リオネル・メッシに暴言を吐かせた男、ボウト・ベグホルストってだれ?
サッカーオランダ代表FW、ボウト・ベグホルストの名を聞いたことがあるだろうか。ベグホルストはリオネル・メッシの怒りを買い、注目を浴びることになった。
メッシを怒らせたボウト・ベグホルストとはいったいどんな選手なのだろう。昨年のW杯カタール大会準々決勝のオランダ対アルゼンチン戦で目覚ましい活躍をみせ、相手チームを苛立たせた。ベグホルストのキャリアと問題の試合を振り返ってみよう。
ベグホルストはオランダ北東部の町ボルネに生まれ、2012年、20歳の時にオランダのサッカー2部FCエメン(現在は1部)に加入。2年後にフリー移籍でオランダ1部エールディヴィジのはヘラクレス・アルメロと契約すると、FWとしてチームに貢献した。
2016年、ベグホルストは150万ユーロでオランダ1部のAZアルクマールへ移籍。AZアルクマールでは86試合に出場し、45得点を挙げた。
AZアルクマールでの活躍は国際市場でも注目され、2018年夏にドイツ2部のVfLヴォルフスブルクからオファーを受け、移籍金1,050万ユーロでブンデスリーガでデビューを果たす。
ベグホルストはブンデスリーガでもFWとしての才能をいかんなく発揮、4年間で144試合に出場、70得点を挙げる活躍でドイツの観衆を魅了した。
2022年1月、プレミアリーグのバーンリーFCに移籍。しかしドイツのAZアルクマール時代ほど輝かしい成績を挙げられず、チームも2部に降格してしまう。
バーンリーFCへの移籍から半年後の2022年7月、ベグホルストはトルコリーグのベシクタシュJKに2022-23シーズン終了までのレンタル移籍となる。
同年11月、ベグホルストはカタールで開催されたFIFAサッカーW杯でオランダ代表に招集された。
オランダ代表はカタール大会のグループリーグを難なく突破。ベグホルストはベンチスタートを余儀なくされていたものの、決勝リーグで輝きを放つことになる。
オランダ代表は準々決勝でリオネル・メッシ率いるアルゼンチン代表と対決。悲願のW杯制覇を目指すメッシとの対決は人々の注目を集めていた。実際、アルゼンチンは前半と後半にナウエル・モリーナとメッシがそれぞれ得点し、2-0とリード。しかし、ベグホルストもオランダ代表も勝利をあきらめていなかった。
ベンチスタートだったベグホルストは後半に投入され、その直後にヘディングシュートを決めてアルゼンチンとの差を縮めた。さらにアディショナルタイムにもゴールを決めたことで試合は延長戦に突入。メッシが怒り心頭に発したことは想像に難くない。
延長戦では両チームとも得点を挙げることができず、試合はPK戦へ。最終的にPKスコアは4-3でアルゼンチンが準決勝進出を決め、オランダ代表のルイス・ファンハール監督、そしてベグホルストも肩を落とした。
オランダとの激戦を制し、自身初のW杯制覇にさらに一歩近づいたメッシは試合後の会見でも満足そうな表情を浮かべていた。しかし、ベグホルストと目が合った瞬間、思わず暴言を吐いたのだ。
メッシはベグホルストに対し、「何を見ているんだ、ボボ(まぬけ)」と言い放ったのだ。
メッシがアルゼンチン人ジャーナリストのアンディ・クスネツォフに語ったことによれば、ベグホルストに対する暴言は思わず口をついて出てものだという。「緊張が高まった瞬間だった。あっという間の出来事で考えを巡らす余裕はなかった。計画的なものではなく思わず口をついて出た言葉で、決して意図したものじゃない」
2022年W杯後にトルコリーグのベシクタシュJKに戻ったベグホルストは、契約終了前の2023年1月にプレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドFCへローン移籍が決定。
しかしマンチェスター・ユナイテッドFCでの成績はわずか2得点にとどまった。シーズン終了後に同じプレミアリーグのバーンリーFCに復帰したが、すぐにドイツのTSG1899ホッフェンハイムへのローン移籍が発表された。期間は2023‐24シーズン終了までとなっている。
リオネル・メッシを激怒させた男、ボウト・ベグホルストは今後どこで活躍を続けるのだろうか。しばらくは彼から目が離せない。