世紀のボクサー、マイク・タイソンの破天荒な人生:妻への嫉妬事件から「耳噛み」騒動まで

名ボクサー、マイク・タイソン
『真相 - マイク・タイソン自伝』
自宅を半焼させた子供時代
ゴリラとの一戦を申し込む
マイケル・ジャクソンは嫌い
本当に知らなかった?
マイケル・ジョーダンと鉢合わせ
ロビン・ギヴンス
ブラッド・ピットとも鉢合わせ
「恨んではいない」
マリファナで月4万ドルの出費
薬物検査をくぐり抜ける
尿を入れていたものは
パーティ意欲が戦意をくじく
「世紀の番狂わせ」で敗北
3頭のベンガルトラ
トラの噛みつき事件と補償
暴行事件で収監される
飲酒運転と警官のサポート
砂漠の幻覚剤との出会い
カエルの毒で人生に開眼
「世紀の噛みつき」事件
ホリフィールドに怒った原因
謝罪と友情
名ボクサー、マイク・タイソン

歴史に名を刻んだマイク・タイソン、その理由は2つある。1つめは、史上最高のボクサーのひとりとなったこと。もう1つは仕事とプライベートの両方にわたる荒唐無稽なエピソードの数々である。中には都市伝説もあるかもしれないが、むかしから「煙のないところに火はたたぬ」ともいう。

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『真相 - マイク・タイソン自伝』

マイク・タイソンは2013年、『真相 - マイク・タイソン自伝』を発表。世界各国で大きな反響を呼んだ本書を通じ、タイソンは驚くべきエピソードの数々を告白している。

自宅を半焼させた子供時代

タイソンの実兄ロドニーは幼い頃から化学に関心があり、部屋には試験管が並んでいたという。ある日、タイソンが兄の部屋に入り込み、そこにあった化学物質を混ぜ合わせた。すると爆発が起きて部屋は吹き飛び、そこから生じた火事で自宅が半焼したと語っている。

ゴリラとの一戦を申し込む

1980年代、全盛期にあったタイソンはニューヨーク動物園を訪れ、1万ドル払うから檻の中のゴリラと戦ってみたいと申し入れた。『ザ・サン』紙によれば、飼育係はタイソンのためを思ってこの申し出を断ったという。あるいはゴリラのためを思ってか。

 

マイケル・ジャクソンは嫌い

タイソン自身がポッドキャスト「Hotboxin」で明かしたエピソードによれば、ある日、ボクシング興行主であるドン・キングの紹介で、タイソンはマイケル・ジャクソンに会うことができた。しかし、相手はタイソンのことを知らなかったため「自尊心が粉々に砕かれてしまった」そうだ。

 

本当に知らなかった?

対面が叶ったのは1986年、マイク・タイソンはボクシング界のビッグスターとして君臨していたが、マイケル・ジャクソンは彼のことを知らないという。「本当に知らなかったのか、あるいは俺をからかっていたのか......」、タイソンは後者に賭けているようだ。

マイケル・ジョーダンと鉢合わせ

マイク・タイソンは1988年、元アメフト選手リチャード・デントの誕生日パーティでバスケットの神様マイケル・ジョーダンと居合わせた。ちなみにこの年、タイソンはロビン・ギヴンスと結婚(その後スピード離婚)に至っていた。

ロビン・ギヴンス

ロリー・ホロウェイの著書『Taming the Beast: The Untold Story of Mike Tyson』によれば、「マイケル・ジョーダンは、ロビン・ギヴンスがタイソンと結婚する前に束の間の関係を持っていた。そのためタイソンはジョーダンを "吊るし上げ" たかったのだが、ジョーダンの方はすぐにパーティから去ってしまった」

ブラッド・ピットとも鉢合わせ

さらにマイク・タイソンは自伝の中で、1989年のある日、帰宅すると妻のロビン・ギヴソンがブラッド・ピットと"脚本の読み合わせ"をしていたという。ただし、この気まずい鉢合わせが大ごとになることはなかったようだ。

「恨んではいない」

タイソンは多少気分を害したが、大したことはなかったとし、自身のインスタグラムアカウントを通じ「恨んではいない。恨んでいたとしたら、今頃彼はこの世にいないだろう」とコメント。タイソン特有の、21世紀にふさわしくない発言の一例だ。

