受け継がれるスターの遺伝子:ジダンの4人の子供たちについて
フランス代表やレアル・マドリードで活躍したレジェンド、ジネディーヌ・ジダンはサッカー界に留まらず、スポーツ界全体に大きなインパクトを与えた。その輝かしいキャリアの原動力になったのは、妻ヴェロニクと4人の子供たちだったという。
エンツォ、ルカ、テオ、エリアズの4人の子供たちは全員、父親と同じサッカー選手の道を選んだ。しかし、偉大な父を追いかけてサッカーのキャリアを歩むことは簡単なことではなかったはずだ。2015年10月、 仏誌『レキップ』のロングインタビューで父ジネディーヌ・ジダンは次のように語った。「何不自由なく育ったから僕の子どもたちは楽な人生を歩んでいると思う人もいるかもしれない。でも、人生はそこまで単純ではなくて、結局は自分の力で切り開かなければならないんだ。そう簡単なことではないと思うよ」
ここでは、ジネディーヌ・ジダンの4人の息子たちのキャリアについて見ていこう。
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ジネディーヌ・ジダンの長男エンツォは1995年3月24日ボルドー生まれ。スペインの首都マドリードで成長し、9歳のときにレアル・マドリード下部組織のカスティージャに入団。2014年11月にはレアル・マドリードで公式戦デビューを果たした。
2016年11月、エンツォはコパ・デル・レイのラウンド16で父が指揮するレアル・マドリードのトップチームデビューを飾った。しかし主力に定着することはできず、トップチームでの出場はこの1試合のみだった。その後7年間でスペイン、フランス、スイスの7つのクラブを渡り歩いた。
エンツォは2018年にスペイン紙『マルカ』に対し、「父と比較され、より多くを求められる。プレーできているのは父のおかげだと言う人もいる。色んな理由で批判してくる人がいるけれど、考えないようにしているんだ」と語った。「一番大切なのは家族が僕を誇りに思ってくれることだ。自分らしく成長することだけを考えているよ」
スペイン3部のCFフエンラブラダでプレーした後、エンツォ・ジダンは契約延長せずフリーの状態に。 家族との生活を優先し、投資事業に専念するため、2024年9月に29歳の若さで現役引退を決断した。
プライベートでは、ベネズエラ出身モデルのカレン・ゴンサルベスと結婚したエンツォは現在、2022年5月に生まれた長女シーアと2024年5月に生まれた双子ジュリアとカイアという3人の娘の父親として暮らしている。
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次男のルカ・ジダンは1998年5月13日にエクス=アン=プロヴァンスで生まれた。兄エンツォ同様に、2004年にレアル・マドリード下部組織に入団。ゴールキーパーとしてプレーした。
レアル・マドリードのトップチームで数回出場した後、ルカ・ジダンはラシン・デ・サンタンデール、ラージョ・バジェカーノ、SDエイバルでプレー。昨夏、スペイン2部のグラナダCFに入団した。
兄エンツォと同様にルカも父との比較に苦しんだことがあったという。スペインメディア「Relevo」に対し、「父の存在によって他の選手より注目されることは多い」と語った。「これを得なことだと考える人もいるけれど、そうではないと思う」とエンツォは打ち明けている。
キャリアのなかで偉大な父と比較され、批判にさらされることも多かったようだ。「一度のみならずそういう目にあった。今の自分があるのは父親のおかげだと言われるんだ。サッカー選手として積み重ねた日々の努力は、自分だけのものなのに。もちろん周囲の意見は尊重するけど、受け止めるのは簡単ではないよ」と語った。
プライベートではこれまで複数のスペインメディアがマヨルカ島出身のインフルエンサー、マリーナ・ムンタネールと交際していたと報じている。しかし今のところ結婚には至らず、サッカー選手としてプレーに専念しているようだ。
三男テオ・ジダンは2002年5月18日にマルセイユで生まれた。兄たちと同様に、8歳の若さでレアル・マドリードの下部組織に入団。
テオはレアル・マドリードで約15年にわたってプレー。2019/20シーズンにはレアル・マドリードU19のメンバーとしてUEFAユースリーグ優勝を果たした。その後、ラウール監督が指揮するレアル・マドリードのリザーブチームに加わったが、トップチーム昇格はかなわなかった。
2024年夏、テオ・ジダンはスペイン2部のコルドバCFに移籍。2シーズンの契約を結んだ。
2021年12月、テオはリール出身のアルバ・ロリーニとの交際を発表。アルバはマドリードのフランス系高校に通っていたという。現在22歳のテオは、仲睦まじい写真を定期的にインスタグラムにシェアしている。
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エリアズは2011年から2013年までクラブ・デポルティボ・カニジャスの下部組織に所属した後、レアル・マドリードに入団。左サイドバックを務めたがトップチーム昇格はかなわず、2024年1月からはラ・リーガの名門レアル・ベティスのリザーブチームでプレーしている。
エリアズ・ジダンは2021年秋にフランスU17代表デビューを果たし、試合に投入されるとわずか1分で初ゴールを記録。その1年後にはユーロのU17カテゴリーで優勝を果たした。それ以後も育成年代のフランス代表で活躍し、2024年夏にはU19ユーロにも出場するなど将来を期待されている。それぞれのやり方でサッカーと関わり、活躍を続けるジダン一家から今後も目が離せない。