サッカー界を代表するサウスポーたち:メッシも久保選手も左利き
左利きはいろいろなスポーツで有利だと言われるが、サッカーも例外ではないだろう。実際、これまでにも多くの左利き選手たちが試合を盛り上げ、歴史にその名を刻んできた。ここではサッカー史に残る左利きの選手たちをみてゆこう。
リバウドは長身かつ左利きで、切れ味あるドリブルを特徴とする選手だ。1999年にバロンドールを受賞し、2002年にはブラジルをワールドカップ優勝に導いたリバウドは、メッシと同じくFCバルセロナのレジェンドでもある。
史上最高の左利きのサッカー選手といえば、まず名が挙がるのはリオネル・メッシだろう。FCバルセロナのレジェンドであり、アルゼンチン代表でも活躍してきたメッシは、史上最多8回のバロンドール受賞を誇っている。2022 年には母国を悲願のFIFAワールドカップ優勝に導くなど、あらゆるトロフィーを獲得してきた。メッシこそ史上最高の選手といえるだろう。
メッシと同じアルゼンチン出身のディエゴ・マラドーナも左利きだ。イタリアの名門ナポリとアルゼンチン代表のレジェンドであるマラドーナは、1986年のワールドカップで活躍し、「神の手」ゴールで話題となった。
オランダはサッカー史に残る多くのウィングストライカーを輩出してきた。なかでもアリエン・ロッベンは史上最高のウィンガーの一人だ。バイエルン・ミュンヘンに多くのトロフィーをもたらし、2010年のFIFAワールドカップでは、スペイン代表GKイケル・カシージャスのビッグセーブに優勝を阻まれたものの、母国オランダを準優勝に導いた。
スペインのレアル・ソシエダで活躍している久保建英も左利きだ。今後、サッカー史に名を残す選手になっていくのではないだろうか。日本人の左利き選手としては、これまで中村俊輔、本田圭佑、堂安律などが世界の舞台で活躍をしてきた。
カシージャスはおそらく史上最高の左足ゴールキーパーだろう。レアル・マドリードで素晴らしい成績を残しただけでなく、スペイン代表のワールドカップ優勝と2度のユーロ制覇に貢献した。
レアル・マドリードで長年カシージャスと共にプレーしたロベルト・カルロスは、左足から繰り出す強烈な弾丸シュートによって「悪魔の左足」と恐れられた。レアル・マドリードだけでなく、ブラジル代表チームでも数々の鮮烈なシュートを見せた。
アルフレッド・ディ・ステファノもレアル・マドリードを代表するサウスポーだ。ヨーロッパカップ5連覇という偉業に貢献し、バロンドールを2回受賞している。
レアル・マドリードでディ・ステファノのチームメートだったフェレンツ・プスカシュも偉大な左利きのプレーヤーだ。ドリブルとシュートの両方を得意とするプスカシュは、史上最も傑出したストライカーの一人だ。1954年のワールドカップでは、母国ハンガリー代表を決勝まで導いたスターである。
ロビン・ファン・ペルシーはアーセナルで長年にわたってゴールを量産し、現在でもオランダ人選手の最多得点記録を保持している。
ルーマニア史上最高の選手であり、「東欧のマラドーナ」と呼ばれるゲオルゲ・ハジは、左足から繰り出す独創的なプレーで名を馳せた。レアル・マドリード、FCバルセロナ、ガラタサライなどの強豪で活躍している。
ブルガリア代表のフリスト・ストイチコフは、ハジとならぶ東欧のスター選手だ。ヨハン・クライフ監督率いるバルセロナの黄金期を支え、1994年にはバロンドールを受賞した。同年にはブルガリア代表をFIFAワールドカップ4位という歴史的快挙に導いた。
アンヘル・ディ・マリアは、アルゼンチン代表の2022年ワールドカップ優勝に大きく貢献した。クラブではレアル・マドリードとパリ・サンジェルマンで活躍し、それぞれで数々のタイトルを獲得した。
レアル・マドリードでディ・マリアとチームメートだったメスト・エジルは、左利きのドイツ人選手として史上最高の活躍を残した。エジルはドイツ代表では2014年にFIFAワールドカップを制し、レアル・マドリードやアーセナルでも世界最高のパサーとして名を馳せた。
ラウル・ゴンサレス・ブランコもレアル・マドリードのレジェンドだ。レアル・マドリードで323ゴールを記録し、チームの象徴的選手となった。その後ドイツのシャルケ04に移籍し、そこでも多くのゴールを決めている。
モハメド・サラーも間違いなく歴史に残る左利きの選手だろう。リヴァプールのエースストライカーであるサラーは、同チームで200ゴール以上を記録する史上最高のエジプト人選手だ。
ギャレス・ベイルはトッテナムで若くして頭角を現し、プレミアリーグに旋風を巻き起こした。莫大な移籍金でレアル・マドリードに加入すると、UEFAチャンピオンズリーグ制覇など多くのトロフィー獲得に貢献した。
ダビド・シルバは長年にわたりマンチェスター・シティとスペイン代表で活躍を果たした。プレミアリーグでは4度のタイトルを獲得、代表では2010年のワールドカップ制覇の立役者となった。左足の魔術師と呼ばれたシルバは、レアル・ソシエダでは久保建英とも共闘したが、2023年に惜しまれながら現役を引退した。
ライアン・ギグスはマンチェスター・ユナイテッドのレジェンドだ。同チームの下部組織出身のギグスは、キャリアを通じてユナイテッド一筋だった。13回のリーグ優勝、2回のチャンピオンズリーグ制覇などを達成し、同クラブの黄金期を支えた。
アーリング・ハーランドは若くして、現役最高の左利きストライカーにまで上りつめた。ノルウェー出身のハーランドは、マンチェスター・シティでの最初のシーズンに52ゴールを決め、今シーズンもさらなるゴールが期待される。
史上最高のディフェンダーの一人であるパオロ・マルディーニは、ACミランとイタリア代表のレジェンドだ。優雅で力強く、常に闘志をもってプレーするマルディーニは、ACミラン一筋のキャリアを送った。セリエAで7回のタイトルを獲得し、チャンピオンズリーグでも5回の優勝を果たした。
マンチェスター・ユナイテッドで長年プレーしてきたボビー・チャールトンは、史上最も偉大な選手の一人だ。1966年にワールドカップを制し、バロンドールを受賞したチャールトンは、マンチェスター・ユナイテッドでは249ゴールを決め、ヨーロッパカップ優勝にも貢献した。
左利きの優れた選手は数多く、全員を紹介することは不可能だ。これまで紹介してきた選手だけでなく、ゴールキーパーではティボー・クルトワやペトル・チェフ、ヴィッセル神戸でも活躍したルーカス・ポドルスキや、フランス代表のアントワーヌ・グリーズマンらも歴史に残る左利きの選手たちだ。