凍結療法に多血小板血漿療法……年間1億円以上をかけるロナウドの健康法とは
クリスティアーノ・ロナウドは世界最高レベルのサッカー選手だが、健康管理にかける費用も最高水準らしい。『The News International』紙によるとその額なんと年間100万ドル(約1億5,000万円)だというのだから驚きだ。
とうぜん、単にスパやジムに行ったりしているだけではこれほどの額にはならない。ロナウドはかなり変わった療法を含む、世界最先端の医療を取り入れているのだ。
39歳となったロナウドだが、最近も現役ゴール数が900を越えるなど活躍を続けている。長期間にわたるハイレベルなプレーを支えてきたのは、弛まぬプロ意識とトレーニングに他ならない。しかも、40歳を目前にしてロナウドの健康状態はかつてなく良好なのだ。いったいどうすればそんなことが可能なのか、その秘密を探ってみよう。
ロナウド流健康法の筆頭にあるのが、クライオセラピー(凍結療法)だ。『Manchester Evening News』紙によるとロナウドは2013年にクライオセラピー用の施設を自宅に設置したらしく、その費用は最大5万ポンド(約990万円)と伝えられている。この最新治療機器は-200℃もの低温を作り出すことで炎症を減らして筋肉の回復を早め、睡眠の質まで改善するのだという。
ロナウドは欧州各国の名門を渡り歩き、現在はサウジ・リーグで活躍しているが、スポーツ情報サイト「Bleacher Report」によると、この凍結療法用の機器は欠かせない必需品としてどこの拠点にも設置されていたという。実際、試合や激しい練習の後には毎日使っていたというのだから、確かに家に無くては困るだろう。使うときは最大3分間冷凍状態に置かれ、それによって血行が促進され疲労が解消された、ということだ。
だが、ロナウドが活用していた最新医療はそれだけではない。同じく愛用していたのが、トップアスリートや健康マニアに人気のスーパーライザー(近赤外線治療器)だ。身体に近赤外線を照射することで細胞の回復を促し、皮膚の柔軟さを増大させたり筋肉の回復を早めたりすると言われている。
さらに、ロナウドは高気圧酸素治療も活用していたという。これは高圧環境下で高濃度の酸素を吸引することで血中酸素濃度を高める方法で、怪我の回復を早めたり、全体的なパフォーマンスの向上が見込めるのだという。『Manchester Evening News』が伝えている。
ロナウドいわくこの治療法には実際に効果があったということで、膝の負傷で一時は引退も危ぶまれた時期に回復を早めてくれたのだという。レアル・マドリードのファンページ「Managing Madrid」で語られている。
マットレスが睡眠の質に大きな影響を及ぼすことはよく知られているが、ロナウドはそこにも桁違いの投資をしている。彼の使うマットレスはHOGOというメーカー製の特注品で、『ザ・サン』紙によるとお値段なんと3万ドル(約450万円)だとか。深い睡眠を誘い筋肉の回復を早めるほか、温度調整も行い、背骨の歪みも直してくれるということだ。
画像:Kathyryn Tripp on Unsplash
また、怪我予防の観点から、多血小板血漿(PRP)療法も活用していたという。PRP療法では患者から採った血液中の血小板を濃縮し、それを再投与することで筋肉や腱の回復を促進するとされている。
この治療法は最新のもので、一回あたり数十万円以上のコストがかかる。だが、手術無しで怪我が治せるということで、特にトップアスリートには人気なのだという。
しかも、PRP療法の効果はそれだけではないらしい。ネット上で多くのフォロワーを集めている、ドバイ在住の美容皮膚科医師ドクター・ハーシャいわく、ロナウドはPRP療法を生え際の維持のためにも活用しているのだという。ドクター・ハーシャは自身のポッドキャストで「ロナウドはPRP療法が気に入っていることで知られていますが、それは生え際が維持できるからなんです」と語っている。
水は生きていく上で欠かせないが、ロナウドはそこへの投資も怠っていない。ロナウドはふだんから飲むミネラルウォーターに一日あたり8,000ドル(約122万円)もかけているのだという。サッカートレーニング情報ポータル「FC Motivate」が紹介している。
ロナウドはとくにアルカリイオン水を好んでいるということで、なんと2023年には独自の水ブランド「URSU」を立ち上げてしまった。独自ブランドを作ったからには、今はさすがに前よりは水にかかる費用は下がっているのだろう。
このように、ロナウドがさまざまな療法を活用していることを紹介してきたが、真に驚くべきなのはロナウドが自身の健康にかける熱意そのものだろう。まさにその弛まぬ自己管理のおかげで、40歳を目前としたいまでも最高のパフォーマンスを発揮できているのだ。
無限の若さは存在しないかもしれないが、ロナウドの例を見る限り、それに近づくことは可能なようだ。ただし、そのためには年間1億円以上を費やさねばならないのだが。結局は若さの秘訣はお金という、あまり夢のない話なのかもしれない。