リヴァプールを辞したユルゲン・クロップ監督：レッドブルのグローバル・サッカー責任者に就任

リヴァプールに栄光をもたらしたユルゲン・クロップ監督

プレミアリーグのリヴァプールで長年指揮を執ったユルゲン・クロップは、今年リヴァプールを辞任して以降フリーとなっていたが、新たな立場でサッカーの現場に復帰することが決まった。

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レッドブルグループのグローバル・フットボール責任者に

英紙『ザ・サン』によると、クロップはレッドブルグループのグローバル・フットボール責任者を務めることになったという。両者は2025年1月1日から長期契約を結ぶ予定だ。

グループの全チームにアドバイスする立場

レッドブルグループは、RBライプツィヒ、RBザルツブルク、ニューヨーク・レッドブルズ、大宮アルディージャといった多数のクラブを傘下にもつ。クロップは、これらの全チームにアドバイスする役割を担うようだ。

グループのなかでさまざまな役割を担う

クロップは監督人事や移籍について助言するほか、若手選手の育成や戦術面の向上にも携わる。また契約には、クロップがドイツ代表監督に就任する場合、レッドブルとの契約を短縮できるという条項が含まれることになるという。

リヴァプールとの別れ

クロップ退任は、リヴァプールファンにとって辛い出来事だっただろう。2023/24シーズンが終了する2024年1月にチームを去るとクロップが発表したときには、本拠地アンフィールドは悲しみに包まれた。

「今シーズン終了後にクラブを去ります」

退任発表に際して、クロップはリヴァプールの公式SNSに2分間の動画を投稿。「今シーズン終了後にクラブを去ります」と自ら語った。

写真：Twitter - @LFC

リヴァプールに関わる全てに心から愛情をもっている

動画のなかでクロップは、リヴァプールという街や、クラブに関わる全てに心から愛情をもっていると語った。それでも退任を決意した理由をクロップは次のように語った。

エネルギーがなくなりかけている

「どう言えばいいかな、エネルギーが尽きかけているんだ。今はまだ大丈夫だけれど、もちろん、いつかは退任の時が来ることは前から分かっていた。たしかに今は大きな問題はない。ただ、この仕事を永遠にやり続けることはできないと自分でもわかっている」

ティエリ・アンリがクロップ退任の理由について語る

フランスサッカー界のレジェンドであるティエリ・アンリは、クロップ退任について米「CBSスポーツ」に語った。「監督は激務だが、誰もそれを気にかけてくれる人はいない。それでも、自分を大切にすべきときが来るんだ。ファンや関係者、ジャーナリストの立場は理解できるが、プレミアリーグやリヴァプールのことだけを気にして、クロップ自身のことを忘れてはいけないと思う」

「クロップはプライベートの時間を大切にしたいと思っていたはず」

「もちろん、リーグやリヴァプールにとっては損失だろう。しかし、クロップは家族と過ごす時間や、自分の時間を大切にしたいとも思っていたはずだ。その知らせを聞いたとき、『彼にとっては最良の決断だった』と思ったよ」とアンリは語った。

リヴァプールでは9年間にわたって指揮を執る

クラブ首脳陣や選手との関係に問題はなく、クロップがクラブを去る必要はなかった。それでも世代交代すべきときという考えは固く、9年間の指揮に自ら幕を降ろした。

リヴァプールで一時代を築いた

クロップのリヴァプールでの9年間は輝かしいものであり、クラブの長い歴史のなかでも、最も成功した時代の一つと言えるだろう。

名門クラブの復権に成功

クロップが指揮を執った期間、チームはプレミアリーグ、UEFAチャンピオンズリーグ、クラブワールドカップといった数々の大会で優勝。しかし、その最大の功績は、低迷に悩んでいたクラブを世界的強豪に復権させたことだろう。

退任発表当時はリーグ首位だった

退任発表時点、リヴァプールはマンチェスター・シティやアーセナルといったライバルを上回り、プレミアリーグで首位に立っていた。さらに、シーズン終盤には、チェルシーを破ってリーグカップを制覇している。

人格面でも尊敬を集める

クロップのダイナミックで攻撃的なサッカーは、リヴァプールのファンのみならず全世界のサッカーファンを魅了。監督自身もイングランドサッカー界で愛される存在となり、寛大な性格と強い信念は、監督の手腕を超えて人格面でも大きな尊敬を集めた。