三男ジュリアーノが大ブレイク:ディエゴ・シメオネ監督と3人の息子たちに迫る
2024/25シーズンのラ・リーガも折り返し地点を迎え、第19節終了時点ではアトレティコ・マドリードが首位に立った。公式戦クラブ最多の14連勝、リーグ戦でも8連勝と驚異的な強さを見せるアトレティコだが、その躍進の原動力となっているのがディエゴ・シメオネ監督の三男ジュリアーノ・シメオネだ。ここでは三男ジュリアーノを中心に、サッカー選手として活躍するシメオネ三兄弟について見ていこう。
現在22歳で、アトレティコ・マドリードの下部組織出身のジュリアーノ・シメオネは、レンタル移籍していたアラベスから今季アトレティコに復帰。徐々に出番を増やし、ベティスに敗れた第11節を転機にスタメンに定着した。右のサイドハーフとして爆発的なスピードと父親譲りの闘志を見せ、第12節以降チームは連勝を続けている。
第12節ラス・パルマス戦では、アトレティコのトップチームでの初ゴールを記録。そのスピードを活かして右サイドで抜け出し、ゴール左隅を撃ち抜いた。
チームでの勢いそのままに、ジュリアーノは2024年11月にはアルゼンチン代表でA代表デビュー。2026年北中米W杯の南米予選ペルー戦で、後半途中からフォワードとして出場。かつて父もプレーしたアルゼンチン代表での一歩を踏み出した。
14年間にわたりアトレティコを率いているディエゴ・シメオネ監督は、あくまで息子としてではなく選手として信頼していると強調。米放送局「テレムンド」のインタビューに対し、練習場で息子として扱うことは決してしないと明かし、「私が望んでいるのは勝利で、名字がシメオネだろうが、ペレスだろうが、本当にどうでもいい」と語った。
実はディエゴ・シメオネ監督の3人の息子たちは、ジュリアーノ以外もプロサッカー選手として活躍している。長男ジョバンニは母国の強豪リーベル・プレートの下部組織で育ち、イタリアに移籍。フィオレンティーナ、カリアリ、ヴェローナなどでプレーし、2022年からはセリエAの名門ナポリでプレーしている。
現在29歳のジョバンニは、主にセンターフォワードとしてプレー。途中出場が多いながらも印象的な活躍を見せ、スーパーサブとして勝負強さを発揮。UEFAチャンピオンズリーグでは、通算13試合に出場し5得点を記録しており、決定力の高さを見せている。また、アルゼンチン代表としてもA代表での出場経験があり、親善試合で1ゴールを記録している。
次男のジャンルカ・シメオネ(写真左)は、長男ジョバンニ同様、リーベル・プレートの下部組織出身。現在26歳のジャンルカは、今季スペイン4部のCFラージョ・マハダオンダに移籍。兄同様、センターフォワードとしてプレーしている。
ジャンルカは昨季までスペイン4部に相当するセグンダ・ディヴィジオンのCDトゥデラーノに所属。29試合に出場して、9ゴールを記録していた。今季は16試合に出場し、すでに5ゴールを記録している。このままの調子で活躍を続ければ、今季終了後にステップアップ移籍を果たす可能性もある。これまでスペイン3部のイビサや2部ヘレスといったクラブを渡り歩いてきたジャンルカだが、ラ・リーガ1部(プリメーラ)でそのプレーを見ることができる日も遠くはないかもしれない。
サッカー選手としてそれぞれの道を歩くディエゴ・シメオネの3人の息子たち。そのなかでも今季大ブレイクを果たしたジュリアーノは、シーズン後半戦は父ディエゴと共にラ・リーガ優勝を目指すことになる。バルセロナやレアル・マドリードといった強力なライバルも立ちはだかるなか、シメオネ父子の共闘に注目が集まる。