プレミアリーグ・リヴァプールの遠藤航の去就問題:今冬に移籍か?
プレミアリーグの名門、リヴァプールで活躍する日本代表MF遠藤航。しかし、今季アルネ・スロット新監督が就任してから思うように出場時間を得られず、冬の移籍市場で新天地を求めるのではないかと噂されている。ここでは、遠藤航がチームで置かれた現状と、冬の移籍の可能性について見ていこう。
スロット新監督の元でUEFAチャンピオンズリーグのグループステージ、英プレミアリーグでともに首位にたつなど絶好調のリヴァプール。しかし、そのなかで遠藤航は今季リーグ戦、UEFAチャンピオンズリーグともにスタメン出場は一度もなく、途中出場が多くなっている。サッカー専門サイト「トランスファーマルクト」のデータによれば、ここまでわずか9試合(167分)の出場にとどまっており、監督の信頼を掴みきれていないようだ。
このような遠藤の状況を見て、いくつかのチームが冬の移籍市場での獲得を検討しているという。現在までに、プレミアリーグのウォルヴァー・ハンプトンや、前田大然らも所属するスコットランドの名門セルティック、セリエAの強豪ACミランなどのチームが遠藤の獲得に興味を示しているようだ。
遠藤航の出場時間が短くなっている背景には、ポジションを争うライアン・フラーフェンベルフの好調がある。今夏バイエルン・ミュンヘンから加入した同選手は、守備だけでなく、長短のパスやプレス回避を得意とする万能型のミッドフィールダー。この特徴がスロット監督の目指すサッカーにマッチしていたことで、現在ではチームの絶対的主力に定着。
フラーフェンベルフの活躍もあり、チームは好調を維持。第13節ではライバルのマンチェスター・シティに直接対決で勝利し(2-0)、プレミアリーグ単独首位に立っている。UEFAチャンピオンズリーグも5戦全勝でグループステージ首位を維持しており、この調子で勝ち点を重ねれば次のラウンドへの進出は間違いないだろう。
去就問題がささやかれる遠藤だが、与えられた出場機会を活かすべく、日々トレーニングに励み、自らのパフォーマンスに集中している。EFLカップでは2試合とも先発出場しており、今後もさらなる過密日程が予想されることで、アピールを続ければ確実に出番は回ってくるだろう。
遠藤は12月4日、自身のポッドキャスト番組『RED MACHINE The WATARU ENDO PODCAST』のなかで英語でインタビューに答え、現在の状況についてスロット監督と直接コミュニケーションをとったと明かしている。スロット監督は遠藤に対し、「全員を戦力だと考えている」と直接伝えたという。遠藤自身、リヴァプールでプレーすることは「簡単ではない」と語り、自身の置かれた現状に一定の理解を示した。
2023年にリヴァプールに移籍する以前には、ドイツのVfBシュトゥットガルトで4シーズンにわたってプレー。守備的ミッドフィールダーとして圧倒的な対人能力の高さを見せ、2020/21シーズンにはリーグ最多のデュエル勝利数を記録。ブンデスリーガのベストイレブンにも選出された。このような活躍が認められ、2023年夏にリヴァプールに完全移籍を果たした。
当時、遠藤航の獲得を強く要望していたのがユルゲン・クロップ前監督だったという。同監督は、遠藤航に絶大な信頼を寄せており、2023/24シーズンには遠藤をチームの主軸に据えた。「トランスファーマルクト」によれば、昨季の遠藤はリーグ戦29試合に出場し、そのうち20試合に先発。監督からの強い信頼が伺える。しかし、そのクロップ監督は昨季限りで惜しまれながら退任。結果的に遠藤にとって今季は苦しいシーズンとなっている。
今冬の移籍市場は2025年1月からスタート。遠藤航自身はリヴァプールでのチャレンジを続ける姿勢を見せているが、好条件のオファーが届けばチームが放出を検討する可能性はある。遠藤航の去就から眼が離せない。