4年間の出場停止処分を言い渡されたユヴェントスのスター、ポール・ポグバ
イタリアメディアによると、ユヴェントスに所属する元フランス代表ポール・ポグバは、昨年ドーピング検査で陽性となり、禁止薬物使用で4年間の出場停止処分を受けたという。
イタリアの日刊紙『ラ・レプッブリカ』によれば、イタリア反ドーピング裁判所はポグバに対し、反ドーピング検察局が求めていた4年間の出場停止処分を決定した。
出場停止処分は、世界反ドーピング規定に基づき、競技能力を向上させる薬物を意図的に使用したスポーツ選手に課されるものだ。それに照らし合わせれば、ポグバに対する処分は妥当なものといえるだろう。
伊紙『ラ・レプッブリカ』によれば、司法取引に応じれば処分が2年に軽減される可能性があったものの、あくまで違反物質の摂取は故意ではないというポグバの主張に沿って、弁護人は司法取引をせずに潔白を強調したようだ。しかし、弁護側の主張は反ドーピング検察局には認められなかった。
ポグバとその弁護団は、検察の決定に対しスポーツ仲裁裁判所(CAS)に控訴するとみられている。
最初の出場停止処分を受けて、ポグバは陽性になったサンプルの再検査を要求。しかし、再検査でも陽性反応が出たとイタリアメディア『スカイスポーツ』は報じている。
まもなく31歳になるポグバは、4年間の出場停止処分後、たとえピッチに戻ったとしてもサッカー選手としてトップレベルに復帰するのは難しいかもしれない。
今回の出場停止処分は、サッカー界で最も市場価値の高い選手だったこともあるポグバにとって、栄光からの劇的な転落と言えるだろう。2018年にフランス代表でワールドカップ優勝の立役者になったが、マンチェスター・ユナイテッドでは不安定なパフォーマンスを見せ、ファンの怒りの矛先が向けられることもあった。
ポグバへの処分が正式に決定したいま、最初のドーピング検査陽性から現在までに起こった出来事を改めて時系列で振り返ってみよう。
イタリアメディア『スカイスポーツ』は、ユベントスのMFポール・ポグバがパフォーマンス向上薬の検査で陽性になったと報じた。
報道によると、ポグバはテストステロンの検査で陽性反応を示したという。テストステロンはサプリメントとして摂取すると体力や筋力を高め、パフォーマンスを向上させる効果がある。
ポグバは、2023年8月20日のユヴェントスの今季初戦ウディネーゼ戦後に抜き打ちのドーピング検査を受けた。
ポグバはそれ以前から怪我に悩まされており、ウディネーゼ戦には出場すらしていなかった。
ポグバは2023年9月に暫定的な出場停止処分を受けた。その後再検査が行われたが、そこでもテストステロンの陽性反応が出た。
処分を決める審議のなかで鍵となったのは、禁止された薬物の摂取が意図的だったかどうかだ。ポグバの弁護士は偶然によるものだと繰り返し主張し、「ポール・ポグバが意図的に規則を破ろうとしたことはあり得ない」と英紙『デイリー・ミラー』に答えている。
ワールドカップで栄冠をかかげたポグバだが、近年は調子を取り戻すのに苦労していた。 2022年7月に古巣ユヴェントスに戻ったが、怪我や出場停止によってそのキャリアを残念な形で終えようとしている。
『デイリー・ミラー』紙によれば、ユヴェントスはこの判決を受けてポグバとの契約を解除する予定だという。