リオ五輪金のトーリ・ボウイ選手(32)急逝に関する新たな情報
5月3日、マネージメント会社「Icon Management」がソーシャルメディアを通じ、2016年リオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得したトーリ・ボウイ選手の訃報を伝えた。多くの人々が悲しみに沈む中、新たな情報が明らかにされた。
『デイリー・メール』紙によれば、フロリダ州の自宅で亡くなっているのを発見されたトーリ・ボウイ選手は、妊娠7か月もしくは8か月だったというのだ。
さらに『デイリーメール』紙によれば、ボウイ選手の自宅は過去2年間にわたり何度も差し押さえ寸前になっていたほか、同紙が入手した裁判資料によれば邸宅の評価額は50万ドルで、ボウイ選手には住宅所有者協会に対し2万2千ドルの負債があったという。
ボウイ選手は亡くなる前の数か月にあわたり、不安定な行動をとっていたことも『デイリーメール』紙は伝えている。
近隣住民によれば、ボウイ選手は隣家に卵を投げつけたり、夜中に大声を出したり、さらには通りに出てナイフを片手にパートナーに向かって怒鳴り声を上げたりしていたという。
また、最近数か月にわたり、トーリ・ボウイ選手の自宅の窓やドアはよくあけっぱなしになっていたという目撃証言も寄せられている。
マネージメント会社「Icon Management」は、「トーリ・ボウイ選手の逝去というきわめて悲しいニュースをお伝えしなければなりません。クライアントであると同時に親愛なる友人、そして娘や妹のような存在だった彼女を失い、大きな衝撃を受けています」とソーシャルメディアにつづっている。
写真: Twitter - Icon Management
「トーリはチャンピオンでした…... 明るい輝きを放つかがり火のような存在でした。みな悲嘆に暮れ、彼女の家族や友人とともに祈りを捧げています」
トーリ・ボウイ選手は2016年にリオデジャネイロで開催されたオリンピックに米国選手団の一人として参加、4×100mリレーで金メダル、100mで銀メダル、200mで銅メダル獲得という快挙を果たした。さらに、翌年にロンドンで開催された第16回世界陸上選手権では女子100mで優勝している。
トーリ・ボウイ選手の家族は、数日前から同選手と連絡が取れないとして警察に通報を行った。これを受けてフロリダ州オレンジ郡保安官事務所は5月2日にトーリ・ボウイ選手の住まい周辺を見回ったものの、反応がないことから鍵を開けて家に入り、同選手の遺体を発見した。
警察によれば、現場に荒れされた様子はなく事件性を示すものはないという。ただし、当局による検死の結果が出るまでは事実関係は調査中とされている、と『TMZ』が報じた。
ニュースサイト『TMZ Sports』が入手した情報によれば、トーリ・ボウイ選手は重度のうつ病に悩んでいたという。
トーリ・ボウイ選手は2022年6月4日にフロリダで行われた陸上大会に出場、200mで5位に終わって以来、公式戦に出場していなかった。
その前年に開催された東京オリンピックの代表選抜戦にも参加していなかった。
トーリ・ボウイ選手が最後に出場した大きな大会は、2019年秋にカタールのドーハで開催された世界陸上。走り幅跳びで6.81mを記録し、惜しくもメダルを逃す4位となった。
2016年リオ五輪で金メダルに輝いた種目、女子100mでは予選3位に終わり準決勝進出は果たせなかった。
トーリ・ボウイ選手はフィールドでのパフォーマンスに加え、ファッションモデルとしても活躍していた。ヴァレンティノのキャンペーンや スポーツマガジン『ESPN The Magazine』誌に登場するなど、米国オリンピック選手団の中でももっとも有名なアスリートの一人だった。
男子200mで2度の世界制覇を達成した米国出身のノア・ライルズ選手は、ソーシャルネットワークを通じてトーリ・ボウイ選手に哀悼の意を捧げた。一方、トーリ選手自身は東京五輪出場の可能性をまだ残していたでであろう2019年からソーシャルネットワークを更新していなかった。トーリ・ボウイ選手の冥福を祈る。