかく回してボールをリングに押し込んだ。このプレーの後、マジック・ジョンソンはジョーダンについて「彼は不可能を可能にする」と語った。

4位:1989年NBAプレーオフ

1980年代後半にはジョーダンの活躍によって、シカゴ・ブルズは強豪の仲間入りを果たしていた。1989年のプレーオフ第1ラウンドのクリーブランド・キャバリアーズ戦で、ジョーダンは劇的な形でチームを勝利に導いた。このシュートは、ジョーダンのキャリアで最も有名な場面の一つだ。

残り3秒からの逆転弾

試合は残り3秒でクリーブランド・キャバリアーズが1点リード。ジョーダンはパスを受けると、コートの左へドリブルで駆け上がる。フリースローラインで跳躍し、正確なボディコントロールで美しいジャンプシュートを放った。このシュートが見事決まり、ジョーダンは喜びを爆発させた。対峙していたクリーブランドのガード、クレイグ・エロは試合後米メディア「バスケットボール・ネットワーク」に対し「あのシュートが入るとは思わなかったよ」と語った。

3位:1997年NBAファイナル第1戦

1997年のNBAファイナル第1戦、残り7秒の場面。シカゴ・ブルズは逆転の望みをかけてジョーダンにパスを出す。ブルズはジョーダンがフリーでプレーできるようにコートの左側を空けていた。対するユタ・ジャズは、フォワードのブライアン・ラッセルが対応。粘り強いディフェンスを見せたが、ジョーダンのジャンプシュートは完璧だった。ブザーが鳴ると同時にシュートが決まり、ブルズは見事な逆転を飾った。

1989年とは違い冷静な反応を見せる

1989年のキャバリアーズ戦ではジョーダンは喜びを爆発させていたが、1997年のブザービートゴールの後には冷静に見えた。シュート後に静かに拳を空中に突き上げたが、その表情はすでに第2戦以降の勝負を見据えているようにも見えた。

2位:1997年NBAファイナル第5戦

1997年のNBAファイナル第5戦でジョーダンは圧巻のパフォーマンスを見せた。しかし、このときジョーダンの体調は万全ではなかった。ドキュメンタリー「ラストダンス」によれば、試合前夜にソルトレイクシティで食べたピザが原因だという。一時はインフルエンザだったと伝えられたが、実際には食中毒の症状だったようだ。

鎮痛剤や点滴を打ちながらの強行出場

米誌『スポーツ・イラストレイテッド』によれば、ジョーダンは後半も出場するため、ハーフタイムに鎮痛剤と点滴を打っていたという。この試合でジョーダンは38得点を挙げ、3ポイントシュートも成功。ブルズは見事に勝利を収めた。「あのときはほとんど気絶寸前だったよ」とジョーダンは回想している。

1位:1998年NBAファイナル第6戦

このシーズンを最後に2度目の現役引退を表明したジョーダンにとって、これがシカゴ・ブルズでの最後のプレーとなった。残り30秒を切ってユタ・ジャズに1点差で負けているなか、ジョーダンはカール・マローンの背後からボールをスティール。その後、劇的な展開が訪れる。

シカゴ・ブルズに優勝をもたらす

残り時間が少なくなるなか、ジョーダンは前年に引き続きブライアン・ラッセルと対峙。右に激しくドリブルしてから左に切り返すと、試合時間残り5秒のところで、完璧なジャンプショットを放った。これが決まり、ジョーダンはシカゴ・ブルズに6度目の優勝をもたらした。

Sports Unlimited News をフォローして世界のスポーツをいつも手元に

ほかのおすすめ