マンチェスター・シティを来季CLから除外しかねないUEFAの衝撃的ルール
昨季3つのタイトルを獲得したマンチェスター・シティは、今シーズンもプレミアリーグのタイトル獲得を目指している。
だが、果たしてシティは来季もUEFAチャンピオンズリーグに出場できるのだろうか。
FIFAクラブワールドカップの前回チャンピオンであるマンチェスター・シティは、2023年もUEFAチャンピオンズリーグのグループリーグを通過した。6戦全勝で、グループ2位のコペンハーゲンとともに決勝トーナメント進出を決めている。
マンチェスター・シティは、UEFAやプレミアリーグとの財務トラブルにより、来季はヨーロッパの主要大会でプレーできなくなると思っている人も多いかもしれない。
だが、問題はそれだけではない。
ところでマンチャスター・シティは2008年以来、サッカー事業グループ「シティ・フットボール・グループ」の所有となっている。同グループはその後さらに11のクラブを買収、あるいは株式を保有している。そのうちの1つは、23-24シーズンにスペインのラ・リーガで旋風を巻き起こしているジローナだ。
シティ・フットボール・グループは、2017年にジローナの株式47%を購入した。その主要な株主の1人は、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督の弟ペレ・グアルディオラ氏だった。
カタルーニャ北東部に本拠地をもつジローナは、今季のラ・リーガ最大のサプライズだ。FCバルセロナを下して一時単独首位にも立ったジローナは、年明けには強豪アトレティコ・マドリードとの上位対決も制し、首位レアル・マドリードと並ぶ勝ち点48でラ・リーガ前半戦を折り返した。
しばらく2部に降格していたジローナは2022-23シーズンから1部に復帰。それからわずか2季目であるにも関わらず、、首位争いまで窺うジローナの躍進は、完全に予想外のものだ。
だが、このサプライズは来シーズンのUEFAトーナメントで物議を醸し、マンチェスター・シティにも影響を与える可能性がある。
英紙『ザ・サン』オンライン版によると、現在のUEFA規則では、同じオーナーをもつ2つ以上のクラブが同大会に出場する資格がある場合、それぞれのリーグでより高い順位を獲得したチームのみがUEFAチャンピオンズリーグに出場できると規定されている。
これに従えば、順位の低い方のチームは自動的に次のランクの大会に移ることになる。つまり、シティとジローナのどちらかがチャンピオンズリーグの下位大会に位置付けられるUEFAヨーロッパリーグにまわることになるのだ。
現時点でマンチェスター・シティは勝ち点40でプレミアリーグ3位、ジローナは勝ち点48でラ・リーガ2位に位置している。
シティ・フットボール・グループの発足以来、グループが所有または提携しているクラブは世界13リーグにまたがって存在しているが、いまだ同じカップ戦に参戦したことはない。
マンチェスター・シティにとって幸運なことに、鍵を握るジローナについて、シティ・フットボール・グループが所有している株式は現在50%未満である。したがって、両クラブがそろってチャンピオンズリーグに出場することはいまのところ可能といえそうだ。
ジローナは昨シーズン、ヨーロッパリーグの下位大会として新設されたUEFAカンファレンスリーグ出場権を惜しくも逃した。しかし、ジローナは、将来的なUEFA主要大会への参戦を見据え、出場に必要なクラブライセンスをすでにUEFAに申請したようだ。
両クラブ間での選手の移籍については、UEFAが禁止を検討する可能性もあるだろう。しかし、現時点でUEFAは、複数クラブを所有する規則については、緩和を検討している。
『スポルティング』オンライン版によれば、UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長は「複数クラブの所有に対する関心はますます高まっており、投資や複数クラブの所有権をやみくもに拒否するべきではない」と語っている。
こうしたUEFAの見解により、マンチェスター・シティは来季チャンピオンズリーグ出場に向けたハードルをまたひとつクリアしたといえるのだろうか。それとも今後さらなる障害が立ちはだかるのだろうか。シティの活躍からまだまだ目が離せない。