ルイス・ハミルトンづくし:7回のF1ワールドチャンピオンをランキングで
サー・ルイス・ハミルトンは、自動車レースのファンの間で、史上最高のF1ドライバーとみなされている。彼はF1世界選手権において、これまで7回、ドライバーズ・チャンピオンのタイトルを獲得している。
もうじき次のF1の季節が始まろうとしている。果たしてルイス・ハミルトンは来季8回目の王者に輝き、ミハエル・シューマッハの記録を越えることはできるだろうか?
この記事では過去を振り返り、彼がドライバーズチャンピオンに輝いた7回の世界選手権を、そのインパクトの順に見ていこう。
それ以前のシーズンは、ニコ・ロズベルグがハミルトンとほぼ互角にわたりあっていた。だが、2015年の世界選手権はルイス・ハミルトンのひとり舞台だった。彼をおびやかすライバルはいないも同然だったのである。
フェラーリの新人ドライバー、セバスチャン・ベッテルは、慣れないマシンでまだ地に足がつかず、ハミルトンの脅威とはならなかった。ハミルトンは10勝をおさめ、最後の3戦を残してワールドチャンピオンを獲得する。
2019年もハミルトンのひとり舞台で、最後の2戦を残してワールドチャンピオンを獲得した。この年はライバルのフェラーリ勢が不正なエンジンを使っていたという疑惑があり、ハミルトンのタイトル獲得はなおさら意義深いものだった。
疑惑のエンジンを搭載したフェラーリ勢に予選でおされ、メルセデス勢のハミルトンは5回しかポールポジションを獲ることができなかった。にもかかわらず、堂々たるレース運びで11勝をおさめ、通算6度目となるワールドチャンピオン獲得を果たしたのだ。
2020年のF1世界選手権は、現在のワールドチャンピオン、マックス・フェルスタッペンがトップドライバーとして開花しはじめたシーズンだった。
チームメイトのバルテリ・ボッタス、勢いのあるマックス・フェルスタッペンといった好敵手が揃うなか、ハミルトンはふたたび冴えわたるレースを繰り広げて11勝をおさめ、ミハエル・シューマッハに並ぶ7度目のタイトルを獲得した。
エンジンが2.4リッターV8から1.6リッターV6に小型化された2014年は、この変化にうまく対応したメルセデスのチームが優位に立った。ルイス・ハミルトンはチームメイトのニコ・ロズベルグと最後の最後まで死闘を演じることになった。
ポール獲得数はハミルトンの7回に対してロズベルグは11回。レースを有利に開始したのはロズベルグのほうだったが、ロズベルグの5勝に対してハミルトンは11勝をあげ、ハミルトンはぎりぎりのところでチャンピオンシップを制した。
ロズベルグの後任としてウィリアムズからバルテリ・ボッタスが加入し、メルセデス内にハミルトンの脅威はいなくなった。だが、フェラーリのセバスチャン・ベッテルが台頭しつつあった。
前年にタイトルを奪われて悔しい思いをしていたハミルトンは、2017年に最高の復活を遂げる。メルセデスのマシンをてなずけた彼は、ラスト9戦を走って5勝をもぎとり、タイトルをふたたび我がものにしたのだ。
ルイス・ハミルトンが制した2018年ワールドチャンピオンシップは、その内容からいって、F1史上最も偉大なタイトルのひとつに数えられるものだった。このシーズンは彼の力量とマシンのパフォーマンスが、どちらも存分に発揮された。
ハミルトンはこのシーズン、11勝をあげた。おおむねずっと優勢だったが、なんといっても不利な状況から繰り出される、ずば抜けたマシンさばきが印象的だった。イタリアGPとロシアGPでフェラーリのドライバーたちを黙らせた伝説的なドライビングにはあらゆる人々が喝采を送った。
2008年のハミルトンはまだピークに達していない。だが、荒削りながら23歳の若さで勝利をつかんだその才能に注目し、この年をハミルトン史上最高のワールドチャンピオン獲得シーズンとして推したい。
2008年はハミルトンのミスが目立つシーズンだった。しかし、イギリスGPとドイツGPでのすばらしい勝利や、他の3つのグランプリでの優勝もあり、ハミルトンはとことんまで張り合ったフェラーリのフェリペ・マッサに最後1ポイント差で勝り、史上最年少でワールドチャンピオンを獲得した。