2024年パリ五輪で期待を背負う「ママ」アスリートたち:競技と家庭の両立はいかに
アスリートにとって母親になることは人一倍大きな出来事だ。出産前のパフォーマンスを取り戻すのに苦労する選手や、出産後もトップに君臨し続け観客に感動を与える選手など、「ママ」アスリートのキャリアはさまざまだ。 ここでは、2024年パリオリンピックで金メダル候補となっているアスリートたちをチェックしてみよう。
エリナ・スビトリナは、出産後に素晴らしい復帰を果たしたママアスリートの一人である。2023年は充実したシーズンとなり、女子テニス世界ランキングで現在トップ20に入っている。夫であるフランス人テニス選手ガエル・モンフィスとともに、パリオリンピックでの活躍を期待されている。
2022年、フランス人柔道家のクラリス・アグベニューは新たな家族を迎えた。63kg級の絶対王者であるアグベニューは、出産後も連勝を重ね、2023年の世界選手権ドーハ大会で6度目の世界王者となった。パリオリンピックでは、ミドル級の金メダル最有力候補と言えるだろう。
「ママ・ロケット」の愛称で知られるシェリー=アン・フレーザー=プライスは、女子短距離走のレジェンドである。オリンピック100メートルで2度金メダルを獲得しているフレーザーは、最大のサポーターである7歳の子供と共に、37歳で3度目のタイトルを目指している。
オリンピックの1,500メートル競走で金メダルを2度獲得しているフェイス・キピエゴンは、パリオリンピックの中距離走で注目の選手だ。2018年に一児の母となり、1,500メートルはもちろんのこと、5,000メートルでもメダルを目指している。
円盤投げのレジェンド、メリナ・ロベール=ミションは2016年リオオリンピックで銀メダルを獲得。44歳で6度目の出場となるパリオリンピックで、2人の娘エノラとエリッサのためにメダルを獲得することは出来るだろうか。
2016年のリオオリンピックでトライアスロン金メダリストとなったグウェン・ジョーゲンセンは、マラソン競技への転向し新たなチャレンジに取り組んでいる。6歳の息子スタンレーが見守る中、パリオリンピックのマラソン競技ではダークホースとなりそうだ。
2022年に産休から復帰したフランス人フェンシング選手のセシリア・バーダーは、東京オリンピックでの銀メダルに続き、パリオリンピックでもメダル獲得を目指している。
パラリンピックで17個の金メダルを獲得したサラ・ストーリーは、パラ水泳とパラサイクリングのスター選手だ。2人の子を育てるママアスリートとして、今年も素晴らしい結果を残すことだろう。
フランス代表が重量挙げでメダルを獲れるかどうかは、6歳の男児の母でもあるドラ・チャクンテに掛かっている。東京オリンピックでは惜しくも4位に終わったが、パリオリンピックではリベンジに燃えている。
写真:Instagram @doratchakounte
アレックス・モーガンは世界最高の女子サッカー選手の一人であると同時に、3歳の娘の母親でもある。34歳のモーガンにとっては、自身2度目の金メダルが掛かった、最後のオリンピックになるかもしれない。ミーガン・ラピノーの引退後、アメリカ代表チームの新キャプテンとして活躍が期待されている。
双子を含む3人の母親であるヘレン・グラバーは、ボート競技の「スーパーママ」だ。オリンピックの舵なしペア種目で2度金メダルを獲得したことがあり、パリオリンピックでもメダル有力候補の1人である。
2023年、ジョヴァンナ・ペドロソは飛び込み競技の選手として、南北アメリカ大陸の国々が競い合うパンアメリカン競技大会で銅メダルを獲得した。25歳という若さで、幼い息子の世話と競技生活を両立させているのは驚くべきことだ。
2児の母であり、アマチュアボクシング世界選手権で銅メダリストとなったワシラ・ルカディリは、母国フランスでオリンピック金メダルを獲得するという夢に挑んでいる。
セリーナ・ウィリアムズ、エリナ・スビトリナ、キム・クライシュテルス同様、ビクトリア・アザレンカは、多くのテニス選手から尊敬されるスターだ。2016年に第一子を出産したものの、翌年に親権争いが起こり1年近く試合を欠場していたが、元世界ランキング1位の女王として更に実力をつけてテニスコートに舞い戻った。パリオリンピックでは、自身3つ目のオリンピックメダルを狙っている。
2022年のニューヨークマラソンで7位に入ったアリフィン・チェプカーカー・トゥリアムクは、素晴らしい長距離ランナーの1人だ。5歳の娘を持つ彼女は、同国の英雄アリソン・フェリックスのような輝かしい勝利を目指している。