メッシを獲得したインテル・マイアミ、リーグ下位に終わる
史上最高の選手とされるリオネル・メッシの獲得に成功、続いて元FCバルセロナ主将セルヒオ・ブスケッツ等とも大型契約を交わしたインテル・マイアミだが、今シーズンの成績はさんざんなものとなった。シーズン終了まで数試合を残し、プレーオフ進出の可能性を失ってしまったのである。
アルゼンチン代表で主将を務めるメッシがインテル・マイアミに入団したのは今年7月のこと。それに続きFCバルセロナ時代のチームメイトであるセルヒオ・ブスケッツとジョルディ・アルバが加入。しかしチームは米メジャーリーグサッカー(MLS)で順位を上げることができず、ついに今年のMLSカップでプレーオフ参加資格を逃してしまった。
メッシがインテル・マイアミに入団したのは、2月25日に今シーズンがスタートしてから約5か月後のことだった。世界を揺るがせた大型移籍から現在までメッシはリーグ戦11試合に出場、結果は4勝4敗3引き分けとなっている。
メッシが入団してからのインテル・マイアミの成績は次の通り:勝利試合はニューヨーク・レッドブルズ戦(0-2)、ロサンゼルスFC戦(1-3)、スポルティング・カンサスシティ戦(3-2)、トロントFC戦(4-0)、敗北を喫したのはセントルイス・シティSC戦(3-0)、アトランタ・ユナイテッド戦(5-2)、シカゴ・ファイアー戦(4-1)、FCシンシナティ戦(0-1)。そしてナッシュビル戦(0-0)、オーランド・シティSC戦(1-1)、ニューヨーク・シティFC戦(1-1)は引き分けに終わった。
ただしメッシは負傷のため戦列を離れ、前述の11試合のうち出場したのは5試合となっている。その5試合を通じて2アシストと1ゴールを記録したが、ゴールについては8月29日のニューヨーク・レッドブルズ戦で試合開始89分に、インテル・マイアミが0-1でリードする中で追加点を挙げたに過ぎない。
メッシ入団も起爆剤とならず、インテル・マイアミはシーズン終了を前にプレーオフ出場権を失い、リーグ制覇の可能性はゼロとなった。現在チームはイースタン・カンファレンスで15位中14位、消化試合数は33、内訳は4勝(すべてメッシ加入後の試合)、19敗、10引き分けとなっている。
世界の注目を浴びて米プロリーグに移籍したメッシだが、インテル加入から7戦目にあたる9月21日のトロント戦で負傷交代。前半37分でピッチを去ることとなった。
メッシはこのときの負傷により、つづく3試合を欠場。10月7日に行われたFCシンシナティで試合開始55分に交代で投入されたものの、目覚ましい活躍はできずチームは0-1で敗北した。
インテル・マイアミはその直前も4試合連続で敗北している。うち1試合はサッカーUSオープンカップ決勝のヒューストン・ダイナモ戦で、メッシは2アシストを挙げたがノーゴール。チームはわずか数日のうちに10月7日の試合を含め5連敗を喫した上、2つのタイトルを逃したことになる。
むろん低迷の原因をメッシ、あるいはほかの新戦力だけに帰すことはできない。加入した選手は新天地に慣れる時間を必要とする上、シーズン後半から順位を上げるのは決して簡単なことではないのだ。
とはいえ、MLS(米メジャーリーグ・サッカー)とリーガMX(メキシコ1部リーグ)に所属するクラブが戦うリーグスカップではインテル・マイアミは決勝に進出。ナッシュビルを下してみごと優勝を手に入れた。
リーグスカップの優勝により、インテル・マイアミは2018年の創立以来初めてとなるタイトルを手にした。また、今回の処理で3年ぶりに優勝杯が米国チームの手に戻ることになった。
7月から8月にかけて開催されたリーグスカップでメッシは入団直後から目覚ましい活躍を見せ、7試合を通じて10ゴールと1アシストを記録した。
リーグスカップ決勝ではメッシが先制点を上げたもののナッシュビルのファファ・ピコーが1点を返して試合はPK戦に突入。両チームとも5人中4人が成功したことからサドンデスとなったが、最終的にインテル・マイアミが優勝を決めた。
メッシは7月15日の加入から7試合で10得点という素晴らしいパフォーマンスをみせ、リーグスカップ2023の得点王に輝いた。ちなみに得点王2位となったのはミネソタ・ユナイテッドのFWで7得点。
米プロリーグにデビューしたメッシは新天地でもその輝かしい才能を発揮した。しかし、9月21日の負傷から長期離脱を強いられることに。
インテル・マイアミは今シーズンのプレーオフ出場権を逃しており、来シーズンは2024年2月にスタートすることからメッシは思わぬ「長期休暇」を手にすることになった。
次のシーズン開始までかなりの時間があることから、ほかの欧州出身の選手と同じくメッシもコンディション維持のために欧州クラブにレンタル移籍をするのではと噂されている。そうなれば、FCバルセロナでプレーする可能性もゼロではないだろう。
今シーズンのMLSをさんざんな結果で終えたインテル・マイアミは、マルティーノ監督の続投について検討を加えるほか、2025年まで契約を結んだメッシが継続を選ぶかあるいは新たな移籍先探しに乗り出すか、注視する必要があるだろう。
メッシに加え、ブスケッツやアルバといったスター選手を獲得したインテル・マイアミ、この機会に指導陣を刷新し、来シーズンは開幕時から華々しい活躍を見せてくれることを期待したい。