ユーロ2024の決勝戦で、熱狂したスペインファンが「地震」を起こす
ユーロ2024の決勝戦でスペイン代表のニコ・ウィリアムズとミケル・オヤルサバルがゴールを決めた際、マドリードとバルセロナでは文字通り「地震」が発生したようだ。これはスペイン国立地理研究所(IGN)とカタルーニャ地図地質研究所(ICGC)が設置した地震計の記録によって判明したものだ。
スペインのウェブサイト「Xataka」によれば、地震計はマドリードとバルセロナの両方で、午後10時過ぎおよび午後10時45分頃に揺れを観測。2度ともスペイン代表がゴールを決めた瞬間だった。
西紙『El Periódico』によれば、バルセロナのサッカーファンは市内中心部のカタルーニャ広場に設置された大スクリーンで観戦していたが、地震計はここから400メートルほど離れた地点に設置されていたという。
一方、マドリードで揺れを観測した地震計は王立天文台に設置されているもので、ここから数キロメートル離れた場所にあるコロン広場では無数のサッカーファンが試合の行方を見守っていた。
また、揺れは試合終了後にも観測されている。地震学者のジョルディ・ディアス氏がウェブサイト「Xataka」に語ったところによれば、ユーロ2024制覇を祝うスペインファンが引き起こしたものだそうだ。
いずれにせよ、もっとも強い揺れはスペイン代表が決めた2本のシュートの瞬間に発生している。1本目は47分にニコ・ウィリアムズの先制点、2本目は86分にミケル・オヤルサバルが放った決勝ゴールだ。ただし、「Xataka」いわく、このようなケースは厳密な意味での「地震」とは異なるため、「揺れ」と呼ぶのが正しいとのこと。
『El Periódico』紙によれば、ラミン・ヤマルからボールを託されたウィリアムズがシュートを放つとマグニチュード1の揺れが発生。また、オヤルサバルのゴールではマグニチュード1~2に達したという。
画像:X @JDiazCusi
前出のディアス氏いわく:「地震計はとても感度の高い装置であり、地球の裏側の地震から近くの地面の小さな揺れまで観測することができます」しかし、ア・コルーニャ大学によれば、マグニチュード3.5未満の場合、地震計は揺れを捉えるが、人間が揺れを感じることはあまりないとのこと。
西紙『La Vanguardia』によれば、ディアス氏はバルセロナよりもマドリードの方が揺れが大きかったと指摘しているそうだ。揺れの大きさは地震計からの距離や集まった人々の数に依存する。同氏いわく:「揺れが地震によるものなのか、それとも、地震計のそばで1万人がジャンプしたせいなのかを突き止めるのが私たちの仕事です」
熱狂した人々が大地を揺らすのは、実はそれほど珍しいことではない。『El Periódico』紙によれば、米国ではテイラー・スウィフトがコンサートを行った際に、マグニチュード2.3の揺れが観測されたという。
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