マリファナで月4万ドルの出費

さらにタイソンは自伝を通じ、月に4万ドルもマリファナに使っていた時期があると告白。趣味が高じてか、その後、栽培が合法化されているカリフォルニアでマリファナ農園を営んでいる。

薬物検査をくぐり抜ける

当然、それだけマリファナを服用していれば、一度だって薬物検査を通るはずがない。タイソンは検査対策として「妻の尿を使ったり、妻の妊娠中には子供たちの尿を使ったり」したとスポーツ専門局「ESPN」に語っている。

尿を入れていたものは

トリックがバレないよう、タイソンは家族のクリーンな尿を偽装ペニスに入れておき検査前にそれを着用、他人の目に触れないトイレでクリーンな尿を出しては自分のものとして提出していたのだ。

パーティ意欲が戦意をくじく

1990年1月、マイク・タイソンは見くびっていた格下選手、ジェームス・ダグラスと対戦するために日本を訪れた。「相手の試合なんて一度も見ていないし、対戦意欲もなかった。ただ、パーティーで盛り上がり、たくさんの女性と過ごしたかっただけだ」と自伝で明かしている。

「世紀の番狂わせ」で敗北

試合前日に5人の女性と関係をもったタイソンは(都市伝説あるいは本人の吹聴かもしれないが)、そのツケをリングで支払うことになった。第10ラウンドでノックアウトされて敗北、「世紀の番狂わせ」となり全タイトルを失ってしまった。しかし、これで奮起したタイソンはその後8連勝を収め、2つのタイトルは奪還に成功した。

3頭のベンガルトラ

エキセントリックなタイプを自任するマイク・タイソンは、自分らしいペットを求めていた。最終的に、体重200キロを超えるベンガルトラのケニア、ストーム、ボリスという3頭を飼うことに。長い時間を共にし、ときには一緒に寝ることもあったという。

トラの噛みつき事件と補償

ある日、一人の女性がベンガルトラのケニヤと遊ぼうとタイソン邸の柵を乗り越えてきたが、あやうく腕を食いちぎられそうになったという。タイソンは、「起きたことを目にした時、あまりにもひどかったので彼女に25万ドルを渡したんだ」と語っている。そしてタイソンは特異なペットの危険性に気づいた:「人肉を前にしたトラが何をしでかすかは予想がつかない」と。

暴行事件で収監される

1992年3月、マイク・タイソンは当時18歳のディズィリー・ワシントンに対する性的暴行により10年の実刑判決を言い渡された。ただし、3年間服役後の1995年に仮釈放されている。

飲酒運転と警官のサポート

マイク・タイソンであることの利点とは?飲酒運転や薬物運転で警察に止められても、無罪放免されるばかりか自分の代わりに警官が行き先まで運転してくれること、とタイソン本人が「Hotboxin」で語っている。

砂漠の幻覚剤との出会い

すでに多くの薬物問題を抱えながらもタイソンはさらなる刺激を求め、2019年にはソノラ砂漠のヒキガエルから得られる幻覚剤「5-MeO-DMT」に手を出した。その経験が彼の人生を一変したと、ポッドキャストで明かしている。

カエルの毒で人生に開眼

タイソンは、幻覚剤を試したときに「身体を整えて試合に復帰するように」という教えを授かったように感じた、としている。その日のうちに、二度とアルコールや薬物を摂取しないと誓った彼は身体を鍛え始め、30kgの減量にも成功。不死鳥のようにリングに復帰したのだ。

「世紀の噛みつき」事件

1997年6月28日、ラスベガスで行われた世紀の一戦は想像を絶する形で幕を閉じた。マイク・タイソンは対戦相手のイベンダー・ホリフィールド選手の耳に噛みつき、その一部を食いちぎったのだ。当然、スポーツ精神に反する野蛮かつ非道徳的な行為として非難された。

ホリフィールドに怒った原因

タイソンは「ホリフィールド選手が頭突きをしたので怒りを感じていた。この件については言い訳のしようがないが、あの時はただ彼を痛めつけたかったんだ。しかも彼のボクシングが上手だったので腹が立ったんだ」とオプラ・ウィンフリーの番組で告白している。

謝罪と友情

司会のオプラ・ウィンフリーは番組の中で、2人のボクサーを12年ぶりに引き合わせた。マイク・タイソンはイベンダー・ホリフィールドに対して正式に謝罪、それからというもの2人は互いに敬意を表し、友情を分かち合っている。

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