レアル・マドリードで活躍するMFカマヴィンガ:難民キャンプからトップアスリートへ

人生の波乱を乗り越えてきたアスリート
過酷な幼少期
難民キャンプへの避難
内戦が終結したばかりのアンゴラ
フランスに移住
フランス国籍を取得
経済・社会系のバカロレア取得
自宅の火災
信じがたい事件
「初めて父が泣くのを見た」
打たれ強くなったカマヴィンガ
「今の私があるのは事件のおかげ」
16歳でプロデビュー
数々の最年少記録
スタッド・レンヌ時代の活躍
レアル・マドリードに移籍
「謙虚な努力家」
家族の希望であり続けるというプレッシャー
レアル・マドリードとフランス代表の要として
引く手あまたで市場価値が急上昇
お手本のような半生
人生の波乱を乗り越えてきたアスリート

トップリーグの選手たちはスターとしてもてはやされているが、その人生は十人十色。中には過酷な環境を克服し、スポーツの道で成功を掴んだ選手たちもいるのだ。レアル・マドリードで活躍しているエドゥアルド・カマヴィンガは、その最たる例といえるだろう。

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過酷な幼少期

いまでこそレアル・マドリードのミッドフィールダーとして存在感を発揮するカマヴィンガだが、幼少期は過酷そのものだった。

 

難民キャンプへの避難

両親のセレスティーノとソフィアはコンゴ民主共和国の出身だが、第二次コンゴ戦争の勃発を受けて隣国アンゴラの難民キャンプに避難しており、エドゥアルド・カマヴィンガはここで2002年11月10日に誕生したのだ。

 

内戦が終結したばかりのアンゴラ

アンゴラではそのころ、1975年から続いた内戦が集結したばかりだった。しかし、各勢力の武装解除や難民への対応などに2006年までかかったため、カマヴィンガ一家はしばらくの間、難民キャンプでの生活を余儀なくされてしまった。

フランスに移住

このような状況の中、両親はフランス移住を決断。6人の子供たちを連れてリールにやって来たが、その後、ブルターニュ地方のフージェールに落ち着くこととなった。エドゥアルド・カマヴィンガはここで子供時代を送り、サッカーにのめりこんでゆく。

 

 

フランス国籍を取得

しかし、カマヴィンガにフランス国籍が与えられたのは2019年11月4日、17歳を迎えようとする頃だった。この日、カマヴィンガは家族と共に晴れてフランス人となったのだ。

経済・社会系のバカロレア取得

サッカーに取り組むと同時に勉学にも励んだカマヴィンガ。レンヌのアカデミーではバカロレア(経済・社会系)を取得している。

自宅の火災

カマヴィンガのキャリアを語る上で欠かせないのは、彼が11歳のときに直面した自宅の火災だろう。スペインのTV局「Movister Plus+」によるインタビューの中で、カマヴィンガはこの出来事について次のように語っている。

信じがたい事件

「そのとき、私は学校にいました。消防車が学校のそばを通り過ぎるのが見えましたが、まさか自分の家で何かあったとは思いもしませんでした。先生に家が火事になったと伝えられても、最初は信じられませんでしたよ」

 

「初めて父が泣くのを見た」

しかし、カマヴィンガの自宅は本当に炎に包まれてしまっていた。これは両親にとってとりわけ絶望的な事件であり、カマヴィンガ本人もインタビューの中で「初めて父が泣くのを見ました」と語っているほどだ。

打たれ強くなったカマヴィンガ

ところが、この逆境でカマヴィンガは打たれ強くなり、家族から頼りにされる存在に。父親は涙ながらに、カマヴィンガがサッカーをしていることで「家族も勇気づけられる」と語ったそうだ。

 

「今の私があるのは事件のおかげ」

カマヴィンガはさらに、「今となってはこの事件も人生の一部であり、今の私があるのはそのおかげだと思います」と語っている。

 

16歳でプロデビュー

2019年4月6日、わずか16歳でスタッド・レンヌに入団しプロデビューを果たしたカマヴィンガ。今では押しも押されもせぬ世界的なスター選手に成長し、一家の夢は現実のものとなった。

数々の最年少記録

こうして、カマヴィンガはスタッド・レンヌ史上最年少の選手となったわけだが、2002年生まれの選手が欧州のトップリーグでデビューしたのは彼がはじめてだ。さらに、リーグ・アンの月間最優秀選手に最年少で選ばれたほか、フランス代表チームでも最年少でゴールを決めている。さらに言えば、フランス代表の選手としては過去50年間で最年少だ。

 

 

スタッド・レンヌ時代の活躍

4シーズンをフランスで過ごしたカマヴィンガはスタッド・レンヌの選手として、リーグ・アンやヨーロッパリーグの公式戦88試合に出場。2ゴール4アシストを挙げたが、この記録はレアル・マドリード移籍後にたちまち塗り替えられることとなる。

レアル・マドリードに移籍

スタッド・レンヌで確かな実力を披露したことで、注目の若手選手となったカマヴィンガ。そんな中、レアル・マドリードが2021-2022シーズンに向け、まだ19歳のカマヴィンガとの契約を勝ち取る。

 

 

「謙虚な努力家」

若手でありながらこれほどまでに大活躍しているのは、カマヴィンガの人柄によるところが大きい。実際、レアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長はカマヴィンガの入団に際して、「謙虚な努力家」という人物評を述べている。

家族の希望であり続けるというプレッシャー

しかし、努力家のカマヴィンガをもってしても成功への道のりは平たんなものではなかった。さらに、サッカーを通じて家族の希望であり続けるというプレッシャーもあったのだ。

 

レアル・マドリードとフランス代表の要として

20歳の若さでレアル・マドリードとフランス代表チームの要となったカマヴィンガは、いまや選手としてもっとも脂がのる時期に差し掛かっており、さらなる快進撃が期待されている。

 

引く手あまたで市場価値が急上昇

サッカー選手の移籍に関するニュースを専門に扱うサイト「Transfermakt」によれば、カマヴィンガの市場価値はレアル・マドリード移籍当時の3,100万ユーロ(およそ51億円)から9,000万ユーロ(およそ148億円)まで急上昇。まだまだ進化の余地が残されていることもあって、世界中のクラブから引く手あまたの人気者となっている。

お手本のような半生

エドゥアルド・カマヴィンガのサクセスストーリーは、逆境に見舞われても挫けることなく挑戦を続ければ、きっと夢を叶えることができるという、努力家のお手本だと言える。

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