レアル・マドリードに移籍したエムバペはスペイン語もペラペラ
1995年のボスマン判決以来、EU域内のクラブでは国境を越えた選手の移籍が一般化しているが、こういったケースでは新天地での言語習得が不可欠となる。しかし、レアル・マドリードに移籍したキリアン・エムバペの場合、その心配は無用だという。
フランス出身のエムバペだが、実はすでにスペイン語をマスターしているのだ。しかも、日常会話に困らないというレベルではなく、自分の考えをスペイン語できちんと伝えることができるのだそうだ。
実際、これまでにもメディアやSNS上でスペイン語を流暢に操る姿を披露してきた。なにしろ、ASモナコに所属していた15歳のころに勉強しはじめたというのだから、うまいはずである。
フランスの学校ではスペイン語の授業があるため、エムバペにとってなじみのある言語だったはずだ。しかし、クリスティアーノ・ロナウドのファンだったエムバペはその所属クラブ、レアル・マドリードへの憧れを募らせ、ASモナコのアカデミーでスペイン語の特訓を始めたのだ。
2019年12月20日、ASモナコは21歳を迎えるエムバペの誕生日を祝うため、YouTubeチャンネルに動画を公開したが、そこにはスペイン語の個別指導を受ける様子が映っていた。エムバペは流暢なスペイン語で 「エラスムス・プログラムに参加する学生にとって、スペインはノルウェーを除くすべてのヨーロッパ諸国から人気の留学先となっています」と話していた。
Amazonプライムによるインタビューの中で、エムバペは「私はスペイン語がかなり上手です。というのも、昔から偉大なサッカー選手として、有名になりたいと思っていたからです。だって、国際的なスターを目指すのに、フランス語しか話せなくては意味がないでしょう? スペインに行ったときにスペイン語が話せるなら、その方がよいのです」とコメント。
そして、PSG時代の2022年2月には、チャンピオンズリーグでレアル・マドリードと対戦。試合後にスペインメディアの前でスペイン語でコメントし、周囲を驚かせた。いわく:「世界屈指のクラブでプレーしているという自覚はあります。今シーズンの残りも全力を出しますよ。でも、先のことはわかりません」
また、2021年にはガンを患うペルー人の少年とビデオ通話をしたが、2人の会話はもちろん、スペイン語で行われた。ファンという名のこの少年はニューヨークで治療を受けており、憧れのエムバペにいつか会いたいと語っていた。
さらに、チャンピオンズリーグで何度もPSGと対戦しているFCバルセロナの選手たちも、エムバペのスペイン語が良くも悪くも堂に入っていることを思い知ったはずだ。とくに、ピッチ上で口論となったジョルディ・アルバなどは、エムバペから「表に出ろ、ぶっ飛ばしてやる」とスペイン語で罵られたことがあるのだ。
その一方で、PSGのチームメイトだったアクラフ・ハキミやセルヒオ・ラモス、リオネル・メッシなど、スペイン語圏出身の選手たちはエムバペのスペイン語習得を手伝っていたようだ。
さらに、J・バルヴィンをはじめとするラテン音楽のスターたちとスペイン語でインスタライブを配信するなど、サッカー以外の場面でも語学力を見せつけている。
エムバペはフランス語とスペイン語に加えて英語もできるため、さまざまな国や地域から集まったチームメイトや監督と容易にコミュニケーションをとることができる。新天地レアル・マドリードでもすぐに打ち解け、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれることだろう。