メッシの新天地が決定：米インテル・マイアミへ

サッカー界の至宝リオネル・メッシのパリ・サンジェルマン退団、そして新天地について数か月前からうわさが飛び交っていたが、ついに7日、メッシは米国のインテル・マイアミに行く考えを明らかにした。

リオネル・メッシと妻アントネラ・ロクッツォはいずれもFCバルセロナへの復帰を願っていたが、契約締結にあたりクラブの財政問題がたちはだかった。

財政事情を原因として、FCバルセロナがクラブ史上最高の選手とみなすメッシとの契約を逃した機会は、2021年に続き2回目になる。スポーツ記者のギリェム・バラゲは 、「来季からラ・リーガで施行されるUEFAのファイナンシャル・フェアプレー規則により、メッシを取り戻す計画は不可能となった」と分析している。

FCバルセロナへの復帰をあきらめたメッシとその家族は、さまざまなオファーの中からインテル・マイアミを選んだ。主な理由のひとつに、メッシ一家がすでにマイアミに邸宅を構えていたことがあるだろう。

イギリスBBCが伝えるギリェム・バラゲ記者の記事によれば、アメリカへの移住はメッシに「サッカーの枠を超えたビッグブランドと取引する」機会をもたらすのだという。

ニュースサイト「The Athletic」によれば、現地ではMLSの全試合がApple TVで放送されており、メッシにはアップルのストリーミングサービス「MLSシーズンパス」の収益の一部が提供されるという。

インテル・マイアミのオーナー、デヴィッド・ベッカムがリオネル・メッシの獲得を狙っているという噂は以前から流れていた。今回ついに、その望みが叶えられたことになる。

近年、MLS は偉大な選手が華々しく引退を飾る場所として注目されている。そうした選手には先鞭をつけたデヴィッド・ベッカム、同じくイングランドのウェイン・ルーニー、スウェーデンのズラタン・イブラヒモビッチ、ウェールズのガレス・ベイルなどがいる。

メッシは2年前にFCバルセロナを退団しパリ・サンジェルマンに移籍した。パリでの2シーズンは最高のものだったとはいいがたく、初年度の得点数はわずか6にとどまっている。今季は16ゴール16アシストとパフォーマンスを向上させたメッシは、欧州よりも下位にある米国リーグでさらにパフォーマンスをあげることができるだろう。

ギリェム・バラゲ記者によれば、リオネル・メッシは「サウジアラビアのアル・ヒラルが提示した、インテル・マイアミよりもずっと魅力的なオファー」を断ったという。

メッシとPSGとの契約は6月30日までだったが前倒して退団を決定、最近記者会見で公表したばかりだった。なお、クリストフ・ガルティエ監督も離任が決まっている。

クリストフ・ガルティエ監督は会見の場で、「6月3日土曜の試合がメッシにとりパルク・デ・プランスにおける最終戦となる。温かいお別れとなることを願っている」とした。しかし、このホーム戦でPSGはクレルモンに2-3で敗北、メッシがファンを前にPSGのリーグ優勝を祝うこともなかった。

メッシとPSGの契約は今月末まであったにもかかわらず、しばらく前から両者の関係は破綻しているといわれ、そんな中で退団発表が前倒しされた。

数週間あるいは数か月にわたりPSGとメッシの間でコミュニケーションは途絶えがちとなり、契約延長あるいは新たな契約締結について合意に至ることができなかったとみられる。

2022年のW杯カタール大会で母国アルゼンチンを優勝に導いたメッシは、史上最高の選手の一人としてこれまで7回バロンドールを受賞している。インテル・マイアミ加入後に8度目の受賞をした場合、アメリカリーグに所属してバロンドールを受け取った最初の選手となるだろう。

ラジオ・マルカのインタビューに答えたFIFAの公認エージェントの一人であるマルコ・キルデミルによれば、「メッシがFCバルセロナに復帰することはない。ただし引退後に戻りたいとは考えているはずだ」とコメントしている。