元女子ボクシング世界チャンピオン、アレシア・グラフが43歳で死去
ドイツの『ビルト』紙によれば、女子ボクシングの元世界チャンピオンであるアレシア・グラフが43歳の若さでこの世を去ったという。
グラフはドイツで最も人気の高い女性ボクサーの一人とされ、ドイツのボクシング界はいま深い悲しみに包まれている。なお、元チャンピオンの死因はいまだ不明だ。
グラフは1980年、アレシア・クリモヴィッチとしてベラルーシに生まれた。その後、20歳目前の1999年にドイツに移住して2002年にドイツで結婚。その際に苗字をグラフに変更している。
アレシアがボクシングのキャリアをスタートさせたのは2001年、21歳の時のことだ。アマチュアボクシング界でたちまち頭角を現し、プロへと転向した。
アレシアはグローバルボクシング連合(GBU)主催の世界女子スーパーフライ級王座や、女子国際ボクシング連盟 (WIBF)主催の世界大会などでタイトルを獲得。向かうところ敵なしのボクシングスキルと高い闘争精神で、女子ボクシング界のトップに立った。
女子ボクシング界で数々のタイトルを手にしたグラフは、2019年に現役生活に終止符を打った。
グラフが所属していたのはドイツ北部のハンブルクに拠点を置くボクシングプロモーション会社、ウニヴェルズム・ボックス・プロモーションだった。目を瞠るような活躍を続けたグラフは、仲間からもファンからも高い評価を受けていたという。
女子ボクシングの草分け的存在で元チャンピオンでもあるレジーナ・ハルミッヒは、仲間でもあり親友でもあったグラフの急逝に驚きを隠せずにいる。トレーニングはもちろん、リング外でも共に過ごしたことが思い出されるとしている。
グラフは温かな人柄で、仲間に惜しみないサポートを与えるタイプだったことから、ハルミッヒを始め多くのボクシング仲間から慕われていたという。
グラフが43歳の若さで急逝した原因は不明だが、当代最高の女性ボクサーの一人として素晴らしい試合を見せてくれたことは人々の記憶にいつまでも残ることだろう。